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マンションリノベーションの解体完全マニュアル|費用を抑える3つのコツも紹介

  • 執筆者の写真: seira murata
    seira murata
  • 9月26日
  • 読了時間: 18分
マンション リノベーション 解体

マンションリノベーションの解体、費用はいくら?どこまで壊せる?そんな疑問を解決する完全マニュアルです。本記事では、解体費用の相場や内訳、スケルトン解体でできること・できないことの境界線、工事の流れまでを網羅的に解説。費用を抑える最大のコツは、リノベーション会社に一括依頼し相見積もりを取ることです。後悔しない理想の住まいづくりのための全知識を、この記事一本に凝縮しました。


1. マンションリノベーションにおける解体工事の基礎知識

マンションリノベーションを成功させるためには、まず「解体工事」がどのようなものかを正しく理解することが不可欠です。解体工事は、理想の住まいを実現するための第一歩であり、リノベーション全体の品質や費用、スケジュールを左右する重要な工程です。ここでは、解体工事の基本的な役割と、代表的な2つの種類について解説します。


1.1 解体工事とはリノベーションの土台作り

マンションリノベーションにおける解体工事とは、既存の内装や設備を撤去し、新しい空間を作るための準備をする作業のことです。具体的には、壁紙や床材を剥がしたり、キッチンやお風呂といった設備を取り外したり、間仕切り壁を壊したりします。解体工事は、いわば絵を描く前の真っ白なキャンバスを用意する作業であり、この工程が丁寧に行われることで、その後の内装工事がスムーズに進み、仕上がりの美しさにも繋がります。古い配管や隠れた構造の問題を発見する機会にもなり、住まいの安全性や快適性を根本から見直すための重要な土台作りと言えるでしょう。


1.2 スケルトン解体と部分解体の違いを理解する

解体工事には、大きく分けて「スケルトン解体」と「部分解体」の2種類があります。リノベーションの目的や予算によってどちらを選ぶべきかが変わるため、それぞれの特徴をしっかりと把握しておきましょう。



スケルトン解体と部分解体の比較

項目

スケルトン解体

部分解体

概要

床・壁・天井の内装材をすべて撤去し、建物の構造躯体(コンクリート)をむき出しにする解体方法。

キッチンや浴室、特定の壁など、リノベーションに必要な箇所だけを限定的に解体する方法。

メリット

  • 間取りの自由度が非常に高い

  • 配管や配線を一新できる

  • 断熱材の追加や補強がしやすい

  • 費用を大幅に抑えられる

  • 工期が短い

  • 住みながらの工事も検討可能

デメリット

  • 費用が高額になる

  • 工期が長くなる

  • 工事中の仮住まいが必要

  • 間取り変更に大きな制約がある

  • 既存部分とのデザインの調和が難しい

  • 見えない部分の問題を発見しにくい

向いているケース

大規模な間取り変更をしたい場合や、築年数が古く設備を一新したい場合。

水回り設備のみの交換や、特定の部屋の内装だけを変更したい場合。

間取りを根本から変えたい、ライフスタイルに合わせた全く新しい空間を作りたいという場合はスケルトン解体が適しています。一方で、予算を抑えつつ、気になる部分だけを新しくしたいという場合は部分解体が現実的な選択肢となります。ご自身の希望と予算をリノベーション会社に伝え、最適な解体方法を相談することが重要です。


2. マンションの解体でできることとできないことの境界線

マンション リノベーション 解体

マンションリノベーションでは、理想の間取りを実現するために壁の撤去や水回りの移動を検討することが多いでしょう。しかし、マンションは集合住宅であるため、建物の構造や管理規約によって「できること」と「できないこと」が明確に定められています。ここでは、解体工事における重要な境界線について、3つのポイントから詳しく解説します。


2.1 解体できる壁とできない構造壁の見分け方

マンションの壁には、取り払える「間仕切り壁」と、建物を支えるために絶対に解体できない「構造壁」の2種類が存在します。これらを誤って解体すると建物の強度に深刻な影響を及ぼすため、見極めは非常に重要です。

最も確実な方法は、マンションの竣工図(設計図書)を確認することです。しかし、簡易的な見分け方として以下の表を参考にしてください。


解体できる壁(間仕切り壁)

解体できない壁(構造壁)

役割

部屋を区切るための壁

建物全体の重量を支え、地震や風の力に耐える壁(耐力壁など)

