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RC造の内装解体とは?アスベスト調査から工事完了までの全手順を徹底解説

  • 執筆者の写真: seira murata
    seira murata
  • 11月12日
  • 読了時間: 18分
RC造 内装解体

RC造のマンションや店舗の内装解体を計画しているものの、木造との違いがわからず、費用や手順、特にアスベスト調査について不安を感じていませんか?頑丈なコンクリート構造だからこそ、解体には専門的な知識と技術が求められます。結論からお伝えすると、RC造の内装解体を成功させるカギは、法律で義務化されたアスベスト調査を確実に行い、建物の構造体(躯体)を傷つけない信頼できる専門業者に依頼することです。この記事では、RC造の内装解体の特徴から、坪単価で見る費用相場、アスベスト調査から工事完了までの全手順、そして失敗しない業者の選び方まで、あなたが知りたい情報を徹底的に解説します。本記事を読めば、RC造の内装解体に関する全ての疑問が解消され、安心して計画の第一歩を踏み出せるようになります。


1. RC造の内装解体とは 木造との違いを解説

RC造の内装解体とは、鉄筋コンクリート造の建物の内部、つまり壁紙、床材、天井、間仕切り壁、設備などを撤去する工事のことです。主に、店舗やオフィスのリニューアル、マンションのリノベーション、賃貸物件の原状回復などの際に行われます。建物の骨格である構造体(躯体)は残し、内装だけを新しくするための重要な第一歩となります。この工事は、木造建築の解体とは異なる専門的な知識と技術が求められます。


1.1 RC造(鉄筋コンクリート造)の構造的な特徴

RC造(Reinforced Concrete)は、その名の通り「鉄筋」で補強された「コンクリート」によって構成される建築構造です。コンクリートは圧縮力に強い一方、引張力には弱いという特性があります。逆に、鉄筋は引張力に強い特性を持っています。この二つの建材を組み合わせることで、地震や風などの外力に対して非常に高い強度と耐久性を実現しています。主要な構造部である柱、梁、床、壁が一体化しており、耐火性や遮音性にも優れているのが大きな特徴です。この頑丈な構造が、内装解体における作業方法や注意点に大きく影響します。


1.2 木造建築との内装解体の違い

RC造と木造では、建物の構造が根本的に異なるため、内装解体の進め方や注意点も大きく変わります。特に「壁の撤去」や「騒音・振動」のレベルには顕著な差があります。両者の違いを理解しておくことで、工事計画をスムーズに進めることができます。

比較項目

RC造

木造

構造体の強度

非常に頑丈。ただし、躯体を傷つけると建物全体の強度に深刻な影響を及ぼす可能性がある。

柱や梁で構造が支えられている。RC造に比べると柔軟性がある。

壁の撤去

建物を支える構造壁(耐力壁)の撤去は原則不可。間仕切り壁は撤去可能だが、コンクリートの壁は解体が大掛かりになる。

耐力壁以外であれば比較的容易に撤去可能。ただし、筋交いなど構造上重要な部材には注意が必要。

騒音・振動

コンクリートを削る「斫り(はつり)」作業などで、木造に比べて格段に大きな騒音と振動が発生する。近隣への配慮が特に重要。

RC造に比べると騒音・振動は小さい傾向にあるが、工具の使用音などは発生する。

主な使用工具

コンクリートカッター、ハンドブレーカー、重機など、専門的でパワフルな工具が必要。

バール、ハンマー、電動のこぎりなどが中心。手作業による解体が多い。

廃棄物の種類

コンクリートガラ、金属くず、Pタイル、ボード類など、多種多様で重量のある廃棄物が出る。

木くずが中心。その他、石膏ボードや断熱材など。

1.3 スケルトン解体と原状回復工事の違い

内装解体には、目的や解体範囲によっていくつかの種類があります。特に「スケルトン解体」と「原状回復工事」は混同されがちですが、その内容は全く異なります。ご自身の計画がどちらに該当するのかを正しく把握することが、適切な業者選びと費用算出の第一歩です。

比較項目

スケルトン解体

原状回復工事

目的

内装をゼロから作り直すため。デザインを一新する大規模リノベーションや、テナントの業種転換などが目的。

賃貸物件を契約前の状態に戻すため。次の入居者のために、借りたときの状態に復旧させることが目的。

解体範囲

床・壁・天井の下地材から設備(キッチン、トイレ、空調など)まで、構造体以外をすべて撤去する。

契約内容に基づき、入居後に設置した間仕切り、造作家具、独自の設備などを部分的に撤去・修繕する。

工事後の状態

建物の構造体(コンクリート躯体)が剥き出しの状態。「コンクリート打ちっ放し」とも呼ばれる。

入居時の状態。壁紙や床材が元通りに貼られ、基本的な設備が整っている状態。

2. RC造の内装解体にかかる費用相場と内訳

RC造 内装解体

RC造の内装解体費用は、建物の規模や解体範囲、立地条件など様々な要因によって変動します。ここでは、費用の目安となる坪単価や具体的な内訳、そしてコストを抑えるためのポイントについて詳しく解説します。


