【貸す側・借りる側】空き家を賃貸するメリットを徹底比較!家賃相場や注意点も解説
- seira murata
- 9月13日
- 読了時間: 18分

空き家を賃貸に出すべきかお悩みですか?この記事を読めば、空き家を「貸す側」と「借りる側」双方のメリットとデメリットが明確にわかります。結論として、空き家賃貸は安定収入や資産価値の維持、安い家賃で広い家に住めるなど双方に大きな利点があります。家賃相場や税金の注意点、具体的な手続きまで網羅的に解説するので、あなたの疑問が解決し、最適な一歩を踏み出せます。
1. そもそも空き家を賃貸に出すとはどういうことか
「空き家を賃貸に出す」とは、所有者が居住していない、または活用していない住宅(戸建てやマンションの一室など)を、第三者にお金を払って貸し出すことです。これにより、所有者は家賃収入を得ることができ、入居者は住居として利用できます。近年、社会問題化している空き家を有効活用する方法として、貸す側・借りる側双方にとってメリットのある選択肢として注目されています。
1.1 増え続ける日本の空き家問題の現状
日本国内では、少子高齢化や人口減少、都市部への人口集中などを背景に、空き家の数が年々増加しています。総務省統計局の「住宅・土地統計調査」によると、2023年の空き家総数は過去最多の900万戸に達し、日本の住宅総数に占める割合(空き家率)も13.8%と深刻な状況です。適切に管理されずに放置された空き家は、様々な問題を引き起こす原因となるため、国や自治体もその活用を推進しています。
1.2 空き家を放置し続けることの大きなリスク
活用されていない空き家をそのまま放置すると、所有者にとって多くのリスクが生じます。経済的な負担が増えるだけでなく、周辺環境にも悪影響を及ぼし、法的な責任を問われる可能性も否定できません。主なリスクを以下にまとめました。
リスクの種類 | 具体的な内容 |
経済的リスク |
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物理的・防災的リスク |
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社会的・法的リスク |
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これらのリスクを回避し、負の資産となりかねない空き家を収益を生む資産へと転換させる有効な手段が「賃貸」なのです。
2. 【貸す側】空き家を賃貸する5つのメリット

誰も住んでいない空き家を所有し続けることには、税金の負担や建物の劣化、近隣トラブルといった様々なリスクが伴います。しかし、その空き家を賃貸物件として貸し出すことで、これらのリスクを回避し、大きなメリットを得ることが可能です。ここでは、空き家を所有する「貸す側」の視点から、賃貸活用で得られる5つの具体的なメリットを詳しく解説します。
2.1 安定した家賃収入という経済的メリット
空き家を賃貸に出す最大のメリットは、活用されていなかった資産が毎月安定したキャッシュフローを生む「収益物件」に変わることです。得られた家賃収入は、固定資産税の支払いや将来の修繕費用のための積立金に充てられるだけでなく、ご自身の生活費を補う貴重な収入源にもなり得ます。これまで負担でしかなかった不動産が、安定した不労所得をもたらす資産へと生まれ変わるのは、経済的に非常に大きな魅力と言えるでしょう。
2.2 建物の劣化を防ぎ資産価値を維持できる
「家は人が住まないと傷む」とよく言われますが、これは事実です。人が住んでいない家は、換気が行われず湿気がこもりやすくなり、カビやシロアリの発生、木材の腐食などを引き起こします。また、水道管の錆びや排水管からの悪臭といった問題も起こりがちです。賃貸に出して入居者が住むことで、日常的な換気や通水、清掃が行われ、建物の急速な劣化を防ぐことができます。これにより、建物の寿命を延ばし、将来売却する際の資産価値を維持することにも繋がります。
2.3 固定資産税などの税金が軽減される場合がある
適切な管理がされていない空き家は、自治体から「特定空家等」に指定される可能性があります。特定空家に指定されると、土地にかかる固定資産税の優遇措置(住宅用地の特例)が適用されなくなり、税額が最大で6倍に跳ね上がるリスクがあります。賃貸に出して人が住んでいる状態にすれば、この指定を回避でき、税金の軽減措置を受け続けることができます。