構造

木材や軽量鉄骨の下地に石膏ボードを張ったものが多い

鉄筋コンクリート(RC)造や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造

簡易的な見分け方

壁を叩くと「コンコン」と軽い音がする

壁を叩くと「ゴツゴツ」と硬く鈍い音がする

注意点

内部に電気配線や断熱材が入っている場合がある

コンセントやスイッチがあっても構造壁の場合がある

壁を叩く音による判断はあくまで目安です。最終的な判断は、リノベーション会社の専門家が竣工図を確認した上で行う必要があります。自己判断で解体を進めることは絶対に避けてください。


2.2 水回り設備はどこまで移動できるのか

キッチンや浴室、トイレなどの水回り設備は、配管、特に「排水管」の位置によって移動範囲が大きく制限されます。排水をスムーズに流すためには、一定の「勾配(傾き)」が必要だからです。

水回りの移動を制限する主な要因は「パイプスペース(PS)」の位置です。パイプスペースは、マンション全体の給排水管やガス管が通っている共用部分であり、個人で移動や変更はできません。そのため、水回りの移動は、このパイプスペースから排水勾配を確保できる範囲内に限られます。

また、床の構造によっても移動の自由度は変わります。

  • 二重床:床スラブ(コンクリートの床)との間に空間があるため、配管の自由度が高く、水回りの移動が比較的容易です。

  • 直床:床スラブに直接フローリングなどが張られているため、配管を動かすには床を上げるなどの追加工事が必要になり、移動範囲は限定的です。

水回りの大幅な移動を希望する場合は、物件探しの段階から床の構造を確認しておくことが重要です。リノベーション会社に相談し、実現可能なプランを検討しましょう。


2.3 マンションの管理規約で定められた解体のルール

建物の構造的な制約に加えて、各マンションが独自に定める「管理規約」も遵守しなければなりません。管理規約は、マンションの住民が快適に暮らすためのルールであり、リノベーション工事に関しても詳細な規定が設けられています。

解体工事に関連する主な規約内容は以下の通りです。

  • 工事可能な曜日・時間帯:平日の午前9時から午後5時までなど、騒音が発生する工事の時間が制限されていることがほとんどです。

  • 共用部分の変更禁止:玄関ドア、窓サッシ、バルコニー、パイプスペースなどは共用部分にあたり、個人の判断で解体・変更することはできません。

  • 床材の遮音等級の規定:階下への音漏れを防ぐため、フローリングなどの床材には一定の遮音性能(例:L-45以下)が求められる場合があります。

  • 管理組合への事前申請:工事内容を記した図面や工程表などを管理組合に提出し、承認を得る必要があります。

リノベーションプランを具体化する前に、必ず管理規約を隅々まで確認し、不明な点は管理組合に問い合わせましょう。規約を無視して工事を進めると、工事の中断や原状回復を求められるなど、深刻なトラブルに発展する可能性があります。


3. マンションリノベーションの解体費用を徹底解説

マンション リノベーション 解体

マンションリノベーションの総額を左右する重要な要素が「解体費用」です。既存の内装をどこまで解体するかによって、その後の工事内容も費用も大きく変動します。ここでは、解体費用の相場や内訳、費用を正確に把握するためのポイントを詳しく解説します。計画段階で予算をしっかり立てるために、まずは費用の全体像を掴みましょう。


3.1 解体費用の内訳と坪単価の相場

マンションの解体費用は、主に「人件費」「廃材処分費」「養生費」「諸経費」などで構成されます。費用の目安は、解体する範囲や物件の状況によって異なりますが、一般的に坪単価や平米(㎡)単価で算出されます。

スケルトンリノベーションのように内装をすべて解体する場合の単価相場は以下の通りです。

単位

費用相場

坪単価

3万円~8万円/坪

平米(㎡)単価

1万円~2.5万円/㎡

部分的な解体の場合は、壁の撤去や床材の剥がしなど、作業内容ごとに費用が設定されます。例えば、間仕切り壁の撤去は1箇所あたり数万円、床材の撤去は1㎡あたり数千円といった形で見積もられることが多くなります。


3.2 広さ別に見るスケルトン解体の費用シミュレーション

専有面積が広くなるほど、解体する範囲も廃材の量も増えるため、費用は高くなります。ここでは、マンションの広さ別にスケルトン解体を行った場合の費用シミュレーションを見てみましょう。(※平米単価を1.5万円として計算した場合の目安です)

専有面積

解体費用の目安

備考

50㎡(約15坪)

約50万円~90万円

単身者向け・コンパクトな2LDKなど

70㎡(約21坪)

約70万円~130万円

ファミリー向け2LDK・3LDKなど

90㎡(約27坪)

