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おしゃれな美容室の内装デザイン事例【東京・大阪の人気店から学ぶトレンド】

  • 執筆者の写真: seira murata
    seira murata
  • 7月28日
  • 読了時間: 25分
美容室 内装 デザイン 事例

美容室の内装デザインは、集客力とリピート率を高め、お店のブランディングを成功させる鍵です。この記事では、東京・大阪の人気店の事例から、ナチュラルやモダンといったテイスト別の最新トレンドまで、おしゃれな内装を徹底解説。失敗しないためのコンセプト設計や費用を抑えるコツ、業者選びのポイントも網羅し、あなたの理想のサロン作りを実現するためのヒントが満載です。


1. 美容室の内装デザインが集客とブランディングに重要な理由

美容室を開業する、あるいはリニューアルする際に、内装デザインは単なる「見た目」の問題ではありません。技術やサービスと同じくらい、サロンの成功を左右する極めて重要な戦略的要素です。なぜなら、優れた内装デザインは、強力な集客ツールとなり、お店独自のブランドイメージを確立する上で中心的な役割を果たすからです。ここでは、内装デザインが集客とブランディングに不可欠である理由を多角的に解説します。


1.1 他店との差別化と独自のブランドイメージ構築

現代において、美容室の数は非常に多く、競争は激化しています。その中で新規顧客に選ばれ、リピーターになってもらうためには、他店との明確な「差別化」が不可欠です。内装デザインは、お店が持つ独自のコンセプトや世界観を、言葉以上に雄弁に伝える最も効果的な手段です。

例えば、「都会の喧騒を忘れさせる癒やしの空間」「最新トレンドを発信するスタイリッシュなアトリエ」「温かみのあるアットホームな隠れ家」といったコンセプトを内装で具現化することで、ターゲットとする顧客層に強くアピールし、唯一無二のブランドイメージを築き上げることができます。


1.2 顧客満足度とリピート率の向上

お客様は美容室に対して、ヘアカットやカラーといった技術だけでなく、「特別な時間」や「リフレッシュできる空間」を求めています。居心地の良い空間は、顧客満足度に直接影響し、「また来たい」と思わせる重要な要素となります。

考え抜かれた内装は、お客様の滞在時間すべてを価値ある体験に変えます。リラックスできる待合スペース、プライバシーに配慮された施術空間、非日常を感じさせるシャンプールームなど、各エリアでの快適性が総合的な満足度を高め、結果として高いリピート率につながるのです。

内装要素

顧客体験への影響

受付・待合スペース

サロンの第一印象を決定づけ、施術への期待感を高める。

セット面・カットスペース

「美しくなる」という特別な体験を演出し、施術の価値を高める。

シャンプースペース

心身ともにリラックスできる癒やしの時間を提供し、満足度を深める。

照明計画

空間全体の雰囲気を決定づけ、お客様の気分や居心地を左右する。

1.3 SNSでの拡散による新規顧客獲得

InstagramをはじめとするSNSは、現代の美容室にとって最も強力な集客ツールの一つです。おしゃれで「写真映え」する内装は、お客様が自発的に写真を撮影し、SNSに投稿してくれる絶好の機会を生み出します。

お客様による投稿(UGC: User Generated Content)は、友人やフォロワーに対する信頼性の高い口コミとして拡散され、広告費をかけずに新規顧客を呼び込む効果的なサイクルを生み出します。特徴的な壁紙の前や、デザイン性の高いミラーの前は、人気のフォトスポットとなり得ます。内装デザインそのものが、サロンの「歩く広告塔」となるのです。


1.4 スタッフのモチベーションと生産性の向上

内装デザインの恩恵を受けるのは、お客様だけではありません。働くスタッフにとっても、職場環境は日々のモチベーションを大きく左右します。美しく機能的な空間で働くことは、スタッフのエンゲージメントを高め、プロフェッショナルとしての誇りを育みます。

