庭の解体費用はDIYで安くなる?庭石・物置・池の撤去費用を徹底比較
- seira murata
- 11月27日
- 読了時間: 21分

庭を更地にして駐車場にしたい、あるいは手入れが大変な庭石や池、古い物置を撤去したいとお考えではありませんか?しかし、庭の解体に一体いくらかかるのか、費用相場が分からず計画を立てられない方も多いでしょう。また、「DIYで安くできるのか」「業者に頼むと高そう」といった費用に関する悩みや、信頼できる業者の選び方に不安を感じることも少なくありません。この記事では、庭の解体にかかる費用の全体像から、庭石・物置・池・樹木といった撤去物ごとの詳細な費用相場まで、具体的な数字を交えて徹底比較します。さらに、DIYと業者依頼の費用と手間の違い、解体費用を賢く抑える5つの具体的な方法、そして失敗しない優良業者の選び方まで網羅的に解説します。結論から言うと、庭の解体費用は撤去物の種類や重機の要否で大きく変動しますが、複数の業者から相見積もりを取り、自分でできる作業を見極めることで大幅にコストを削減できます。この記事を最後まで読めば、あなたの状況に最適な解体方法と、その適正な費用が明確になります。
1. 庭の解体にかかる費用の全体像と相場
庭の解体と一言でいっても、その内容は庭石の撤去から池の埋め立て、物置の解体まで多岐にわたります。そのため、費用は一概に「いくら」と言えるものではなく、数万円で済む小規模な作業から、100万円を超える大規模な工事まで大きな幅があります。
例えば、簡単な草木の伐採や小さな物置の撤去だけであれば5万円~10万円程度で済むこともありますが、重機が必要な大きな庭石の撤去やコンクリートの解体、池の埋め立てなどが含まれると、費用は30万円、50万円と膨らんでいきます。まずは、ご自身の庭がどのような状況で、何にどれくらいの費用がかかるのか、その全体像を把握することが重要です。
1.1 庭の広さや状況で変わる解体費用
庭の解体費用を左右する最も大きな要因は、庭の「広さ」と「状況」です。同じ広さの庭でも、撤去するものの種類や量、作業環境によって費用は大きく変動します。主な変動要因は以下の通りです。
変動要因 | 費用への影響 |
庭の広さ(面積) | 面積が広いほど、整地や残土処分の費用が増加します。ただし、単純な比例関係ではなく、作業効率によって坪単価は変動します。 |
撤去物の種類と量 | 庭石やコンクリートなど、重く硬いものの撤去は高額になります。樹木も、幹の太さや根の深さによって伐採・抜根費用が変わります。 |
重機の搬入可否 | 重機(ユンボなど)が使えるかどうかは費用に大きく影響します。搬入できない場合は手作業となり、人件費と作業日数が大幅に増加します。 |
立地条件・周辺環境 | 前面道路が狭くトラックが入れない、隣家との距離が近いといった悪条件では、作業の難易度が上がり、養生費用や人件費が追加でかかることがあります。 |
1.2 庭の解体費用の主な内訳
業者から提示される見積書を正しく理解するために、費用の主な内訳を知っておきましょう。庭の解体費用は、主に「人件費」「重機費用」「廃棄物の処分費用」の3つで構成されています。
1.2.1 人件費と作業日数
解体作業を行う作業員の費用です。作業員1人あたりの日当相場は15,000円~25,000円程度で、現場監督や特殊な技術を持つ職人が加わる場合はさらに高くなります。作業が複雑で日数がかかるほど、人件費の総額は大きくなります。
1.2.2 重機費用
ユンボ(バックホー)やミニショベルといった重機を使用する場合にかかる費用です。重機のレンタル費用(リース代)に加え、現場まで重機を運搬するための回送費も必要になります。重機が大きくなるほど、これらの費用は高くなります。
1.2.3 廃棄物の処分費用
解体工事で発生したコンクリートガラ、庭石、伐採した木々、土砂などを処分するための費用です。これらは「産業廃棄物」として法律に基づいた適切な処理が必要となり、解体費用の中でも大きな割合を占める重要な項目です。処分費用は、廃棄物の種類と量(トン数や立米数)によって決まります。