約90万円~170万円

広めのファミリー向け3LDK・4LDKなど

これらの金額はあくまで目安であり、マンションの構造や立地条件(エレベーターの有無、搬出経路など)によって変動します。正確な費用を知るためには、必ずリノベーション会社に現場調査を依頼し、詳細な見積もりを取得することが不可欠です。


3.3 追加費用が発生するケースと注意点

当初の見積もり金額から、追加で費用が発生するケースも少なくありません。予期せぬ出費に慌てないよう、事前にリスクを把握しておくことが大切です。特に注意すべきなのが「アスベスト」と「廃材」に関する費用です。


3.3.1 アスベスト調査と除去費用

2006年以前に建てられたマンションでは、壁や天井、床材などにアスベスト(石綿)含有建材が使用されている可能性があります。2022年4月の法改正により、一定規模以上の解体・改修工事ではアスベストの事前調査が義務付けられました。

調査の結果、アスベストが発見された場合は、専門業者による除去作業が必要となり、別途費用が発生します。アスベストの除去費用は、その種類や範囲によって数万円から百万円以上と高額になるケースもあるため、築年数の古いマンションをリノベーションする際は特に注意が必要です。


3.3.2 廃材の処分費用

解体工事で発生した木くずやコンクリートがら、石膏ボードなどの廃材は、産業廃棄物として法律に基づき適正に処分しなければなりません。この処分費用は解体費用に含まれていますが、解体してみたら想定外の廃材(例:コンクリートブロックなど)が出てきた場合、追加の処分費用を請求されることがあります。

見積書に「廃材処分費一式」としか書かれていない場合は、どのような廃材がどのくらいの量で想定されているのか、内訳を確認しておくと安心です。不適切な業者による不法投棄などのトラブルを避けるためにも、信頼できる会社に依頼しましょう。


4. 【実践編】マンションリノベーションの解体費用を抑える3つのコツ

マンション リノベーション 解体

マンションリノベーションの解体費用は、工夫次第で大きく抑えることが可能です。ここでは、誰でも

実践できる具体的なコストダウンのコツを3つ厳選してご紹介します。賢く費用を管理し、理想の住まいづくりを実現させましょう。


4.1 コツ1 リノベーション会社に一括で依頼する

解体工事とリノベーション工事を別々の業者に依頼する「分離発注」は、一見コストを抑えられそうに思えます。しかし、実際には窓口が複数になることで調整が複雑になり、結果的に割高になるケースが少なくありません。解体からリノベーションまでを一貫して任せる「ワンストップ」方式が、トータルコストを抑える最も確実な方法です。

ワンストップで依頼するメリットは、工事全体の流れがスムーズになり、工期の短縮につながることです。工期が短くなれば、その分現場管理費や人件費を圧縮できます。また、工事間の連携ミスによる手戻りや、責任の所在が曖昧になるトラブルも防げるため、予期せぬ追加費用のリスクを最小限に抑えられます。


4.2 コツ2 複数の会社から相見積もりを取って比較する

解体費用を適正価格に抑えるためには、複数のリノベーション会社から見積もりを取る「相見積もり」が不可欠です。1社だけの見積もりでは、その金額が高いのか安いのかを客観的に判断できません。最低3社以上から相見積もりを取り、内訳を詳細に比較検討することが重要です。

見積もりを比較する際は、総額だけでなく、各項目の単価や数量まで細かくチェックしましょう。「解体工事一式」のように内訳が不明瞭な場合は注意が必要です。詳細な内訳を提示してくれる、誠実な会社を選ぶことが成功の鍵となります。


見積もり比較のチェックポイント

チェック項目

確認すべき内容

工事範囲

どこからどこまでを解体するのか、図面などで明確に示されているか。

廃材処分費

木材、コンクリートガラ、石膏ボードなど、廃材の種類ごとの処分費用が含まれているか。

養生費用

共用部分(エレベーター、廊下など)の養生費用が見積もりに含まれているか。

諸経費

現場管理費や駐車場代などの諸経費の内訳が明確か。

追加費用の条件

アスベストが発見された場合など、追加費用が発生する可能性とその条件が記載されているか。

4.3 コツ3 DIYによる部分的な解体で人件費を節約する

専門的な技術を必要としない範囲であれば、ご自身で部分的に解体作業を行う「施主施工(DIY)」も費用削減に有効な手段です。特に、職人の手間賃、つまり人件費を節約できるのが大きなメリットです。ただし、DIYはリスクを十分に理解した上で、安全かつ簡単な作業に限定することが鉄則です。