また、お客様とスタッフの動線を考慮した効率的なレイアウトは、無駄な動きを減らし、施術のスムーズな進行をサポートします。これにより、一人ひとりのお客様に集中できる時間が増え、サービスの質と生産性の両方が向上します。優れた労働環境は、優秀な人材の確保と定着にも繋がり、サロン全体の競争力を高める基盤となります。


2. 【エリア別】おしゃれな美容室の内装デザイン事例を紹介

美容室 内装 デザイン 事例

美容室の内装デザインは、訪れるエリアの客層やトレンドに大きく影響されます。ここでは、日本のトレンドを牽引する東京・大阪の人気店から、地域性を活かした全国の注目サロンまで、具体的な事例をエリア別に紹介します。各エリアの特色を理解し、自身のサロンが目指す方向性のヒントを見つけましょう。


2.1 東京の人気美容室から学ぶ内装デザイン事例

トレンドの最先端が集まる東京エリア、特に表参道・原宿・代官山・銀座では、常に新しいデザインが生まれています。洗練されたミニマルな空間から、アート性が高く独創的な空間まで、多様なスタイルが共存しているのが特徴です。高いデザイン性でブランドイメージを確立し、集客に繋げている事例が多く見られます。

店舗エリア

代表的な店舗例

内装デザインのポイント

表参道・青山

DaB OMOTESANDO

白を基調としたミニマルな空間に、ギャラリーのようにアート作品を配置。無機質さと有機的な要素が融合した、洗練された雰囲気が特徴です。

原宿・渋谷

grico HARAJUKU

インダストリアルな要素とヴィンテージ家具を組み合わせ、まるで秘密基地のような遊び心あふれる空間を演出。クリエイティブな刺激を与えるデザインです。

代官山

LECO

コンクリート打ちっ放しの壁や剥き出しの天井に、ウッド素材や柔らかな照明をプラス。無骨さと温かみが同居する、居心地の良いモダンな空間が魅力です。

銀座

SHIMA GINZA ANNEX

上質な素材と計算された照明計画により、ラグジュアリーで落ち着いた空間を創出。非日常的な特別感を演出し、顧客満足度を高めています。

2.2 大阪の人気美容室から学ぶ内装デザイン事例

大阪エリア、特に心斎橋・梅田・堀江では、おしゃれでありながらも親しみやすさや居心地の良さを重視したデザインが人気です。お客様とのコミュニケーションが生まれやすい、カフェのようなリラックスできる空間作りがトレンド。個性を表現しつつも、温かみのあるアットホームな雰囲気が特徴です。

店舗エリア

代表的な店舗例

内装デザインのポイント

心斎橋

LIM

白や木目を基調としたナチュラルな空間に、たくさんの植物やドライフラワーを配置。自然光がたっぷりと入る設計で、明るく開放的な雰囲気が特徴です。

梅田

MASHU

モダンでスタイリッシュながらも、間接照明やウッドパネルを効果的に使用し、温かみをプラス。上質でリラックスできる大人のための空間を提供しています。

堀江

brace

店舗ごとにコンセプトを変え、アンティーク調やモダン、フェミニンなど多彩なデザインを展開。訪れるたびに新しい発見がある、エンターテイメント性の高い空間が魅力です。

2.3 全国の注目すべき美容室デザイン事例

東京・大阪だけでなく、全国各地にもその土地の風土やカルチャーを活かした、ユニークで魅力的な美容室が数多く存在します。地域性をデザインに落とし込んだり、特定のコンセプトを追求したりすることで、他店との差別化に成功しています。地方都市で開業を考える際の大きなヒントとなるでしょう。