廃棄物の種類 | 処分費用の目安 |
コンクリートガラ | 5,000円~10,000円 / ㎥ |
木くず・剪定枝 | 3,000円~8,000円 / ㎥ |
残土(土砂) | 3,000円~7,000円 / ㎥ |
庭石・レンガなど | 8,000円~15,000円 / ㎥ |
※上記の費用はあくまで目安であり、地域や処分場によって異なります。
2. 【撤去物別】庭の解体費用を徹底比較

庭の解体費用は、何を撤去するかによって大きく変動します。庭石や物置、池など、それぞれの撤去にかかる費用の相場や内訳を詳しく見ていきましょう。ご自身の庭の状況と照らし合わせながら、おおよその費用感を掴むための参考にしてください。
2.1 庭石の撤去費用
庭の景観を彩る庭石ですが、撤去にはクレーンなどの重機が必要になることが多く、費用は石の大きさや重さ、数、搬出経路によって大きく変わります。特に、クレーン車が入れないような狭い場所では、手作業で分割して搬出するため費用が高額になる傾向があります。
費用には、重機使用料、人件費、運搬費、処分費が含まれます。処分費は石の重量(トン)で計算されるのが一般的です。
庭石の撤去費用相場(1個あたり) | |
庭石の大きさ・重さ | 費用相場 |
小さいもの(人力で運べる) | 5,000円~20,000円 |
中くらいのもの(1m程度) | 20,000円~50,000円 |
大きいもの(重機必須) | 50,000円~(石の重さによる) |
2.2 物置の解体・撤去費用
物置の解体費用は、サイズや素材(スチール製、木製など)、基礎の有無によって決まります。一般的なスチール製の物置であれば、比較的安価に撤去できますが、コンクリートブロックの基礎や布基礎がある場合は、その解体・撤去費用が別途かかります。
物置の解体・撤去費用相場 | ||
物置のサイズ | 費用相場(基礎なし) | 基礎の撤去費用(追加) |
小型(~1坪) | 15,000円~30,000円 | +10,000円~ |
中型(1~3坪) | 30,000円~60,000円 | +20,000円~ |
大型(3坪~) | 60,000円~ | +30,000円~ |
2.3 池の埋め立て・撤去費用
庭にある池をなくす場合、「埋め立て」と「完全な撤去」の2つの方法があります。池の構造物(コンクリートなど)を解体して完全に撤去する方が費用は高くなります。費用は池の面積や深さ、構造、そして埋め立てに使う土の種類や量によって大きく変動します。
作業工程には、水の排水、鯉などの生き物の移動、底のヘドロの処理、構造物の解体、土砂による埋め立て、整地などが含まれます。特にヘドロは産業廃棄物として適切に処理する必要があります。
費用相場は1平方メートルあたり20,000円~50,000円程度が目安ですが、状況によって大きく異なるため、必ず現地調査の上で見積もりを取りましょう。
2.4 樹木の伐採・抜根費用
庭木の整理も解体の一環です。費用は木の高さや幹の太さ、本数によって決まります。根っこから完全に取り除く「抜根」作業は、伐採とは別料金になることがほとんどです。抜根は重機が必要になる場合が多く、建物の基礎近くにある木は手作業になるため費用が割高になります。
樹木の伐採・抜根費用相場(1本あたり) | ||
木の高さ | 伐採費用 | 抜根費用(追加) |
3m未満(低木) | 3,000円~10,000円 | +8,000円~ |
3m~5m(中木) | 15,000円~25,000円 | +15,000円~ |
5m以上(高木) | 25,000円~ | +20,000円~ |
※上記費用に加え、木の幹や枝葉の処分費用が別途かかります。
2.5 ブロック塀やフェンスの撤去費用
