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アスベスト吹き付け除去は義務?法律(石綿則)改正後の対応をわかりやすく解説

  • 執筆者の写真: seira murata
    seira murata
  • 2025年9月29日
  • 読了時間: 17分
アスベスト 吹き付け 除去

建物の解体・改修工事を行う際、アスベスト吹き付け材の除去は法律(石綿則)で義務化されています。本記事では、法改正で何が変わったのか、最も危険なレベル1建材である吹き付け材の種類と見分け方、具体的な除去工事の流れをわかりやすく解説。気になる費用相場や活用できる補助金制度、信頼できる業者の選び方から放置した場合の罰則まで、必要な情報を網羅しているため、あなたの不安を解消します。


1. アスベスト吹き付け材の除去は法律上の義務なのか

「所有している建物に吹き付けアスベストが使われている場合、すぐに除去しなければならないのか?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。結論から言うと、建物をそのまま使用し続ける限り、直ちに除去する法的な義務はありません。しかし、その建物を解体または改修する際には、法律に基づき原則として除去が義務付けられています。

アスベストによる健康被害や環境汚染を防ぐため、大気汚染防止法や石綿障害予防規則(石綿則)などの法律が年々厳格化されています。以下で、解体・改修工事における除去義務と、法改正によって強化された事前調査・報告の義務について詳しく解説します。


1.1 解体や改修工事における除去の義務化

建物の解体、改造、補修などの工事を行う際、最も危険性が高い「レベル1建材」に分類される吹き付けアスベストは、作業員や周辺住民への飛散防止措置として、原則「除去」することが法律で定められています。除去とは、アスベスト含有建材を完全に取り除く工法です。

技術的に除去が著しく困難な場合に限り、アスベスト層を薬剤で固めて飛散を防止する「封じ込め」や、アスベスト層を板材などで完全に覆ってしまう「囲い込み」といった工法が認められることもありますが、基本的には除去が第一選択肢となります。この義務は、工事の発注者(建物の所有者など)と元請業者の双方に課せられており、適切な措置を怠ると罰則の対象となるため注意が必要です。


1.2 法改正で変わった事前調査と報告義務

アスベスト含有建材の有無を把握するため、工事前には「事前調査」が不可欠です。2022年4月1日の法改正により、この事前調査と結果の報告に関する義務が大幅に強化されました。

これまで調査が不要だった小規模な工事も含め、原則としてすべての解体・改修工事でアスベストの有無に関する事前調査が義務化されました。さらに、一定規模以上の工事については、調査結果を電子システム(石綿事前調査結果報告システム)を通じて、労働基準監督署と管轄の地方公共団体へ報告しなければなりません。

法改正による主な変更点は以下の通りです。

項目

改正後の主な義務内容

事前調査の実施

原則として全ての解体・改修工事で実施が義務。設計図書等での確認に加え、目視での確認も必須。

調査結果の報告

一定規模以上の工事(解体部分の床面積80㎡以上など)では、石綿の有無にかかわらず電子システムでの報告が義務。

調査者の資格

2023年10月1日以降、建築物石綿含有建材調査者などの有資格者による事前調査が義務化。

このように、アスベスト吹き付け材が使用されている建物の解体・改修工事においては、適切な事前調査から除去、報告までの一連のプロセスを法律に則って進めることが、発注者と事業者の両方に求められています。


2. そもそも吹き付けアスベストとは?危険性レベルを解説

アスベスト 吹き付け 除去

アスベスト(石綿)含有建材は、その発じん性(粉じんの飛散のしやすさ)に応じて3つのレベルに分類されます。中でも「吹き付け材」は、解体や改修工事の際に最も注意が必要な建材です。

ここでは、吹き付けアスベストの危険性レベルや具体的な種類、見分け方について詳しく解説します。


2.1 最も危険なレベル1建材に分類される吹き付けアスベスト

アスベスト含有建材の危険性レベルは、以下の通り作業レベルとして分類されています。

  • レベル1:発じん性が著しく高い建材(石綿含有吹付け材など)

  • レベル2:発じん性が高い建材(石綿含有保温材、耐火被覆材、断熱材など)

  • レベル3:発じん性が比較的低い建材(石綿含有成形板など)