所在地

代表的な店舗例

内装デザインのポイント

福岡

switch

木材をふんだんに使用し、山小屋やロッジのような温もりあふれる空間を構築。自然素材がもたらす安心感と、非日常感が融合したデザインです。

名古屋

C-LOOP UNITED

コンクリートとガラスを多用した、都会的でシャープなデザインが特徴。シンプルながらも素材感で魅せる、スタイリッシュな空間が目を引きます。

札幌

Revolve

大きな窓から自然光を最大限に取り入れる設計で、開放感抜群。白を基調としたシンプルな内装が、北海道の美しい光と緑を引き立てています。

3. 【テイスト別】人気の美容室 内装デザインのトレンド

美容室 内装 デザイン 事例

美容室の内装デザインは、お店のコンセプトを表現し、ターゲット顧客にアピールするための重要な要素です。ここでは、近年のトレンドとなっている人気のデザインテイストを5つ厳選し、それぞれの特徴やデザインのポイントを具体的な事例のイメージとともに解説します。ご自身の理想のサロン像と照らし合わせながら、デザインのヒントを見つけてください。


3.1 温かみのあるナチュラルテイストの内装デザイン

木材や植物、アースカラーを基調としたナチュラルテイストは、幅広い年齢層から支持される王道のデザインです。オーガニックやサステナブルといったコンセプトとも相性が良く、お客様に安心感と癒やしを提供します。自然光をふんだんに取り入れ、開放感のあるリラックス空間を演出するのが成功の鍵です。

要素

デザインのポイント

キーカラー

ホワイト、ベージュ、アイボリー、アースカラー(ブラウン、グリーンなど)

主要な素材

無垢材のフローリング、木製の家具、珪藻土や漆喰の壁、リネンカーテン

空間演出のポイント

観葉植物(グリーン)を大小様々に配置する。大きな窓から自然光を取り入れる。間接照明で柔らかい光をプラスする。

3.2 洗練されたシンプルモダンな内装デザイン

無駄な装飾を削ぎ落とし、直線的なラインと無彩色で構成されるシンプルモダンなデザインは、都会的で洗練された印象を与えます。高級感や非日常感を演出しやすく、美意識の高い顧客層や男性客にもアピールできます。素材の質感にこだわり、生活感を感じさせないスタイリッシュな空間作りが重要です。

要素

デザインのポイント

キーカラー

モノトーン(ホワイト、ブラック、グレー)、無彩色

主要な素材

コンクリート、モルタル、ガラス、アイアン、ステンレス、タイル

空間演出のポイント

ミニマルなデザインの家具を選ぶ。間接照明やダウンライトで陰影をつけ、空間に奥行きを出す。アクセントにアートや異素材を一点投入する。

3.3 個性が光るアンティーク・ヴィンテージ風の内装デザイン

使い込まれたような風合いを持つ古材や家具、こだわりの照明器具を取り入れたアンティーク・ヴィンテージ風のデザインは、独特の世界観を創出します。他店との差別化を図りやすく、物語性のある空間は顧客の記憶に残りやすいというメリットがあります。ヨーロッパの蚤の市や古い洋館を思わせる、重厚感と温かみが共存する空間が人気です。

要素

デザインのポイント

キーカラー

ダークブラウン、ボルドー、ゴールド、くすみカラー

主要な素材

古材、レンガ、エイジング加工された木材や金属、真鍮、ベルベット

空間演出のポイント

デザイン性の高いシャンデリアやペンダントライトを主役にする。ドライフラワーや洋書、額縁などを飾る。レザーソファを待合に置く。

3.4 無骨さが魅力のインダストリアルな内装デザイン

工場や倉庫をリノベーションしたような、コンクリート打ちっぱなしの壁やむき出しの配管が特徴のインダストリアルデザイン。ブルックリンスタイルとも呼ばれ、無骨で飾らない雰囲気が、トレンドに敏感な若者層や男性客から高い支持を集めています。ヴィンテージ感のある家具や照明と組み合わせることで、よりデザイン性の高い空間が完成します。

要素

デザインのポイント

キーカラー

グレー、ブラック、ダークブラウン、カーキ

主要な素材

コンクリート、モルタル、アイアン、スチール、古材、レンガタイル

空間演出のポイント

天井の配管やダクトをあえて見せる。エジソンランプなど、フィラメントが見える電球の照明を選ぶ。黒いフレームのパーテーションや窓枠を使う。

3.5 最新トレンドの韓国風カフェスタイルの内装デザイン

SNS世代から絶大な人気を誇るのが、韓国のカフェをイメージした内装デザインです。白やベージュを基調とした淡いトーンでまとめ、アーチ状の壁や曲線的な家具で柔らかい雰囲気を演出します。「SNSでシェアしたくなる」ようなフォトジェニックな空間作りが最大のポイントで、集客にも直結しやすいのが魅力です。