構造に関わる壁の解体や、電気・ガス・水道などの設備が絡む作業は、専門資格が必要であり大変危険です。絶対に手を出さないでください。DIYを行う際は、必ずリノベーション会社に相談し、どこまでが安全に作業できる範囲かを確認してから進めましょう。


DIYで挑戦しやすい作業と避けるべき作業

分類

具体的な作業例

挑戦しやすい作業

壁紙(クロス)剥がし、カーペットやクッションフロアの撤去、簡単な造作棚の解体、ビスや釘の撤去

専門業者に任せるべき作業

間仕切り壁の解体、天井や床の下地解体、キッチン・浴室・トイレなどの設備撤去、電気配線やガス管の処理

また、DIYで出た廃材は、家庭ごみとして処分できない場合がほとんどです。自治体のルールに従って適切に処分するか、リノベーション会社に引き取ってもらえるか事前に確認しておく必要があります。


5. マンション解体工事の具体的な流れと期間

マンション リノベーション 解体

マンションリノベーションの成功は、計画的な解体工事から始まります。解体工事は、単に既存の内装を壊すだけでなく、新しい住まいの土台を整えるための重要な工程です。ここでは、解体工事がどのようなステップで進められ、どれくらいの期間が必要になるのかを具体的に解説します。


5.1 ステップ1 事前準備(近隣挨拶・養生)

解体工事をスムーズに進めるためには、事前の準備が不可欠です。特に、マンションのような集合住宅では、近隣住民への配慮がトラブルを未然に防ぐ鍵となります。

工事開始の1週間〜10日前までには、リノベーション会社の担当者と一緒に、両隣と上下階の部屋へ挨拶回りを行いましょう。その際、工事の概要や期間、作業時間帯を記載した工程表と、タオルなどの粗品を持参すると、より丁寧な印象を与えられます。

また、工事中の騒音や資材の搬出入で共用部を傷つけないよう、エレベーター内や廊下、玄関ドアなどを養生シートやプラスチック製の板(プラベニヤ)で保護する「養生」も重要な作業です。これらの準備は、管理組合への工事申請と合わせて、着工前に完了させておく必要があります。


5.2 ステップ2 内装材や設備の撤去

事前準備が完了したら、いよいよ室内の解体作業に着手します。まずは、壁紙(クロス)やフローリング、カーペットといった内装材を剥がす作業から始まります。その後、キッチン、ユニットバス、トイレ、洗面台などの水回り設備や、作り付けの収納、ドアなどの建具を撤去していきます。

この工程は、電気の配線や水道の配管を傷つけないよう、手作業で慎重に進められます。残しておく部分と撤去する部分を明確に区別しながら、丁寧な作業が求められるステップです。


5.3 ステップ3 間仕切り壁の解体と廃材の搬出

内装材や設備の撤去が終わると、次に間取りを変更するための間仕切り壁の解体が行われます。ハンマーやバールなどを使って壁を壊し、新しい空間の骨格を作っていきます。この際、コンクリートの構造壁は解体できないため、図面で事前に確認した上で作業が進められます。

解体作業で発生した木材、石膏ボード、コンクリートガラなどの廃材は、種類ごとに分別されます。これらは産業廃棄物として、法律に基づいた適切な方法で処理業者へ引き渡され、現場から搬出されます。廃材の搬出は数回に分けて行われることが一般的です。


5.4 ステップ4 清掃とリノベーション工事への引き渡し

すべての解体作業と廃材の搬出が完了したら、現場の清掃を行います。床や壁に残ったホコリやゴミをきれいに掃除し、次の工程である大工工事や設備工事の職人がスムーズに作業を開始できる状態に整えます。

この段階で、壁や床、天井のコンクリート躯体が完全に現れます。普段は見ることのできない躯体の状態(ひび割れや配管の劣化など)を確認し、必要であれば追加の補修工事を検討する重要なタイミングでもあります。問題がなければ、解体工事は完了となり、本格的なリノベーション工事へと引き継がれます。


5.5 解体工事にかかる期間の目安

解体工事にかかる期間は、リノベーションを行うマンションの広さや解体の範囲(スケルトン解体か部分解体か)によって大きく異なります。以下に、一般的な期間の目安をまとめました。



広さ・解体範囲別の工事期間の目安

専有面積

部分解体(水回りなど)

スケルトン解体(全面)

約50㎡

2日~4日

5日~7日

約70㎡

3日~5日

7日~10日

約90㎡

4日~6日

10日~14日

上記の期間はあくまで目安です。エレベーターの有無、管理規約による作業時間や曜日の制限、廃材の量など、現場の状況によって工期は変動するため、リノベーション会社と事前にしっかりとスケジュールを確認しておくことが大切です。