住宅用地の特例による固定資産税の軽減率 | |
区分 | 課税標準の軽減率 |
小規模住宅用地(200㎡以下の部分) | 価格の6分の1 |
一般住宅用地(200㎡を超える部分) | 価格の3分の1 |
このように、賃貸活用は、固定資産税の大幅な増額リスクを回避するための有効な手段です。また、家賃収入から修繕費や管理委託料などの必要経費を差し引いて確定申告を行うことで、所得税や住民税の節税に繋がる場合もあります。
2.4 維持管理の手間やコストを削減できる
空き家を所有していると、定期的な草むしりや庭木の手入れ、室内の換気、防犯対策など、多くの維持管理の手間とコストが発生します。特に遠方に住んでいる場合、現地へ向かうための交通費や時間も大きな負担となります。賃貸に出し、管理会社に管理を委託すれば、これらの日常的な維持管理業務から解放され、時間的・精神的な負担を大幅に軽減できます。入居者が日常の清掃を行ってくれるため、物件を清潔な状態に保ちやすいというメリットもあります。
2.5 地域コミュニティの活性化に貢献できる
放置された空き家は、景観の悪化や不法投棄、放火などの犯罪リスクを高め、地域の治安に悪影響を及ぼすことがあります。空き家を賃貸物件として活用し、新たな住人を迎え入れることは、こうした問題の解決に繋がります。人が住むことで地域の活気が生まれ、防犯性が向上し、コミュニティ全体の活性化に貢献できます。特に子育て世帯などが入居すれば、地域の人口維持にも繋がり、社会的な意義も非常に大きいと言えるでしょう。
3. 【借りる側】空き家を賃貸で借りる4つのメリット

空き家と聞くと古いイメージがあるかもしれませんが、借りる側にとっては一般的な賃貸物件にはない多くの魅力があります。費用面でのメリットはもちろん、理想のライフスタイルを実現できる可能性を秘めているのです。ここでは、借り手にとっての具体的な4つのメリットを詳しく解説します。
3.1 周辺相場より安い家賃で住める可能性
空き家を賃貸で借りる最大のメリットの一つが、家賃の安さです。同じエリアや同程度の広さを持つ一般的な賃貸物件と比較して、月々の住居費を大幅に抑えられる可能性があります。
これは、物件オーナー(貸主)が積極的な収益化よりも、家の維持管理や固定資産税の負担軽減を主な目的としているケースが多いためです。築年数が経過していることも理由の一つですが、その分、借り手は経済的な負担を軽くしながら、ゆとりのある生活を送ることができます。
3.2 一般的な賃貸物件にはない広い戸建てに住める
賃貸市場に出回る空き家は、アパートやマンションよりも戸建てタイプが多く見られます。そのため、集合住宅では叶えにくい、広々とした住環境を手に入れやすいのが特徴です。
部屋数の多さ: 子供部屋や書斎、趣味のスペースなど、ライフステージに合わせた部屋の使い方が可能です。
庭や駐車スペース: ガーデニングや家庭菜園を楽しんだり、子供の遊び場として活用したりできます。駐車場付きの物件も多く見られます。
生活音のストレス軽減: 上下階や隣の部屋を気にする必要がないため、特に小さなお子様がいるご家庭にとっては大きな魅力となるでしょう。
このように、戸建てならではの開放感とプライベートな空間は、日々の暮らしに豊かさをもたらしてくれます。
3.3 DIYやリノベーションが可能な物件も多い
「自分の好きなように空間をアレンジしたい」という方にとって、DIYやリノベーションが許可されている空き家は非常に魅力的です。貸主が大規模な修繕費用をかけずに貸し出したいと考えている場合など、入居者が自由に内装を変更することを認めている物件が少なくありません。
壁紙を張り替えたり、棚を造作したりと、自分好みの住まいを創り上げる楽しさは、通常の賃貸物件では味わえない特別な体験です。ただし、どこまで手を入れて良いかは物件や契約内容によって大きく異なるため、事前に貸主へ確認することが不可欠です。
DIY・リノベーションの一般的な許可範囲の例 | ||
内容 | 許可されやすい工事 | 事前の相談・許可が必要な工事 |
壁 | 壁紙の張り替え、塗装、棚の設置 | 壁の撤去、間取りの変更 |
床 | クッションフロアやウッドカーペットの設置 | 床材の張り替え |
設備 | 照明器具の交換 | キッチンや浴室など水回り設備の変更 |
3.4 ペット可など条件が柔軟な場合がある