要素

デザインのポイント

キーカラー

淡色(ホワイト、アイボリー、ベージュ、グレージュ)、差し色にペールトーン

主要な素材

塗装壁、モールディング、テラゾー(人造大理石)、ラタン(籐)、ファブリック

空間演出のポイント

ウェーブミラー(波型ミラー)やボンボンキャンドルなどの韓国雑貨を配置する。アーチ壁やニッチ(飾り棚)を作る。無機質な素材と温かみのある素材を組み合わせる。

4. 美容室の内装デザインで失敗しないための重要ポイント

おしゃれな美容室を作るためには、ただ見た目のデザインを追求するだけでは不十分です。お客様の満足度、スタッフの働きやすさ、そして長期的な店舗運営を見据えた「失敗しないためのポイント」が存在します。ここでは、理想のサロンを実現するために不可欠な4つの重要ポイントを具体的に解説します。これらのポイントを押さえることで、デザイン性と機能性を両立した、愛される美容室が完成します。

美容室 内装 デザイン 事例

4.1 お店のコンセプトを明確にする

内装デザインを始める前に、最も重要となるのが「お店のコンセプト」を明確にすることです。コンセプトは、デザインの方向性を決める羅針盤であり、空間全体の統一感を生み出します。ターゲットとする顧客層や、提供したいサービス、理想のサロンの雰囲気を具体的に言語化することで、デザインの軸がブレるのを防ぎます。

コンセプトが曖昧なままデザインを進めると、ちぐはぐな印象の空間になり、誰にも響かないお店になってしまう危険性があります。まずは「誰に、何を、どのように提供したいのか」を徹底的に考え抜きましょう。


コンセプト設計の構成要素

要素

具体例

ターゲット顧客

20代〜30代のトレンドに敏感な女性、仕事帰りのビジネスマン、子育て世代のファミリー層 など

提供価値・強み

髪質改善特化、オーガニック商材、メンズカット専門、リラックスできるヘッドスパ など

目指す世界観

都会的でモダン、自然光あふれるナチュラル、非日常を味わえるラグジュアリー など

価格帯

高価格帯、中価格帯、リーズナブル

4.2 顧客とスタッフの動線を考えたレイアウト設計

美しいデザインの美容室でも、動線が悪いとお客様はストレスを感じ、スタッフの作業効率は著しく低下します。顧客動線とスタッフ動線を明確に分け、それぞれがスムーズに移動できるレイアウトを設計することが極めて重要です。

特に、お客様のリラックスを妨げないプライバシーの確保と、スタッフの無駄な動きを削減する効率的な作業空間の両立が成功の鍵となります。設計段階で、実際の人の動きをシミュレーションしながらレイアウトを検討しましょう。


動線設計のチェックポイント

動線の種類

主なチェックポイント

顧客動線

  • 入口から受付、待合、セット面、シャンプースペースへの流れはスムーズか。

  • 他のお客様の視線が気にならないか、プライバシーは確保されているか。

  • 通路の幅は、お客様同士がすれ違っても余裕があるか。(目安:120cm以上)

スタッフ動線

  • バックヤード(スタッフルーム、薬剤庫、タオル庫)から各施術スペースへの移動距離は短いか。

  • お客様の動線と交錯し、作業の妨げになっていないか。

  • カラー準備や片付けなど、複数の作業を同時に行えるスペースは確保されているか。

4.3 空間の印象を決める照明計画

照明は単に空間を明るくするだけでなく、お店の雰囲気を作り出し、お客様の満足度や施術の精度にまで影響を与える重要な要素です。目的や場所に応じて複数の照明を組み合わせる「多灯分散」が基本となります。