このうち、吹き付けアスベストは最も危険な「レベル1」に分類されます。

吹き付けアスベストは、セメントなどと混ぜて吹き付けて施工されるため、繊維がむき出しの状態で存在し、結合力が非常に弱いのが特徴です。そのため、建物の劣化や解体・改修工事の際のわずかな衝撃でも、アスベスト繊維が大量に空気中に飛散するリスクが極めて高くなります。この危険性の高さから、除去作業時には厳重な隔離養生や作業員のばく露防止対策が法律で厳しく定められています。


2.2 アスベスト吹き付け材の種類と見分け方

吹き付けアスベストは、主に耐火被覆や吸音・断熱材として、鉄骨の梁や柱、天井、壁などに施工されています。代表的な種類として以下の3つが挙げられます。ただし、見た目だけでアスベストの有無を正確に判断することは困難であり、最終的な判断は専門家による分析調査が不可欠です。


2.2.1 石綿含有吹付け材

一般的に「吹き付けアスベスト」と呼ばれるもので、アスベストとセメントを主原料としています。綿あめのように柔らかく、表面は凹凸があり、色は青、白、灰色など様々です。主に1975年(昭和50年)以前の建築物で、鉄骨の耐火被覆材として多く使用されていました。


2.2.2 石綿含有ロックウール吹付け材

ロックウール(人造鉱物繊維)にアスベストを5%以下の割合で混ぜて吹き付けた建材です。石綿含有吹付け材よりも硬さがあり、白から灰褐色のものが多く見られます。アスベストの含有率が低くても、飛散性が高いためレベル1建材に分類されます。主に1980年(昭和55年)頃まで使用されていました。


2.2.3 石綿含有ひる石吹付け材

ひる石(バーミキュライト)という鉱物にアスベストを混ぜて吹き付けたものです。多孔質で軽く、金色や銀色にキラキラと光る粒子が含まれているのが特徴です。耐火被覆材や吸音材として、1988年(昭和63年)頃まで使用されていました。

これらの特徴を以下の表にまとめました。

種類

主成分

見た目の特徴

主な使用年代

石綿含有吹付け材

アスベスト、セメント

綿状で柔らかい。表面は凹凸。色は青、白、灰色など。

~1975年頃

石綿含有ロックウール吹付け材

ロックウール、アスベスト

比較的硬め。白~灰褐色のものが多い。

~1980年頃

石綿含有ひる石吹付け材

ひる石(バーミキュライト)、アスベスト

金色や銀色の光る粒子を含む。多孔質で軽い。

~1988年頃

ご自身の建物にこれらの特徴に似た建材がある場合は、自己判断で触ったりせず、速やかに専門の調査会社や除去業者に相談することが重要です。


3. アスベスト吹き付け除去工事の具体的な流れ

アスベスト 吹き付け 除去

アスベスト吹き付け材の除去工事は、作業員の安全と周辺環境への飛散防止を徹底するため、石綿障害予防規則(石綿則)などの法令に基づき、厳格な手順に沿って進められます。ここでは、工事の計画から完了までの一連の流れを4つのステップに分けて具体的に解説します。


3.1 ステップ1 事前調査と分析

除去工事に着手する前の最初のステップが、建材にアスベストが含まれているかを確認する事前調査です。2022年4月の法改正により、解体・改修工事の規模にかかわらず、有資格者による事前調査が義務化されました。

調査は以下の手順で進められます。

  1. 図面調査:建物の設計図書や仕様書を確認し、アスベスト含有建材の使用が疑われる箇所を特定します。

  2. 現地調査(目視):実際に現地へ赴き、図面と照らし合わせながら建材の種類や劣化状況を目で見て確認します。

  3. 分析調査:図面や目視でアスベストの有無が判断できない場合、対象の建材から検体を採取し、専門の分析機関で含有の有無や種類を詳細に分析します。

この調査結果が、後の施工計画や行政への届出の基礎となるため、極めて重要な工程です。


3.2 ステップ2 施工計画の策定と行政への届出

事前調査の結果に基づき、安全かつ適正に除去作業を行うための具体的な施工計画を策定します。この計画には、作業方法、使用する機材、作業員の安全対策、周辺環境への配慮、廃棄物の処理方法などを詳細に定めます。