ブロック塀やフェンスの撤去費用は、撤去する長さ(m)や高さ、基礎の有無によって算出されます。一般的に1平方メートルあたりの単価で計算されます。特に基礎が深く埋まっている場合や、鉄筋が多く入っている場合は解体に手間がかかるため費用が上がります。
費用相場は、ブロック塀の撤去が1平方メートルあたり5,000円~10,000円、フェンスの撤去が1メートルあたり2,000円~5,000円程度です。これに加えて、コンクリートガラなどの処分費用や運搬費が必要になります。
2.6 ウッドデッキやコンクリートの解体費用
ウッドデッキや駐車スペースの土間コンクリートなどの解体も庭の解体ではよくある作業です。費用は面積と構造によって大きく異なります。
ウッドデッキ:1平方メートルあたり3,000円~8,000円程度が相場です。天然木か人工木か、基礎が束石かコンクリートかによって費用が変わります。
コンクリート(土間など):1平方メートルあたり5,000円~15,000円程度が目安です。コンクリートの厚みや鉄筋(ワイヤーメッシュ)の有無で費用が大きく変動し、厚みがある場合は重機が必要となり高額になります。
どちらも解体作業費のほかに、廃材の処分費用が別途必要です。
3. 庭の解体はDIYで安くなる?業者依頼との費用と手間を比較

庭の解体費用を少しでも抑えたいと考えたとき、「DIY(自分で作業する)」という選択肢が思い浮かぶかもしれません。確かに、業者に支払う人件費がかからないため、費用を大幅に削減できる可能性があります。しかし、安易にDIYを選ぶと、予想外の手間や追加費用、さらには怪我のリスクも伴います。ここでは、DIYと専門業者への依頼、それぞれのメリット・デメリットを費用、手間、安全性の観点から詳しく比較し、どちらがご自身の状況に適しているか判断するための情報を提供します。
3.1 DIYで庭を解体する場合のメリット・デメリット
DIYでの庭の解体は、コスト削減という大きな魅力がある一方で、多くの課題も存在します。計画を立てる前に、メリットとデメリットの両方を正確に理解しておくことが重要です。特に、廃棄物の処分方法は法律に関わるため、十分な注意が必要です。
3.1.1 自分でできる作業範囲と必要な道具
DIYで対応可能な作業は、比較的小規模で、専門的な重機を必要としない範囲に限られます。例えば、自分で運べる程度の小さな庭石の移動、木製や金属製の小型物置の分解、根が深くない低木の伐採・抜根、簡単なウッドデッキの解体などが挙げられます。これらの作業を行うには、以下の道具を準備する必要があります。
基本装備: 安全靴、ヘルメット、保護メガネ、防塵マスク、厚手の軍手
解体用具: ハンマー、バール、電動ドライバー、のこぎり、レンチセット
掘削・抜根用具: スコップ、つるはし、剪定ばさみ
運搬用具: 一輪車、軽トラック(レンタルが必要な場合も)
これらの道具を所有していない場合は、購入またはレンタル費用が別途発生することも考慮しておきましょう。
3.1.2 注意点 産業廃棄物の処分方法
DIYで庭を解体する際に、最も注意すべき点が廃棄物の処分です。解体作業で発生したコンクリートガラ、ブロック片、金属くず、解体した物置の部材などは「産業廃棄物」に分類されます。産業廃棄物は、家庭ごみとして自治体のごみ収集に出すことは法律で禁じられており、違反した場合は不法投棄とみなされ厳しい罰則が科せられます。処分するには、お住まいの自治体のルールを確認の上、認可を受けた産業廃棄物処理業者に自分で持ち込むか、収集を依頼しなければなりません。この際、当然ながら処分費用がかかります。費用を安く抑えるつもりが、処分費用で高額になってしまうケースもあるため、事前に処分方法と費用を確認しておくことが不可欠です。
3.2 業者に庭の解体を依頼する場合のメリット・デメリット
専門業者に依頼する場合、費用はかかりますが、それに見合う多くのメリットがあります。特に、安全性や仕上がりの質、法的な問題をクリアできる点は大きな魅力です。DIYとの比較で、その価値を判断しましょう。