特に美容室では、お客様の肌や髪の色が正確に見える「高演色(Ra90以上)」の照明を選ぶことが絶対条件です。演色性が低い照明の下では、カラーの仕上がりが実際と異なって見え、クレームの原因にもなりかねません。



美容室における照明の種類と役割

照明の種類

役割と特徴

主な使用場所

全体照明


(アンビエント照明)

空間全体の明るさを均一に確保するベースの光。ダウンライトなどが一般的。

天井全体

作業照明


(タスク照明)

カットやカラーなど、手元の作業を正確に行うための光。スポットライトや手元灯。高い演色性が求められる。

セット面、ミラー周り

装飾照明


(アクセント照明)

空間に陰影やアクセントを生み出し、雰囲気を演出する光。ペンダントライトや間接照明、ブラケットライトなど。

待合スペース、受付、商品棚

誘導照明

お客様をシャンプースペースなどへ自然に導くための光。フットライトなど。

通路、シャンプースペース

4.4 壁紙や床材など素材選びのコツ

壁や床に使う素材は、空間の印象を大きく左右します。デザインテイストに合わせることはもちろんですが、美容室特有の環境を考慮した「機能性」で選ぶことが失敗しないためのコツです。

薬剤や水、カラー剤などが付着しやすいため、耐久性・耐水性・清掃のしやすさは必須条件です。コストとのバランスを見ながら、場所ごとに最適な素材を選びましょう。例えば、お客様の目に付きやすい壁の一面だけデザイン性の高い素材を使う「アクセントウォール」は、コストを抑えつつ空間の質を高める効果的な手法です。



場所別・おすすめ素材と選定ポイント

場所

おすすめの素材

選定ポイント

塩ビタイル(フロアタイル)、モルタル、長尺シート

耐久性、耐水性、耐薬品性、滑りにくさ、清掃のしやすさを最優先。髪の毛が目立ちにくい色や柄を選ぶと良い。

ビニールクロス(汚れ防止・耐久性強化タイプ)、塗装、タイル、木材、珪藻土

コンセプトに合わせた質感と色を選ぶ。水がはねやすいシャンプースペース周辺は、耐水性の高い素材が必須。

天井

ビニールクロス、塗装、木目調シート

空間を広く見せたい場合は白や明るい色を選ぶ。配管をあえて見せる「スケルトン天井」も人気。

5. 【場所別】美容室の内装デザインのコツと参考事例

美容室 内装 デザイン 事例

美容室の空間は、場所ごとにお客様が求めることや過ごし方が異なります。外観からトイレに至るまで、それぞれのエリアの役割を理解し、最適なデザインを施すことが顧客満足度の向上に直結します。ここでは、美容室の主要な場所別に、内装デザインで押さえるべきコツと具体的な参考事例を詳しく解説します。


5.1 第一印象を決める外観・ファサードのデザイン事例

外観(ファサード)は、お店の「顔」であり、通行人が入店するかどうかを決める最初の判断材料です。お店のコンセプトが一目で伝わり、かつ「入ってみたい」と思わせる魅力的なデザインが求められます。

重要なのは、ターゲット顧客に響く世界観を表現し、中の雰囲気が伝わる開放感を演出することです。看板のデザインや素材、窓の大きさ、照明の使い方ひとつで、お店の印象は大きく変わります。

デザインのポイント

具体的な工夫と参考事例

コンセプトの視覚化

ナチュラルテイストならウッドやグリーンを多用し、モダンならコンクリート打ちっ放しやガラスを基調にするなど、コンセプトを素材や色で表現します。アイアン製のオリジナル看板も個性を引き立てます。

入りやすさの演出

ガラス面を大きく取り、店内の明るさや賑わいを見せることで、初めてのお客様も安心して入店できます。入り口周りにベンチや植物を置くと、親しみやすい雰囲気が生まれます。