計画策定後、工事を開始する前に、管轄の行政機関へ必要な届出を行わなければなりません。届出は工事開始の14日前までに行う必要があり、怠ると罰則の対象となります。主な届出先と書類は以下の通りです。

届出先

主な届出書類

備考

労働基準監督署

工事計画届

レベル1建材(吹き付け材など)の除去工事で必要。

都道府県・市町村

特定粉じん排出等作業実施届出書

レベル1、レベル2建材の除去・改修工事で必要。

これらの届出と並行して、工事現場の見やすい場所に、アスベスト除去工事中であることを示す掲示板を設置することも義務付けられています。


3.3 ステップ3 隔離養生と除去作業の実施

届出が受理され、準備が整うと、いよいよ実際の除去作業に入ります。作業において最も重要なのは、アスベスト繊維を外部に飛散させないための徹底した措置です。

まず、作業区域をプラスチックシートなどで完全に密閉し、外部と隔離します。この際、作業員が出入りするための「セキュリティゾーン」と呼ばれる前室や、内部の空気を清浄化して排出する「負圧除じん機」を設置します。負圧除じん機で作業区域内を負圧(外部より気圧が低い状態)に保つことで、万が一シートに隙間があっても空気が内部に流れ込み、アスベスト繊維の漏洩を確実に防ぎます。

隔離養生が完了した後、作業員は専用の防護服や呼吸用保護具を着用し、以下の手順で除去作業を進めます。

  1. 湿潤化:除去対象の吹き付け材に、飛散抑制剤などの薬液を散布して十分に湿らせ、粉じんの飛散を抑えます。

  2. 除去:ケレン棒などの手工具を使い、湿潤化した吹き付け材を丁寧にかき落とします。

  3. 梱包:除去したアスベスト含有廃棄物は、速やかに厚手のプラスチック袋に入れ、空気を抜いて密封します。さらにその袋をもう一枚の袋に入れる二重梱包が原則です。


3.4 ステップ4 廃棄物の適正処理と完了報告

除去したアスベスト吹き付け材は、「特別管理産業廃棄物」として法律に基づき適正に処理する必要があります。

二重に梱包された廃棄物は、許可を持つ専門の収集運搬業者によって、国が認定した最終処分場へ運ばれます。この際、排出事業者は産業廃棄物管理票(マニフェスト)を発行し、廃棄物が最終処分されるまでの一連の流れを正確に管理する義務を負います。

すべての除去作業と廃棄物の搬出が完了したら、隔離区域内のアスベスト濃度を測定し、安全基準値以下であることを確認します。安全が確認された後に隔離養生を撤去し、清掃を行って工事は完了です。最後に、作業内容や廃棄物処理の記録をまとめ、発注者へ完了報告書を提出します。これらの記録は、法律で定められた期間、保管することが義務付けられています。


4. アスベスト吹き付け除去にかかる費用相場と補助金

アスベスト 吹き付け 除去

アスベスト吹き付け材の除去工事は、専門的な技術と厳重な管理が必要なため、高額になる傾向があります。しかし、その費用負担を軽減するための国や自治体の補助金制度も設けられています。ここでは、除去費用の目安と、活用できる補助金制度について詳しく解説します。


4.1 除去費用の目安と内訳

アスベスト含有建材の中でも、最も危険性が高いレベル1に分類される吹き付け材の除去費用は、他の建材に比べて高額になります。これは、作業員の安全確保と外部への飛散防止のために、厳重な隔離養生や高性能な保護具、特別な廃棄物処理が法律で義務付けられているためです。

除去費用の単価相場は、一般的に1平方メートルあたり2.0万円~8.5万円程度とされています。ただし、これはあくまで目安であり、施工面積、作業場所の高さ、周辺環境、アスベストの含有率など、現場の状況によって費用は大きく変動します。