DIYと業者依頼の比較表 | ||
項目 | DIY | 業者依頼 |
費用 | 安い(道具代・処分費は別途) | 高い(人件費・重機代等) |
手間・時間 | 非常にかかる | かからない(立ち会い程度) |
安全性 | 低い(怪我のリスクあり) | 高い(専門家が安全管理) |
仕上がり | ムラが出やすい | きれい(整地まで丁寧) |
廃棄物処分 | 自分で手配・運搬が必要 | すべて任せられる |
3.2.1 専門業者に依頼すべきケース
DIYには魅力もありますが、以下のようなケースでは、安全面や法律遵守の観点から専門業者に依頼することを強く推奨します。無理なDIYは、事故や近隣トラブルの原因にもなりかねません。
重機でないと動かせない大きな庭石や岩がある場合
コンクリートで固められた池や花壇を撤去したい場合
建物の基礎に関わるようなブロック塀を解体する場合
根が深く、幹も太い大木の抜根作業
アスベストが含まれている可能性のある古い物置の解体
作業に必要な時間を確保できない、または安全に作業を行う自信がない場合
産業廃棄物の適切な処分方法がわからない、または運搬手段がない場合
これらの作業は専門的な知識と技術、そして適切な機材が必要です。費用はかかりますが、安全かつ確実に庭を更地にするためには、プロの力を借りるのが賢明な判断と言えるでしょう。
4. 庭の解体費用を安く抑える5つの方法

庭の解体は、撤去するものや広さによって高額になるケースもあります。しかし、いくつかのポイントを押さえることで、費用を賢く節約することが可能です。ここでは、庭の解体費用を安く抑えるための具体的な5つの方法を、それぞれのメリットや注意点とあわせて詳しく解説します。
4.1 複数の業者から相見積もりを取る
庭の解体費用を抑えるための最も基本的で効果的な方法は、複数の専門業者から相見積もり(あいみつもり)を取ることです。解体費用には定価がなく、同じ作業内容でも業者によって見積もり金額が大きく異なることが珍しくありません。最低でも3社以上から見積もりを取り、内容を比較検討しましょう。
見積もりを比較する際は、総額の安さだけで判断するのは危険です。必ず内訳を確認し、「何に」「いくら」費用がかかるのかを明確に把握することが重要です。特に「人件費」「重機費用」「廃棄物処分費」などの項目をチェックし、不明な点があれば必ず業者に質問してください。一括見積もりサイトを利用すると、一度の手間で複数の業者に依頼できるため効率的です。
4.2 自分でできることはDIYする
専門的な技術や重機が必要ない作業を自分で行う(DIYする)ことで、業者の作業量を減らし、結果的に人件費や処分費を節約できます。例えば、以下のような作業は比較的DIYしやすい範囲です。
庭の草むしりや雑草の除去
小さな植木や低木の伐採・抜根
物置の中にある不用品の片付け・処分
簡単に動かせるブロックやレンガの撤去
ただし、大きな庭石の移動やコンクリートの解体、危険なブロック塀の撤去などは専門知識と技術が必要です。無理にDIYすると怪我につながる恐れがあるため、危険を伴う作業は必ずプロの業者に任せましょう。また、撤去したものを処分する際は、自治体のルールに従い、一般廃棄物と産業廃棄物の分別を正しく行う必要があります。
4.3 庭石や灯籠などは買取を検討する
庭にある庭石、灯籠(とうろう)、つくばい、景石などは、単なる廃棄物ではなく価値のある資産かもしれません。解体業者に処分を依頼する前に、造園業者や庭石専門の買取業者に査定を依頼してみましょう。もし買い取ってもらえれば、その売却益を解体費用に充てることができます。場合によっては、撤去費用と相殺されたり、プラスになったりする可能性もあります。
価値の高い庭石でなくても、無料で引き取ってくれる業者も存在します。インターネットで「庭石 買取」や「灯籠 無料引取」などと検索し、お住まいの地域に対応している業者を探してみることをおすすめします。
4.4 補助金制度が利用できないか確認する