夜間の照明計画

スポットライトで看板や特徴的な壁面を照らす、窓から漏れる店内の温かい光を印象的に見せるなど、夜でもお店の存在感をアピールする工夫が重要です。

5.2 お客様を迎える受付・待合スペースのデザイン事例

受付・待合スペースは、お客様が来店して最初に過ごす場所であり、お店のブランドイメージを決定づける重要なエリアです。予約の確認や会計だけでなく、待ち時間をいかに快適に過ごしてもらうかがリピート率にも影響します。

デザイン性の高さはもちろん、機能性や居心地の良さを両立させることが成功の鍵です。非日常的な空間でありながら、お客様がリラックスできるような配慮が求められます。

参考事例としては、ホテルのフロントを思わせる高級感のある大理石のカウンターや、壁一面に本棚を設えたブックカフェのような待合スペースが人気です。また、ブランドロゴをあしらったデザインウォールは、SNSでの拡散も期待できるフォトスポットになります。


5.3 施術の価値を高めるセット面・カットスペースのデザイン事例

セット面・カットスペースは、お客様が最も長い時間を過ごす、サロンの主役となる空間です。ここでは、美しくなることへの期待感を高め、施術そのものの価値を向上させるデザインが不可欠です。

お客様一人ひとりのプライベート感を確保し、長時間座っていても疲れない快適な環境を整えることが最優先事項です。席間の距離やパーテーションの有無、鏡や椅子の選定、照明の質がお客様の満足度を大きく左右します。

デザインのポイント

具体的な工夫と参考事例

プライベート感の確保

席と席の間にルーバー(格子)やデザイン性の高いパーテーションを設置したり、半個室のようなレイアウトにしたりすることで、他のお客様の視線を気にせず過ごせます。

機能的な鏡と照明

顔色が美しく見えるよう、鏡の両サイドに縦型の照明を配置する「女優ミラー」が人気です。色温度や明るさを調整できる調光・調色機能付きの照明は、仕上がりの確認にも役立ちます。

快適性と収納

デザイン性の高い椅子はもちろん、座り心地を重視して選定します。ワゴンだけでなく、セット面自体にドライヤーや小物をすっきりと収納できるスペースを設けると、空間が洗練されます。

5.4 リラックス空間を演出するシャンプースペースのデザイン事例

シャンプースペースは、お客様に最高のリラクゼーションを提供する癒やしの空間です。カットスペースとは雰囲気を変え、非日常感を演出することで、ヘッドスパなどの高単価メニューの価値を高めることができます。

照明を落とし、静かで落ち着いた雰囲気を創り出すことが最も重要です。視覚だけでなく、聴覚や嗅覚にもアプローチすることで、深いリラックス状態へと導きます。

例えば、天井に満天の星空を映し出すプロジェクターを設置したり、壁に水の揺らぎを投影したりする演出は、お客様に特別な体験を提供します。また、シャンプー台の間をカーテンで仕切り、アロマを香らせることで、プライベートなヒーリング空間が完成します。フルフラットになるシャンプー台(タカラベルモント社の「YUME」など)の導入は、快適性を格段に向上させます。


5.5 世界観を表現するトイレ・パウダールームのデザイン事例

トイレやパウダールームは、お客様が一人になるプライベートな空間だからこそ、お店のこだわりが試される場所です。清潔感は絶対条件ですが、それに加えてお店のコンセプトを表現する絶好の機会でもあります。

細部にまでこだわったデザインと、お客様への心遣いが感じられるアメニティの充実が、お店全体の評価を高めます。施術後のメイク直しがしやすいように、照明や鏡にも配慮が必要です。

壁紙を大胆なデザインのものにしたり、個性的なデザインの洗面ボウルや水栓を選んだりするだけで、印象的な空間になります。また、上質なハンドソープやフレグランス、綿棒やコットン、ヘアスプレーなどのアメニティを揃えておくことで、お客様に「おもてなし」の心が伝わります。SNS映えするような美しい空間は、お客様の満足度を高めるだけでなく、口コミのきっかけにもなり得ます。