2.1 坪単価で見る費用目安

内装解体の費用は、解体する面積(坪数)をもとに算出されることが一般的です。物件の種類や解体の目的によって坪単価は異なりますが、RC造の目安は以下の通りです。

物件の種類・目的

費用相場(坪単価)

備考

店舗・オフィスのスケルトン解体

25,000円~50,000円

厨房設備や複雑な造作物の有無で変動します。

マンションのスケルトンリノベーション

20,000円~45,000円

共用部分の養生や搬出経路の確保が重要になります。

住宅・店舗の原状回復工事

15,000円~30,000円

部分的な解体やクロスの張り替えなどが中心です。

これらの単価はあくまで目安であり、現場の状況や廃棄物の量によって金額は大きく変動します。正確な費用を知るためには、必ず専門業者による現地調査の上で見積もりを取得することが不可欠です。


2.2 費用の内訳と変動要因

見積書に記載される費用の主な内訳は、「解体作業費」「廃棄物処理費」「養生費や諸経費」の3つに大別されます。それぞれの内容を理解することで、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。


2.2.1 解体作業費

解体作業費は、職人が実際に内装材を撤去する作業にかかる人件費が中心です。RC造は木造に比べて壁や床が頑丈なため、手作業(手壊し)が基本となり、作業時間も長くなる傾向があります。解体する範囲が広いほど、また天井や壁の造作が複雑であるほど、人件費は高くなります。


2.2.2 廃棄物処理費

解体工事で発生した内装材や設備を、法律に則って適正に処分するための費用です。RC造の内装解体では、石膏ボード、コンクリートガラ、Pタイル、断熱材、軽天材(軽量鉄骨)など、様々な種類の産業廃棄物が発生します。これらの廃棄物の量と種類によって処理費用は大きく変動します。特に、アスベスト(石綿)含有建材が見つかった場合は、専門的な除去作業と特別な処分が必要となり、費用が大幅に高騰するため注意が必要です。


2.2.3 養生費や諸経費

養生費は、解体しない部分やマンションの廊下・エレベーターといった共用部を、作業中の粉塵や搬出時の衝撃から保護するためにシートなどで覆う費用です。近隣への配慮や建物を保護するために欠かせません。諸経費には、現場管理費、重機を使用する場合の回送費、車両の駐車場代、官公庁への届出書類作成費用などが含まれます。


2.3 見積もりを安く抑えるためのポイント

内装解体の費用は、いくつかの工夫で安く抑えられる可能性があります。以下のポイントを参考に、賢くコストを管理しましょう。

  • 複数業者から相見積もりを取る: 最も重要なポイントです。最低でも3社以上の解体業者から見積もりを取得し、金額だけでなく工事内容や内訳を比較検討しましょう。極端に安い見積もりは、不法投棄や追加費用のリスクがあるため注意が必要です。

  • 不用品を自分で処分する: 家具や家電、カーペットなどの不用品を事前に自分で処分しておくと、業者が処分する廃棄物の量が減り、廃棄物処理費の削減につながります。

  • 解体業者に直接依頼する: リフォーム会社や工務店に一括で依頼すると、中間マージンが発生することがあります。解体工事を専門の解体業者に直接依頼する「分離発注」にすることで、コストを抑えられる場合があります。


3. RC造の内装解体 全手順を7ステップで解説

RC造 内装解体

RC造(鉄筋コンクリート造)の内装解体は、木造とは異なる注意点が多く、計画的に進めることが成功の鍵となります。ここでは、専門業者への相談から工事完了まで、具体的な流れを7つのステップに分けて詳しく解説します。これから内装解体を検討している方は、ぜひ全体の流れを把握しておきましょう。


3.1 ステップ1 専門業者への相談と現地調査

内装解体を決めたら、まず初めに行うのが専門業者への相談です。インターネットや紹介などを通じて信頼できそうな業者をいくつか探し、連絡を取ります。この際、建物の概要(築年数、面積)、解体の目的(スケルトンリフォーム、原状回復など)、希望の工事範囲、予定工期などを具体的に伝えることで、その後の話がスムーズに進みます。