庭の解体工事の内容によっては、国や自治体の補助金・助成金制度を利用できる場合があります。特に、倒壊の危険性があるブロック塀の撤去や、空き家の解体に伴う庭の整理などが対象となるケースが多いです。補助金を利用できれば、費用の自己負担額を大幅に軽減できます。
補助金制度は自治体によって名称、条件、申請期間、補助金額が異なります。まずは、お住まいの市区町村の役場(建築指導課、都市計画課、環境課など)の窓口やウェブサイトで、利用できる制度がないか確認してみましょう。申請は工事契約前に行う必要があるため、業者を探す段階で調べておくことが重要です。
補助金制度の例(自治体により内容は異なります) | ||
制度の名称例 | 対象となる工事の例 | 注意点 |
危険ブロック塀等撤去費用補助金 | 道路に面した、倒壊の危険性があると診断されたブロック塀の撤去 | 申請期間が限られている。工事着手前の申請が必須。 |
空き家解体費用補助金 | 管理不全な状態の空き家の解体(庭の工作物撤去も含む場合がある) | 空き家の認定要件を満たす必要がある。予算上限に達し次第終了することが多い。 |
4.5 解体業者に直接依頼する
庭のリフォームなどをハウスメーカーや工務店、造園会社に一括で依頼した場合、庭の解体作業は下請けの解体専門業者に再発注されることがほとんどです。その際、元請け業者の利益として「中間マージン」が発生し、費用が割高になる傾向があります。
そこで、解体作業を解体専門業者に直接依頼することで、この中間マージンをカットし、費用を抑えることができます。インターネットで地元の解体業者を探し、直接連絡を取って見積もりを依頼しましょう。その際は、次の章で解説する「失敗しない業者の選び方」を参考に、信頼できる優良な業者を慎重に見極めることが大切です。
5. 失敗しない庭の解体業者の選び方

庭の解体は、決して安い買い物ではありません。だからこそ、業者選びは慎重に行う必要があります。「費用が安いから」という理由だけで安易に選んでしまうと、ずさんな工事や不法投棄、高額な追加請求といった思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。ここでは、安心して任せられる優良な解体業者を見極めるための5つの重要なポイントを解説します。
5.1 見積書の内容が明確か確認する
複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」は必須ですが、その際に最も重要なのが見積書の内容です。優良な業者の見積書は、誰が見ても作業内容と費用が明確にわかるように記載されています。
逆に、「庭解体工事一式」といった曖昧な表記しかない場合は注意が必要です。内訳が不透明な見積書を提示する業者は、後から何かと理由をつけて高額な追加料金を請求してくるケースが少なくありません。必ず以下の項目が詳細に記載されているかチェックしましょう。
各作業内容(伐採、抜根、庭石撤去、整地など)ごとの単価と数量
重機を使用する場合の回送費やリース料
作業員の人件費(人数と日数)
廃棄物の種類ごとの処分費用
現場管理費や諸経費
消費税を含んだ最終的な合計金額
また、工事中に地中から予期せぬ障害物(過去の建物の基礎など)が出てきた場合の追加費用の可能性についても、事前に説明があるかどうかも確認しておくと安心です。
5.2 建設業許可や産業廃棄物収集運搬業許可を持っているか
庭の解体工事を依頼する業者が、必要な許可を得ているかどうかの確認は極めて重要です。特に以下の2つの許可は、業者の信頼性を測る上で欠かせない指標となります。
許可の種類 | 概要と確認のポイント |
建設業許可(解体工事業など) | 請負金額が500万円以上の解体工事を行う場合に必須となる許可です。この金額に満たない小規模な工事であっても、許可を持っている業者は経営面や技術面で一定の基準をクリアしているため、信頼性が高いと言えます。 |