6. 美容室の内装デザインにかかる費用相場とコストを抑える方法

美容室 内装 デザイン 事例

美容室を開業する際、内装工事は最も大きな投資の一つです。理想の空間を実現するためには、どのくらいの費用がかかるのか、そしてどうすればコストを賢く抑えられるのかを事前に把握しておくことが不可欠です。ここでは、内装工事の費用相場と、コストを抑えるための具体的な方法について詳しく解説します。


6.1 坪単価で見る内装工事の費用目安

美容室の内装工事費用は、物件の状態によって大きく異なります。主に「スケルトン物件」と「居抜き物件」の2種類があり、それぞれ坪単価の相場が変わります。

物件の種類

坪単価の目安

特徴

スケルトン物件

30万円~60万円程度

建物の骨組み(躯体)だけの状態。電気・ガス・水道などの設備工事から全て行うため費用は高くなるが、デザインの自由度は非常に高い。

居抜き物件

15万円~40万円程度

前のテナント(特に美容室)の設備や内装が残っている状態。既存の設備を活かせるため、初期費用を大幅に抑えられる可能性がある。

上記の金額はあくまで目安です。使用する素材のグレード、導入する設備の性能、デザインの複雑さによって費用は大きく変動します。例えば、高級な輸入タイルを使ったり、特注の什器を製作したりすると、坪単価は相場よりも高くなる傾向にあります。


6.2 内装費用を抑えるための具体的なコツ

限られた予算の中で理想の美容室を作るためには、工夫が必要です。ここでは、内装費用を効果的に抑えるための具体的なコツを2つご紹介します。


6.2.1 居抜き物件を賢く活用する

初期費用を抑える最も効果的な方法の一つが、居抜き物件の活用です。特に、前のテナントも美容室だった場合、シャンプー台や給排水設備、空調設備などをそのまま流用できる可能性があり、数百万円単位でのコスト削減につながることもあります。ただし、契約前には注意が必要です。設備の老朽化が進んでいないか、希望するレイアウトに変更可能か、前の店舗のイメージがコンセプトの妨げにならないかなどを慎重に確認しましょう。特に給排水や電気容量は、希望する施術機器が問題なく使えるか必ずチェックすべき重要なポイントです。


6.2.2 DIYでコスト削減する際の注意点

自分たちの手で内装の一部を手がけるDIY(Do It Yourself)も、コスト削減とお店への愛着を深める良い方法です。壁の塗装や簡単な棚の設置、家具の組み立てなど、専門的な技術を必要としない範囲であれば、施工費用を節約できます。しかし、注意点として、電気工事やガス工事、水道の配管工事など、専門資格が必要な作業は絶対に自分たちで行ってはいけません。また、左官やクロスの張り替えなども、仕上がりのクオリティを考えるとプロに任せるのが賢明です。DIYは、安全性とクオリティを担保できる範囲に留め、無理な作業で後から追加費用が発生しないように計画的に行いましょう。


7. 理想の美容室 内装デザインを実現する業者の選び方

美容室 内装 デザイン 事例

理想の美容室を形にするためには、コンセプトやデザインを共に創り上げるパートナー選びが最も重要です。どんなに素晴らしいアイデアがあっても、それを実現する技術力や提案力がなければ意味がありません。ここでは、オーナーの想いを汲み取り、理想の空間を創り上げてくれる信頼できる業者を見つけるための具体的なポイントを解説します。


7.1 デザイン会社と工務店の違いと選び分け

美容室の内装を手がける業者には、主に「デザイン会社(設計事務所)」と「工務店」の2種類があります。それぞれに特徴や得意分野があるため、ご自身の希望に合わせて最適なパートナーを選ぶことが成功への第一歩です。両者の違いを理解し、どちらが自分の計画に適しているかを見極めましょう。


デザイン会社(設計事務所)