ペットと一緒に暮らしたい方にとって、物件探しは大きな課題の一つです。しかし、空き家賃貸では、ペット飼育に関する条件が比較的柔軟な場合があります。特に戸建てであれば、鳴き声や足音などが近隣トラブルになりにくいため、貸主の理解を得やすい傾向にあります。
一般的な賃貸では難しい大型犬の飼育や多頭飼いが認められるケースもあり、愛するペットとのびのび暮らせる住まいが見つかるかもしれません。その他にも、楽器の演奏やSOHO(自宅兼事務所)としての利用など、多様なニーズに対して寛容な物件に出会える可能性も空き家賃貸ならではのメリットと言えるでしょう。
4. 空き家賃貸のデメリットと注意点を両側面から解説

空き家を賃貸に出すことは多くのメリットをもたらしますが、一方でデメリットや注意すべき点も存在します。貸す側と借りる側、それぞれの立場で起こりうるリスクを事前に把握し、対策を講じることがトラブルを未然に防ぐ鍵となります。ここでは、双方が知っておくべきデメリットと注意点を詳しく解説します。
4.1 【貸す側】修繕費や入居者トラブルのリスク
空き家を収益源に変える過程では、いくつかのリスクが伴います。特に金銭的な負担と人的なトラブルには注意が必要です。
4.1.1 想定外の修繕費が発生する可能性
長年放置されていた空き家は、目に見えない部分で老朽化が進んでいるケースが少なくありません。賃貸に出した後に、給湯器やエアコン、水回りなどの設備が突然故障し、高額な修繕費が発生するリスクがあります。貸主は、入居者が安全・快適に暮らせる状態を維持する義務(修繕義務)を負うため、これらの費用は原則として貸主負担となります。事前に建物の状態を専門家(ホームインスペクターなど)に診断してもらい、必要なリフォームや修繕を計画的に行うことが重要です。また、突発的な出費に備え、家賃収入の一部を修繕費用として積み立てておくと安心です。
4.1.2 家賃滞納や近隣トラブルなどのリスク
入居者とのトラブルも、貸主にとって大きな悩みの種です。具体的には、以下のようなケースが考えられます。
家賃の滞納
騒音やゴミ出しのマナー違反による近隣住民とのトラブル
契約内容に反した建物の使用(無断での又貸しなど)
これらのトラブル対応をすべて自分で行うのは、精神的にも時間的にも大きな負担となります。信頼できる不動産管理会社に管理を委託することで、入居者募集から家賃の集金、トラブル対応までを代行してもらえるため、リスクを大幅に軽減できます。もちろん管理委託料はかかりますが、安心して賃貸経営を行うための必要経費と考えるのが賢明です。
4.2 【借りる側】設備の古さや修繕費用の負担範囲
相場より安く広い家に住める可能性がある一方、借りる側にも確認しておくべき注意点があります。特に、建物の状態と契約内容は入念にチェックしましょう。
4.2.1 設備の古さと住み心地の問題
空き家物件は築年数が古いことが多く、キッチン、浴室、トイレなどの水回り設備や、エアコン、給湯器などが旧式である可能性があります。最新の設備に比べて使い勝手が悪かったり、光熱費が余計にかかったりすることがあります。また、建物の断熱性や気密性が低く、「夏は暑く、冬は寒い」といった住み心地の問題に直面することも考えられます。内見の際には、デザインや間取りだけでなく、設備の型番や動作状況、窓の断熱性能などをしっかりと確認することが大切です。気になる点があれば、入居前に貸主へ交換や修理を交渉してみましょう。
4.2.2 修繕費用の負担範囲の確認
一般的な賃貸物件と比べて、空き家賃貸では修繕に関する責任の所在が曖昧な場合があります。電球の交換といった軽微な修繕は借主負担、雨漏りや設備の故障といった大規模な修繕は貸主負担となるのが一般的ですが、契約書に特約として「小規模な修繕は借主の負担とする」といった条項が盛り込まれているケースもあります。「どこまでが貸主の責任で、どこからが借主の責任なのか」という修繕費用の負担範囲を、契約前に必ず書面で確認してください。特にDIY可能な物件の場合、どの程度の改修が許されるのか、退去時の原状回復義務はどうなるのかを明確にしておくことが、後のトラブル回避につながります。
4.3 契約形態の確認(普通借家契約と定期借家契約)
賃貸借契約には、主に「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。この違いを理解しておくことは、貸す側・借りる側双方にとって非常に重要です。
契約形態によって、更新の可否や契約期間が大きく異なります。自分のライフプランに合った契約かどうかを必ず確認しましょう。
項目 | 普通借家契約 | 定期借家契約 |