産業廃棄物収集運搬業許可 | 解体工事で発生したコンクリートガラやブロック、庭石などの産業廃棄物を運搬・処分するために必須の許可です。この許可がない業者は、自社で廃棄物を運搬できず、不法投棄につながるリスクが非常に高くなります。万が一、依頼した業者が不法投棄を行った場合、依頼主であるあなたも責任を問われる可能性があります。必ず許可証の写しを見せてもらいましょう。 |
これらの許可情報は、業者のウェブサイトに記載されていることが多いほか、直接問い合わせて許可番号を確認することもできます。
5.3 損害賠償保険に加入しているか
どれだけ経験豊富な業者でも、工事中に事故が起こる可能性はゼロではありません。例えば、重機の操作ミスで隣家の塀を破損してしまったり、水道管を傷つけてしまったりといったケースが考えられます。このような万が一の事態に備え、業者が「損害賠償保険」に加入しているかを確認することは非常に大切です。
もし業者が保険に未加入だった場合、事故による損害の賠償責任を依頼主が負わなければならなくなる恐れがあります。契約前に必ず保険加入の有無と、どのような事故が補償の対象となるのか、補償額は十分かといった内容までしっかりと確認しておきましょう。
5.4 過去の施工実績や口コミを参考にする
その業者がどのような工事を得意としているのか、また、仕事が丁寧かどうかを判断するために、過去の施工実績や第三者からの評判を参考にしましょう。
業者の公式ウェブサイトに、写真付きで庭の解体工事の実績が多数掲載されていれば、経験豊富であると判断できます。自分と似たような状況の庭の施工事例があれば、より参考になるでしょう。
また、Googleマップのレビューや地域の情報サイト、SNSなどで実際にその業者を利用した人の口コミを調べるのも有効です。良い評価だけでなく、悪い評価の内容にも目を通し、「連絡が遅い」「追加料金を請求された」といった具体的なトラブルがなかったかを確認することで、より客観的に業者を判断できます。
6. 庭の解体を依頼してから完了するまでの流れ

庭の解体を業者に依頼すると決めた後、どのような手順で工事が進むのか不安に思う方も多いでしょう。ここでは、業者への問い合わせから工事完了、そして支払いまでの一般的な流れを5つのステップに分けて詳しく解説します。各ステップでのポイントをしっかり押さえることで、トラブルを防ぎ、スムーズに庭の解体を進めることができます。
6.1 現地調査と見積もり依頼
庭の解体計画の第一歩は、専門業者への相談と現地調査の依頼から始まります。ほとんどの業者で現地調査と見積もりは無料で行っています。正確な費用を把握するためには、必ず複数の業者に現地調査を依頼し、相見積もりを取ることが重要です。
現地調査では、業者の担当者が実際に庭を訪れ、以下の点などを確認します。
庭の広さ、形状
撤去対象物(庭石、物置、池、樹木など)の種類、大きさ、数量
重機やトラックの搬入経路が確保できるか
隣接する建物や道路との距離
水道やガスの配管の位置
調査の際には、どこまで解体・撤去したいのか、どのような状態に仕上げたいのか(例:更地にする、家庭菜園用の土を入れるなど)、具体的な要望を明確に伝えましょう。写真や図面があると、よりスムーズに話が進みます。
6.2 契約と近隣への挨拶
複数の業者から提出された見積書の内容を十分に比較検討し、信頼できる業者を選んだら、正式に工事請負契約を結びます。契約時には、後々のトラブルを避けるため、契約書の内容を細部まで確認することが不可欠です。
契約時に確認すべき主な項目 | |
確認項目 | チェックポイント |
工事内容 | 撤去するものの範囲が明確に記載されているか。 |
工事期間 | 着工日と完了予定日が明記されているか。 |
費用総額 | 見積もり金額と相違ないか。税込み価格か確認。 |
追加費用の有無 | 地中埋設物などが見つかった場合の追加費用の条件が記載されているか。 |
支払い条件 | 支払いのタイミング(着手金、中間金、完了後など)と方法。 |