工務店

特徴

デザインと設計に特化。施工は提携する別の工務店が行う「設計施工分離」が基本。

設計から施工までを一貫して請け負う「設計施工一貫」が基本。

メリット

  • デザイン性が高く、独創的な提案が期待できる

  • 第三者の立場で施工品質を厳しくチェックしてくれる

  • 細部までこだわった空間づくりが可能

  • 窓口が一つでコミュニケーションがスムーズ

  • 設計料と工事費が一体でコストを抑えやすい傾向

  • 工期が比較的短い場合が多い

デメリット

  • 工事費とは別に設計監理料が発生する

  • 工務店との連携が悪いとトラブルになる可能性も

  • デザインの提案力が会社によって大きく異なる

  • 得意なテイスト以外のデザインは不得手な場合も

こんな方におすすめ

唯一無二の空間を追求し、デザイン性を最優先したいオーナー

コストと品質のバランスを重視し、ワンストップで依頼を完結させたいオーナー

最近では、デザイン性の高い提案ができる工務店や、設計から施工まで一貫して行うデザイン会社も増えています。まずは会社のウェブサイトで過去の実績を確認し、どちらのタイプに近いかを見極めることが大切です。


7.2 過去の施工事例で得意なテイストを確認する

業者のウェブサイトや資料に掲載されている施工事例は、その会社の実力やセンスを判断するための最も重要な情報源です。「百聞は一見に如かず」という言葉通り、実績を細かくチェックすることで、自分との相性を見極めることができます。

施工事例を確認する際は、次のポイントに注目しましょう。

  • 得意なデザインテイスト:ナチュラル、モダン、アンティークなど、自分が実現したいお店のテイストと合致しているか。特定のテイストに強みを持つ業者が多いです。

  • 施工クオリティ:写真の解像度が高ければ、壁や床の仕上げ、造作家具のディテール、照明の当たり方など、細部のクオリティを確認しましょう。

  • 美容室の施工実績の有無:最も重要なのが、美容室の施工経験が豊富かどうかです。美容室は、シャンプー台の給排水設備や多数の電気配線、保健所の検査基準など、専門的な知識とノウハウが不可欠です。カフェやアパレルショップのおしゃれな事例だけでなく、美容室ならではの動線設計や機能性を理解しているかを見極めましょう。


7.3 複数の業者から相見積もりを取る

依頼する業者を数社に絞り込んだら、必ず「相見積もり」を取りましょう。これは単に価格を比較するためだけではありません。各社の提案内容や担当者の対応力を比較検討し、最も信頼できるパートナーを見つけるための重要なプロセスです。

相見積もりを依頼する際は、以下の点に注意してください。

  • 依頼は3社程度に絞る:あまり多くの業者に依頼すると、比較検討が煩雑になり、かえって判断が難しくなります。施工事例などを見て、有力候補を3社程度に絞り込むのがおすすめです。

  • 依頼条件を統一する:正確な比較を行うため、全ての業者に同じ条件(店舗のコンセプト、予算、希望するレイアウトの概要、譲れないポイントなど)を伝えましょう。条件がバラバラだと、見積もりの金額や提案内容を公平に比較できません。

  • 見積書の内訳をチェックする:提示された見積書は、総額だけでなく「工事項目ごとの単価や数量」が記載された詳細な内訳を確認します。「一式」という表記が多い場合は、何が含まれているのかを必ず質問しましょう。不明瞭な点をなくすことが、後の追加費用トラブルを防ぎます。

  • 提案内容と担当者の対応を比較する:価格はもちろん重要ですが、それだけで決めるのは危険です。こちらの要望をどれだけ汲み取ったデザイン提案をしてくれるか、質問に対して的確でスピーディーな回答があるか、担当者との相性は良いかなど、総合的に判断することが、満足のいく内装デザインを実現する鍵となります。


8. まとめ

本記事では、東京や大阪の人気店をはじめ、様々なテイストの美容室の内装デザイン事例を紹介しました。内装デザインは、単なる空間作りではなく、お店のコンセプトを伝え、集客やブランディングに直結する重要な投資です。成功の鍵は、明確なコンセプト設定、顧客とスタッフ双方の動線を考慮したレイアウト、そして信頼できる業者選びにあります。この記事で解説したポイントを参考に、お客様に長く愛される理想のサロンを実現してください。

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