6. 解体工事のトラブルを避けるための重要ポイント

マンション リノベーション 解体

マンションリノベーションの解体工事は、大きな音や振動を伴うため、トラブルが発生しやすい工程です。特に集合住宅であるマンションでは、近隣住民への配慮が不可欠です。ここでは、トラブルを未然に防ぎ、安心して工事を進めるための重要なポイントを2つの側面から解説します。


6.1 騒音や振動による近隣トラブルの防止策

解体工事で最も多いトラブルが、騒音や振動によるご近所からのクレームです。快適なリノベーション後の生活のためにも、工事前の対策を徹底しましょう。

最も重要なのは、工事前の丁寧な挨拶回りです。リノベーション会社任せにせず、施主であるあなたも一緒に挨拶に伺うことで誠意が伝わり、万が一の際にも理解を得やすくなります。以下の表を参考に、具体的な対策を講じましょう。

トラブルの原因

具体的な防止策

工事の騒音・振動


電動工具の音、壁を壊す音、職人の足音などが響く。

  • 事前挨拶の徹底:工事日程、作業時間、連絡先を明記した書面を持参し、両隣、上下階の部屋へ挨拶する。

  • 管理組合への届出:管理規約で定められた工事可能な曜日・時間帯を厳守する。

  • 防音・防振対策:共用廊下やエレベーターの養生はもちろん、防音シートなどを活用する。

粉塵・臭い


解体時に発生するホコリや、塗料などの臭いが近隣に影響する。

  • 適切な養生:工事範囲をシートで密閉し、粉塵の飛散を防ぐ。玄関ドアの隙間も目張りする。

  • 換気の徹底:窓を開けて作業する場合は、近隣への影響を考慮する。

共用部分の利用


資材の搬入・搬出でエレベーターを長時間占有したり、廊下を汚したりする。

  • 共用部分の利用ルール確認:事前に管理組合へエレベーターの利用時間や搬入経路を確認し、ルールを遵守する。

  • 徹底した養生と清掃:エレベーター内部や廊下、エントランスなど、資材が通る場所はすべて養生し、作業終了後には必ず清掃する。

6.2 信頼できるリノベーション会社の選び方

解体工事を含むリノベーションの成否は、依頼する会社選びにかかっていると言っても過言ではありません。技術力はもちろん、近隣への配慮やトラブル対応力まで含めて、信頼できるパートナーを見つけることが重要です。

安さだけで選んでしまうと、追加費用の発生や工事品質の低下、近隣トラブルへの不誠実な対応など、後悔する結果になりかねません。以下のチェックリストを参考に、複数の会社を慎重に比較検討しましょう。

チェック項目

確認するポイント

建設業許可・登録

500万円以上の解体工事を含むリノベーション工事には「建設業許可」が必要です。また、解体工事を専門に行う場合は「解体工事業登録」が求められます。会社のウェブサイトや見積書で必ず確認しましょう。

マンションリノベーションの実績

戸建てとは異なるマンション特有の制約(管理規約、構造など)を熟知しているか、施工事例を見せてもらい確認します。特に解体を伴うスケルトンリノベーションの実績が豊富だと安心です。

見積書の詳細さ

「解体工事一式」のような大雑把な見積もりではなく、「仮設工事費」「内装解体費」「廃材処分費」など、項目ごとに内訳が明記されているかを確認します。不明瞭な点は納得できるまで質問しましょう。

担当者の対応力

こちらの要望や質問に対し、専門用語を使わず分かりやすく説明してくれるか。近隣挨拶の重要性を理解し、具体的な対応策を提案してくれるかなど、コミュニケーションの質を見極めます。

各種保険への加入

万が一の事故に備え、「請負業者賠償責任保険」や「労災保険」に加入しているかを確認します。保険証券のコピーを提示してもらうとより確実です。

これらのポイントを踏まえ、少なくとも3社程度から相見積もりを取り、費用と提案内容、担当者の対応を総合的に比較して、最も信頼できる会社を選ぶことをお勧めします。


7. まとめ

本記事では、マンションリノベーションにおける解体工事の基礎知識から費用、注意点までを網羅的に解説しました。解体は理想の空間作りを実現するための重要な土台ですが、構造壁や管理規約など守るべきルールも存在します。費用を抑えるには、リノベーション会社への一括依頼や相見積もりが有効な手段です。トラブルを避け、後悔のないリノベーションを成功させる結論として、信頼できる会社選びが最も重要になります。この記事を参考に、計画的に解体工事を進めましょう。

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