廃棄物処理 | 産業廃棄物の処理方法や費用が含まれているか。 |
保険加入 | 損害賠償保険に加入しているか。 |
口約束は避け、すべての合意事項を書面に残してもらいましょう。不明な点や疑問点は、署名・捺印する前に必ず質問し、納得できるまで説明を求めてください。
また、工事開始前には近隣住民への挨拶も忘れずに行いましょう。解体工事では騒音や振動、粉塵の発生が避けられません。事前に業者と一緒に、あるいは施主様ご自身で工事の概要や期間を説明し、理解を得ておくことで、近隣トラブルを未然に防ぐことができます。
6.3 解体工事の開始
契約と近隣への挨拶が完了したら、いよいよ解体工事が始まります。工事中は安全第一で作業が進められます。
足場・養生の設置: まず、騒音や粉塵が近隣に飛散するのを防ぐため、建物の周りに足場を組み、防音シートや養生シートで覆います。
内装・設備の撤去: 物置などがある場合は、先に内部のものを撤去します。
重機による解体: 重機を使って庭石の撤去、コンクリートの破砕、樹木の抜根など、本格的な解体作業を行います。作業中は、安全確保のため散水を行い、粉塵の飛散を抑えます。
廃棄物の分別・搬出: 解体で発生したコンクリートガラ、木くず、金属くずなどを種類ごとに分別し、トラックで処分場へ搬出します。
工事期間中は、定期的に現場に足を運び、進捗状況を確認すると安心です。
6.4 整地と最終確認
すべての撤去作業と廃棄物の搬出が終わったら、最後の仕上げである「整地」作業に入ります。重機で地面を平らにならし、石やガラなどを取り除いてきれいに整えます。整地の仕上げレベルは、粗仕上げ(重機で転圧する程度)から、真砂土や砕石を敷く仕上げまで様々です。どのような状態にするかは、事前に業者と打ち合わせておきましょう。
工事がすべて完了したら、契約書や見積書の内容と相違がないか、施主自身の目で最終確認を行います。廃棄物が残っていないか、整地は希望通りか、隣家の敷地や塀に傷がついていないかなど、隅々までチェックしましょう。もし問題があれば、この時点で業者に伝え、修正を依頼します。
6.5 費用の支払い
最終確認が完了し、工事内容に問題がなければ、契約に基づいて費用の支払いをします。支払いのタイミングは、工事完了後に一括で支払うケースが一般的ですが、契約によっては着手金が必要な場合もあります。支払い方法は銀行振込が主流です。支払い完了後、業者から領収書を必ず受け取り、大切に保管しておきましょう。これで庭の解体工事に関するすべての工程が完了となります。
7. まとめ
庭の解体費用は、庭石や物置、池といった撤去物の種類、庭の広さ、重機の搬入経路など、様々な要因によって大きく変動します。費用の内訳は主に「人件費」「重機費用」「廃棄物の処分費用」で構成されており、正確な金額を知るためには専門業者による現地調査と見積もりが不可欠です。
費用を抑えるためにDIYを検討する方もいますが、専門的な知識や工具が必要な作業が多く、特に産業廃棄物の処分は法律で定められた方法で行う必要があるため注意が必要です。安全面や手間、最終的なコストを考慮すると、専門業者に依頼する方が確実なケースがほとんどです。
庭の解体費用を適正価格に抑える最も効果的な方法は、複数の業者から相見積もりを取ることです。また、「自分でできる範囲の片付けは済ませておく」「価値のある庭石や灯籠は買取を検討する」「自治体の補助金制度を確認する」といった工夫も有効です。
後悔しないためには、信頼できる業者を選ぶことが何よりも重要です。見積書の内容が明確か、必要な許可(建設業許可や産業廃棄物収集運搬業許可など)を保有しているか、損害賠償保険に加入しているかなどを必ず確認し、納得のいく業者に依頼しましょう。まずはこの記事で紹介したポイントを参考に、複数の業者へ相談することから始めてみてください。

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