契約の更新 | 原則として更新される(借主が希望する限り) | 契約期間の満了により終了し、更新はない(双方の合意があれば再契約は可能) |
貸主からの解約・更新拒絶 | 「正当な事由」がなければできない | 契約期間満了時に可能(期間満了の1年前から6ヶ月前までに通知が必要) |
特徴 | 借主の居住権が強く保護されている | 貸主が将来的に物件を利用する計画を立てやすい |
【貸す側】こんな人におすすめ | 長期的に安定した家賃収入を得たい人 | 将来、自分で住んだり売却したりする予定がある人 |
【借りる側】こんな人におすすめ | 同じ場所に長く住み続けたい人 | 一定期間だけ住みたい人、転勤の予定がある人 |
特に貸主は、一度「普通借家契約」で貸してしまうと、正当な事由なく立ち退きを求めることは非常に困難になります。将来的にその家に戻る可能性がある場合は、契約期間をあらかじめ定められる「定期借家契約」を選択するのが一般的です。どちらの契約形態なのか、契約書を隅々まで確認し、理解した上で署名・捺印するようにしてください。
5. 空き家を賃貸する場合の家賃相場の調べ方

空き家を賃貸に出す際、適切な家賃設定は成功の鍵を握ります。家賃が高すぎれば借り手が見つからず、安すぎれば本来得られるはずの収益を逃してしまいます。ここでは、貸す側・借りる側双方が納得できる家賃相場を調べるための具体的な方法を3つ解説します。
5.1 近隣の類似物件から相場を算出する方法
最も基本的な方法は、賃貸に出したい空き家と条件が近い近隣の物件を参考にすることです。特に以下の項目を比較することで、おおよその相場観を掴むことができます。
立地:最寄り駅からの距離、周辺の商業施設や公共施設の有無など
建物の種類と構造:戸建てか集合住宅か、木造か鉄骨造かなど
築年数と広さ:建物の古さ、間取り、専有面積
設備:駐車場の有無、エアコン、バス・トイレ別、インターネット環境など
ただし、空き家は一般的な賃貸物件に比べて築年数が古かったり、設備が旧式だったりすることが多いため、類似物件の家賃から、建物の状態に応じて少し低めの金額を想定するのが現実的です。この方法は、あくまで大まかな目安を把握するための第一歩と捉えましょう。
5.2 不動産会社の査定やポータルサイトを活用する
より正確な家賃相場を知るためには、専門家の知見やデータを活用するのが有効です。特に不動産会社の査定は、プロの視点から現実的な賃料を算出してくれるため信頼性が高まります。
複数の不動産会社に査定を依頼すれば、客観的な相場を把握しやすくなります。また、SUUMO(スーモ)やLIFULL HOME'S(ライフルホームズ)といった大手不動産ポータルサイトで、エリアや条件を絞って検索し、募集されている物件の家賃を調べるのも手軽で効果的な方法です。
家賃相場の調査方法ごとの特徴 | ||
調査方法 | メリット | デメリット |
不動産会社の査定 | 地域事情や物件の特性を踏まえた、精度の高い査定額がわかる。専門的なアドバイスももらえる。 | 会社によって査定額にばらつきが出ることがある。訪問査定には立ち会いが必要。 |
不動産ポータルサイト | スマホやPCから手軽に、いつでも多くの物件情報を比較検討できる。 | 掲載されているのは募集価格であり、実際の成約価格とは異なる場合がある。類似物件が見つからない可能性もある。 |
5.3 自治体の空き家バンクを参考にする
各自治体が運営する「空き家バンク」も、家賃相場の参考になります。空き家バンクは、空き家の解消や移住促進を目的としているため、掲載されている物件の家賃は一般的な市場価格よりも低めに設定されている傾向があります。
そのため、一般的な不動産市場での相場を調べるというよりは、「空き家バンク制度を利用して貸し出す場合の家賃の目安」として活用するのが適切です。もし空き家バンクへの登録を検討している場合は、ご自身の物件が所在する自治体のウェブサイトで、実際にどのような物件がいくらで募集されているかを確認してみましょう。地域の特性や需要を理解する上でも役立ちます。
6. 空き家賃貸を成功させるための手順と相談先

空き家を賃貸に出す、あるいは借りることを決意しても、何から始めればよいか分からない方も多いでしょう。ここでは、貸す側と借りる側、それぞれの立場から空き家賃貸を成功させるための具体的な手順と、頼りになる相談先について詳しく解説します。
6.1 【貸す側】管理会社への相談から募集開始までの流れ