相談後、業者が現地調査に訪れます。現地調査では、図面だけではわからない建物の構造、内装材の種類、搬出経路の確認、近隣環境などをプロの目でチェックします。この段階で解体の目的や残しておきたい設備などを正確に伝えることが、後の見積もりの精度を高め、トラブルを未然に防ぐために非常に重要です。不明点や不安なことは、この機会に遠慮なく質問しましょう。


3.2 ステップ2 アスベスト(石綿)の事前調査と報告

2022年4月の法改正により、建物の解体・改修工事を行う際には、工事の規模に関わらずアスベスト(石綿)の事前調査が義務化されました。RC造の建物、特に2006年以前に建てられたものでは、吹付け材、断熱材、内装の仕上材などにアスベストが使用されている可能性があります。

調査は、まず設計図書などで使用建材を確認する「書面調査」、次に現地で目視確認する「現地調査」を行います。それでも不明な場合は、建材の一部を採取して専門機関で分析する「分析調査」へと進みます。調査は「建築物石綿含有建材調査者」などの有資格者が行う必要があり、調査結果は元請業者が都道府県などへ電子システムで報告することが定められています。


3.3 ステップ3 見積もりの取得と比較検討

現地調査とアスベスト調査の結果をもとに、業者から詳細な見積書が提出されます。この時、必ず2〜3社から相見積もりを取得し、内容を比較検討することをおすすめします。単に総額の安さだけで判断するのではなく、各項目の内訳をしっかりと確認することが重要です。

見積書で特にチェックすべき項目は以下の通りです。

  • 解体工事費(人件費、重機使用料など)

  • 廃棄物処理費(木くず、コンクリートがら、石膏ボードなど品目ごとの単価と量)

  • アスベスト除去費用(アスベストがあった場合)

  • 養生費(共用部や残置物の保護)

  • 諸経費(現場管理費、駐車場代など)

「工事一式」といった曖昧な記載が多い場合は、詳細な内訳の提出を求めましょう。丁寧な説明があり、納得のいく見積もりを提示してくれる業者を選ぶことが、失敗しないための第一歩です。


3.4 ステップ4 各種届出と近隣への挨拶

解体業者との契約が完了したら、工事開始前に必要な行政への届出と、近隣住民への挨拶を行います。必要な届出は工事の規模や内容によって異なりますが、主に以下のようなものがあります。


主な届出の例

届出の種類

概要

建設リサイクル法に基づく届出

床面積の合計が80㎡以上の解体工事の場合に必要。工事着手の7日前までに発注者が都道府県知事に届け出る。

特定粉じん排出等作業実施届出書

レベル1、レベル2のアスベスト含有建材の除去作業を行う場合に必要。作業開始の14日前までに届け出る。

これらの届出は、多くの場合、解体業者が手続きを代行してくれます-mark>が、発注者としての責任も伴うため、届出が正しく行われているか確認しておくと安心です。また、工事中は騒音や振動、粉じんの発生が避けられません。事前に工事の概要や期間を説明し、近隣の方々へ挨拶回りを行うことで、トラブルを最小限に抑えることができます。


3.5 ステップ5 養生と内装材の撤去作業

いよいよ工事開始です。最初に行うのは、解体しない部分やマンションの共用部(エレベーター、廊下など)を保護するための「養生」です。床や壁をシートやパネルで覆い、傷や汚れが付かないように徹底的に保護します。この養生の丁寧さが、業者の品質を見極める一つの指標にもなります。

養生が完了したら、内装材の撤去作業に移ります。一般的には、天井、壁、床の順に手作業で解体を進めていきます。RC造の建物は構造躯体が非常に強固なため、コンクリートの壁や床を傷つけないよう、慎重な作業が求められます。間仕切り壁の撤去や設備の取り外しなど、計画に沿って丁寧に作業が進められます。


3.6 ステップ6 産業廃棄物の分別と搬出

内装解体で発生した木くず、石膏ボード、金属くず、ガラスなどは、すべて「産業廃棄物」として法律に基づき適正に処理しなければなりません。現場では、これらの廃棄物を品目ごとに細かく分別しながら作業を進めます。適切な分別は、リサイクルを促進し、処理費用を抑えるためにも不可欠です。

分別された廃棄物は、許可を受けた収集運搬業者によって中間処理施設や最終処分場へ搬出されます。この際、不法投棄を防ぐために「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」という伝票が発行されます。これは、廃棄物が正しく処理されたことを証明する重要な書類です。工事完了後、業者からマニフェストの写しを受け取り、必ず5年間保管するようにしましょう。