正確な費用を知るためには、必ず専門業者に現地調査を依頼し、詳細な見積もりを取得することが重要です。見積もりに含まれる主な費用の内訳は以下の通りです。

項目

内容

事前調査・分析費用

建材にアスベストが含まれているか、またその種類や含有率を調べる費用。

届出書類作成費用

労働基準監督署や自治体へ提出が必要な計画届などの書類作成費用。

仮設・養生費用

作業スペースを隔離するための足場設置や、ビニールシートでの養生にかかる費用。

除去作業費用

作業員の労務費、保護具、専用機材の使用料など、実際の除去作業にかかる費用。

廃棄物運搬・処分費用

除去したアスベスト含有廃棄物を、法律に則って適正に運搬し、最終処分場で処理するための費用。

空気環境測定費用

作業中および作業完了後に、作業場所や周辺の空気中にアスベスト繊維が飛散していないか測定する費用。

諸経費

現場管理費や保険料など、上記以外の経費。

4.2 国や自治体が設ける補助金制度の活用

アスベスト除去工事の費用負担を軽減するため、国や地方公共団体が補助金制度を設けています。これらの制度をうまく活用することで、自己負担額を大幅に抑えることが可能です。

代表的なものに、国土交通省が実施する「住宅・建築物アスベスト改修事業」があります。これは、民間の建築物におけるアスベストの調査や除去工事に対して、国が費用の一部を補助する制度です。多くの地方公共団体では、この国の制度を基に、さらに独自の補助金や助成金を上乗せする形で支援を行っています。

補助金の対象となる要件や補助率、上限額は自治体によって異なりますが、一般的には以下のような内容が定められています。

  • 対象建築物:民間の住宅、共同住宅、事務所、店舗など

  • 対象工事:アスベスト含有建材の除去、封じ込め、囲い込み工事など

  • 補助率・上限額:除去費用の2/3以内、上限〇〇万円など

補助金制度を利用する上で最も重要な注意点は、必ず工事に着手する前に申請手続きを行う必要があるということです。事後の申請は原則として認められません。また、年度ごとに予算が定められており、申請期間が限られている場合や、予算上限に達し次第受付を終了する場合もあります。

ご自身の所有する建物が補助金の対象になるか、どのような手続きが必要かについては、建物の所在地を管轄する市区町村の建築指導課や環境保全課といった担当窓口へ早めに問い合わせて確認しましょう。


5. 信頼できるアスベスト除去業者の選び方

アスベスト 吹き付け 除去

アスベスト吹き付け材の除去は、専門的な知識と技術を要する非常に危険な作業です。そのため、業者選びは工事の安全性と品質を左右する最も重要なステップと言えます。不適切な業者に依頼すると、アスベストの飛散による健康被害や法律違反のリスクが生じるため、慎重に選定しましょう。


5.1 必要な許認可や専門資格を確認する

信頼できる業者かどうかを判断する最初のステップは、アスベスト除去工事に必要な国の許認可や専門資格を保有しているかを確認することです。これらは、法律を遵守し、安全に工事を行うための最低条件となります。

依頼を検討している業者が、以下の許認可や資格を保有しているか、必ずウェブサイトや提出書類で確認してください。

許認可・資格の種類

概要

建設業許可(解体工事業など)

一定規模以上の解体工事や改修工事を請け負うために必要な許可です。都道府県知事または国土交通大臣から交付されます。

産業廃棄物収集運搬業許可

除去したアスベスト(特別管理産業廃棄物)を、中間処理施設や最終処分場まで運搬するために必要な許可です。

石綿作業主任者

アスベスト除去作業において、労働者の安全を確保し、作業全体を指揮・監督するための国家資格です。事業者は作業場所にこの資格を持つ者を選任することが法律で義務付けられています。

建築物石綿含有建材調査者

建材のアスベスト含有の有無を正確に調査するための専門資格です。質の高い事前調査を期待できます。

5.2 複数の業者から見積もりを取る際のポイント

業者選定では、必ず複数の業者(できれば3社以上)から見積もりを取り、内容を比較検討する「相見積もり」が不可欠です。これにより、費用の適正価格を把握できるだけでなく、各社の対応や専門性を見極めることができます。

見積書を比較する際は、単に総額の安さだけで判断してはいけません。極端に安い見積もりは、必要な安全対策の省略や不法投棄など、手抜き工事のリスクをはらんでいる可能性があります。以下のポイントに注目し、見積書の内容を詳細に確認しましょう。

  • 内訳の明確さ:「工事一式」といった大雑把な記載ではなく、「事前調査費」「届出作成費」「仮設・養生費」「除去作業費」「廃棄物処理費」「空気環境測定費」など、項目ごとに費用が明記されているか確認します。