空き家の所有者が賃貸を成功させるためには、信頼できる不動産会社(管理会社)をパートナーに選ぶことが不可欠です。相談から入居者募集までの一般的な流れは以下の通りです。
ステップ | 主な内容 | ポイント |
1. 不動産会社への相談・査定 | 所有する空き家の状況を伝え、賃貸に出せるか、どのくらいの家賃が見込めるかを相談・査定してもらいます。 | 複数の会社に相談し、査定額だけでなく管理体制や実績を比較検討することが重要です。地域に詳しい地元の不動産会社も有力な選択肢となります。 |
2. 管理プランの決定・契約 | 入居者募集から家賃回収、トラブル対応までを委託する「管理委託」や、不動産会社が物件を借り上げて転貸する「サブリース」などからプランを選び、媒介契約や管理委託契約を結びます。 | 手数料や契約内容、免責事項を十分に確認し、自身の希望に合ったプランを選びましょう。 |
3. リフォーム・ハウスクリーニング | 入居者が快適に暮らせるよう、必要に応じて修繕やリフォーム、ハウスクリーニングを実施します。 | どこまで手を入れるべきか、費用対効果を不動産会社と相談しながら決めます。水回りや給湯器などの設備は特に重要です。 |
4. 入居者の募集開始 | 家賃や敷金・礼金などの募集条件を最終決定し、不動産ポータルサイト(SUUMO、LIFULL HOME'Sなど)への掲載や、店頭での広告を通じて入居者を募集します。 | 周辺の家賃相場からかけ離れた設定にすると、入居者が見つかりにくくなるため注意が必要です。 |
5. 入居審査・賃貸借契約 | 内見希望者の対応や入居申込者の審査は不動産会社が行います。入居者が決まれば、重要事項説明を経て賃貸借契約を締結します。 | 家賃保証会社の利用を必須にすることで、家賃滞納リスクを大幅に軽減できます。 |
これらの手順を専門家である不動産会社と二人三脚で進めることで、初めての方でも安心して空き家を収益化することが可能です。
6.2 【借りる側】空き家バンクや専門サイトでの物件の探し方
一般的な賃貸物件とは少し探し方が異なる空き家。しかし、その探し方を知れば、理想の住まいに出会える可能性が広がります。主な探し方と相談先をご紹介します。
6.2.1 自治体の「空き家バンク」
多くの自治体では、空き家の所有者から登録された物件情報を集約し、利用希望者に紹介する「空き家バンク」制度を運営しています。自治体のウェブサイトから誰でも閲覧でき、市場に出回らない掘り出し物の物件が見つかる可能性があります。移住支援制度と連携している場合も多く、補助金などの情報を得られることもあります。まずはお住まいを検討している地域の「(地域名) 空き家バンク」で検索してみましょう。
6.2.2 民間の空き家専門サイト・ポータルサイト
近年、民間の企業が運営する空き家専門のマッチングサイトも増えています。古民家やDIY可能な物件に特化したサイトなど、特色あるプラットフォームが存在します。また、「アットホーム」や「LIFULL HOME'S」といった大手不動産ポータルサイトでも、「空き家バンク」特集や「古民家」カテゴリで物件を探すことが可能です。
6.2.3 地元の不動産会社
ウェブサイトに掲載されていない、いわゆる「未公開物件」の情報を地元の不動産会社が持っているケースは少なくありません。希望するエリアが決まっているなら、その地域の事情に精通した不動産会社に直接訪問して相談してみるのも有効な手段です。希望条件を伝えておけば、条件に合う空き家が出てきた際に紹介してもらえる可能性があります。
空き家を借りる際は、物件探しと並行して、必ず内見を行いましょう。写真だけでは分からない建物の傾きや雨漏りの跡、設備の状況、周辺環境などを自分の目で確かめることが、入居後のトラブルを防ぐための最も重要なステップです。
7. まとめ
空き家を賃貸に出すことは、貸す側には家賃収入や資産価値の維持、税負担の軽減といった経済的メリットをもたらします。一方、借りる側にとっては、相場より安い家賃で広い戸建てに住めたり、DIY可能な物件で理想の暮らしを実現できたりする好機となります。放置すればリスクとなる空き家も、賃貸として活用することで、貸主・借主双方に利益を生む貴重な資産に変わります。本記事で解説した注意点を踏まえ、不動産会社や自治体の空き家バンクに相談し、最適な活用法を見つけましょう。
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