3.7 ステップ7 工事完了の確認と清掃

すべての解体作業と廃棄物の搬出が終わると、最終確認と清掃が行われます。施主と業者の担当者が一緒に現場を立ち会い、契約書や見積書通りの範囲がきちんと解体されているか、残置物や構造躯体に不要な損傷がないかなどをチェックします。

もし契約と異なる点や気になる箇所があれば、この時点で必ず指摘し、是正を求めましょう。問題がなければ、現場の清掃(ほうきでの掃き掃除程度)が行われ、工事は完了となり、引き渡しとなります。これですべての工程が終了です。


4. RC造の内装解体における重要注意点

RC造 内装解体

RC造(鉄筋コンクリート造)の建物は木造と比べて頑丈な分、内装解体においても特有の注意点が存在します。安全かつスムーズに工事を進めるためには、法律で定められた義務から近隣への配慮まで、事前に把握しておくべき重要なポイントがいくつかあります。ここでは、後々のトラブルを未然に防ぐために必ず押さえておきたい4つの注意点を詳しく解説します。


4.1 アスベスト調査の義務化と法改正

RC造の内装解体で最も注意すべき点の一つが、アスベスト(石綿)の取り扱いです。過去に建てられたRC造の建築物では、耐火性や断熱性を高める目的で、吹付け材や断熱材、仕上塗材などにアスベストを含有する建材が使用されている可能性があります。

2022年4月1日から大気汚染防止法および石綿障害予防規則が改正され、建物の解体・改修工事を行う際には、規模の大小を問わずアスベストの事前調査と、その結果の都道府県等への報告が義務化されました。調査を怠ったり、虚偽の報告をしたりした場合には厳しい罰則が科せられます。アスベスト含有建材が見つかった場合は、飛散防止対策を徹底し、法令に則った適切な方法で除去・処分を行う必要があります。


4.2 騒音と振動への対策と近隣配慮

RC造の建物は構造が強固なため、内装材を撤去する際や、コンクリート壁の一部をはつる(削る・壊す)作業などで、木造建築よりも大きな騒音や振動が発生しやすい傾向にあります。特にマンションやテナントビルなどの集合建物では、その影響が上下左右の部屋に伝わりやすく、近隣トラブルの原因となりがちです。

そのため、工事開始前に管理組合や近隣住民へ工事の概要、期間、作業時間などを丁寧に説明し、理解を得ておくことが不可欠です。また、業者には防音シートや防振材による養生を徹底してもらうほか、可能な限り低騒音・低振動の工法を選択してもらうよう相談することも重要です。作業時間を平日の日中に限定するなど、最大限の配慮が求められます。


4.3 建物の構造体(躯体)を傷つけない施工

内装解体は、あくまで室内の仕上げ材や間仕切り壁、設備などを撤去する工事であり、建物の骨格である構造体(躯体)にダメージを与えてはなりません。RC造の建物は、柱、梁、耐力壁、床スラブといった躯体によってその強度と耐震性が保たれています。

万が一、これらの構造体を誤って傷つけたり、撤去してしまったりすると、建物の安全性が著しく損なわれ、取り返しのつかない事態を招く恐れがあります。信頼できる業者は、建物の図面を正確に読み解き、どこが構造体でどこが撤去可能な部分かを的確に判断した上で、慎重に作業を進めます。解体範囲については、事前に業者と入念な打ち合わせを行い、認識を共有しておくことが極めて重要です。


4.4 電気や水道などライフラインの適切な処理

内装解体工事に着手する前には、電気、ガス、水道、空調、通信回線といったライフラインの適切な処理が必須です。これらの設備を誤った手順で扱うと、重大な事故につながる危険性があります。

特に、電気が通ったままの配線を切断すれば感電や火災のリスクがあり、ガス管や水道管を破損させればガス漏れや漏水事故を引き起こします。これらの作業は、有資格者が安全を確保した上で行わなければなりません。また、スプリンクラーや自動火災報知設備などが設置されている場合は、ビル全体の防災システムと連動しているため、管理会社や専門業者との連携が不可欠です。工事範囲内のライフラインの停止や撤去は、必ず専門知識を持つプロに任せるようにしてください。