  • 作業内容の具体性:どのような工法で除去を行うのか、隔離養生の範囲や方法、使用する機材などが具体的に記載されているかを確認します。

  • 追加費用の有無:予期せぬ事態が発生した場合に追加費用がかかる可能性があるか、その条件が明記されているかを確認しておくと安心です。

  • 実績と保険加入の確認:同種の吹き付けアスベスト除去工事の実績が豊富か、万が一の事故に備えて賠償責任保険に加入しているかも重要な判断材料です。

また、見積もり依頼時の対応も重要です。質問に対して丁寧に説明してくれるか、現地調査をしっかりと行ってくれるかなど、担当者の姿勢や専門知識も信頼できる業者を見極めるための大切な要素となります。


6. アスベスト吹き付け材を放置するリスクと罰則

アスベスト 吹き付け 除去

アスベスト吹き付け材が使用された建物を、適切な措置を講じずに放置することは、深刻な健康被害と法律による厳しい罰則という二重のリスクを抱えることになります。特に飛散性の高い吹き付けアスベストは、経年劣化によって知らず知らずのうちに周囲へ危害を及ぼす可能性があるため、決して軽視できません。


6.1 健康被害のリスク

アスベストの最も恐ろしい点は、その繊維を吸い込むことによって引き起こされる健康被害です。吹き付けアスベストは、劣化や振動によって極めて細い繊維が空気中に飛散しやすく、呼吸とともに肺の奥深くまで侵入します。

体内に取り込まれたアスベスト繊維は分解されずに組織に突き刺さり、長い年月をかけて細胞を傷つけ続けます。潜伏期間は20年から50年と非常に長く、自覚症状がないまま病状が進行し、気づいたときには治療が困難な深刻な病気を発症するケースが少なくありません。代表的な疾患には以下のようなものがあります。

  • 中皮腫(ちゅうひしゅ): 肺を覆う胸膜や腹膜などにできる悪性腫瘍で、アスベストばく露との関連が極めて強い病気です。

  • 肺がん: アスベストばく露は肺がんのリスクを大幅に高めます。喫煙と合わさると、そのリスクは相乗的に増大します。

  • 石綿肺(せきめんはい): 肺が線維化して硬くなり、呼吸機能が低下する病気です。息切れなどの症状が現れます。

これらの健康被害は、建物の所有者や利用者だけでなく、解体・改修工事の際に飛散したアスベストを吸い込んだ作業員や近隣住民にまで及ぶ可能性があります。


6.2 法律違反による罰則

アスベストに関する規制は、大気汚染防止法や石綿障害予防規則(石綿則)によって年々強化されており、違反した場合には厳しい罰則が科せられます。適切な事前調査や届出、除去措置を怠ることは、重大な法令違反となります。

主な違反行為と罰則は以下の通りです。

違反行為の例

根拠法令

罰則内容

除去等作業の隔離措置義務違反

大気汚染防止法

3ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金

事前調査結果の報告義務違反

大気汚染防止法

30万円以下の罰金

作業基準の不遵守(直接罰)

石綿障害予防規則

6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金

作業計画の届出義務違反

石綿障害予防規則

6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金

法改正により、これまで行政指導の対象だった作業基準違反にも直接罰が適用されるなど、規制は厳格化されています。知らなかったでは済まされず、事業者や建物の所有者は、アスベスト対策を経営上の重要課題として認識し、法令を遵守する責任があります。罰則を受けることは、金銭的な負担だけでなく、企業の社会的信用を大きく損なうことにも繋がります。


7. まとめ

アスベスト吹き付け材は、飛散性が高く最も危険なレベル1建材に分類されるため、2022年4月の石綿障害予防規則(石綿則)改正により、解体・改修工事における除去が義務化されました。除去工事は事前調査から届出、厳重な隔離養生、適正な廃棄物処理まで専門的な知識と技術が求められます。高額になりがちな費用は国や自治体の補助金制度で軽減できる可能性があります。放置は健康被害のリスクだけでなく、法律違反による罰則の対象ともなるため、信頼できる専門業者に相談し、速やかに適切な対応を進めることが重要です。

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