ライフライン処理における主な注意点

ライフラインの種類

主な注意点と危険性

電気設備

分電盤での電源遮断を徹底。活線作業は厳禁。感電・火災事故のリスク。

ガス設備

必ずガス会社に連絡し、元栓での供給停止と配管の撤去を依頼。ガス漏れ・爆発事故のリスク。

水道・給排水設備

止水栓を確実に閉める。配管の撤去時は、漏水による水損事故に注意。

空調・防災設備

ビル全体のシステムと連動している場合が多い。管理会社や専門業者との事前協議が必須。

5. 失敗しないRC造内装解体業者の選び方

RC造 内装解体

RC造の内装解体は、木造とは異なる専門知識と技術が求められます。騒音や振動、躯体への影響など、配慮すべき点も多岐にわたるため、業者選びが工事の品質を大きく左右します。ここでは、信頼できる優良な業者を見極めるための5つの重要なチェックポイントを解説します。安さだけで選んで後悔しないよう、しっかりと確認しましょう。


5.1 建設業許可や解体工事業登録の確認

内装解体工事を行うには、法律に基づいた許可や登録が不可欠です。無許可・無登録の業者に依頼すると、不法投棄や施工トラブルに巻き込まれるリスクが非常に高くなります。必ず事前に以下のいずれかの資格を保有しているかを確認してください。

工事の請負金額によって必要な資格が異なります。

資格の種類

対象となる工事

監督官庁

建設業許可(解体工事業など)

請負金額500万円以上(税込)の解体工事

国土交通省または都道府県

解体工事業登録

請負金額500万円未満(税込)の解体工事

都道府県

これらの許可や登録の有無は、業者のウェブサイトや見積書、名刺などで確認できます。不明な場合は、直接問い合わせて許可番号や登録番号を教えてもらいましょう。


5.2 RC造の解体実績が豊富か

RC造の建物は非常に頑丈なため、内装解体においても構造体(躯体)を傷つけないよう、専門的な知識と慎重な作業が求められます。木造住宅の解体経験しか無い業者では、思わぬトラブルにつながる可能性があります。

業者を選ぶ際には、RC造のマンションやオフィスビル、店舗などの内装解体実績が豊富かどうかを必ず確認しましょう。業者の公式ウェブサイトに掲載されている施工事例をチェックしたり、見積もり依頼時に過去の具体的な事例について質問したりするのが有効です。特に、同様の建物での施工経験があれば、より安心して任せることができます。


5.3 損害賠償責任保険への加入状況

どれだけ優良な業者であっても、工事にアクシデントはつきものです。万が一、作業中に建物の共有部分を破損させたり、漏水事故を起こして階下のテナントに被害を与えたりした場合に備え、業者が損害賠償責任保険に加入しているかは極めて重要です。

保険に未加入の業者に依頼してしまうと、万が一の事故の際に補償が受けられず、施主が賠償責任を負わされるケースも考えられます。契約前には必ず保険加入の有無を確認し、可能であれば保険証券の写しを提示してもらうようにしましょう。これにより、リスク管理がしっかりしている信頼できる業者かどうかを判断できます。


5.4 マニフェストの発行に対応しているか

内装解体で発生した石膏ボードやコンクリートガラなどの廃棄物は、産業廃棄物として法律に則って適正に処理されなければなりません。その処理工程を証明するのが「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」です。

マニフェストは、解体業者が廃棄物をいつ、どこへ、どのように運搬し、最終的にどう処分したかを記録する伝票です。不法投棄などのトラブルを防ぎ、施主自身が責任を問われないためにも、マニフェストの発行と最終処分が完了した旨を記した写し(E票)の送付を約束してくれる業者を選びましょう。見積もり段階でマニフェストの発行について明確に確認しておくことが、安心して工事を任せるための鍵となります。


6. まとめ

本記事では、RC造(鉄筋コンクリート造)の内装解体について、木造との違いから費用相場、具体的な手順、そして業者選びのポイントまで詳しく解説しました。RC造の内装解体は、建物の堅牢さゆえに騒音や振動対策が重要であり、専門的な知識と技術が不可欠です。

特に重要なのが、2022年4月から義務化されたアスベスト(石綿)の事前調査です。建物の解体・改修工事においては、規模の大小にかかわらず調査と報告が法律で定められており、これを怠ると厳しい罰則の対象となります。安全かつ法令を遵守した工事を行うためには、アスベスト調査への適切な対応が絶対条件です。

また、工事費用は現場の状況や廃棄物の量によって大きく変動します。適正価格で質の高い工事を実現するためには、複数の専門業者から見積もりを取得する「相見積もり」が欠かせません。その際は、単に金額の安さだけでなく、建設業許可や解体工事業登録の有無、RC造の解体実績、損害賠償責任保険への加入、そして産業廃棄物管理票(マニフェスト)の発行に対応しているかなどを必ず確認しましょう。

RC造の内装解体を成功させる鍵は、信頼できるパートナー(解体業者)を見つけることです。本記事で解説した内容を参考に、まずは専門業者への相談から始めてみてはいかがでしょうか。

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