後悔しないリビングリフォーム計画|費用を抑えて理想の広々空間を実現する方法
- seira murata
- 8月30日
- 読了時間: 14分

今のリビングが狭い、物が多くて落ち着かないと感じていませんか?この記事を読めば、後悔しないリビングリフォームの計画の立て方が分かります。間取り変更で物理的に広くする方法から、内装や照明の工夫で視覚的に広く見せるテクニック、費用を抑える具体的なコツまで網羅的に解説。成功事例も参考に、限られた予算内で家族がくつろげる理想の広々とした空間を実現するヒントが満載です。
1. リビングが狭く感じる主な原因とリフォーム前のチェックポイント
「我が家のリビング、なんだか狭くて落ち着かない…」と感じていませんか?リフォームで広々とした空間を手に入れる前に、まずは現状のリビングがなぜ狭く感じられるのか、その原因を正しく把握することが大切です。物理的な広さだけでなく、家具の配置や色の使い方、収納の状態など、様々な要因が絡み合っています。ここでは、リフォーム計画を立てる前にご自身で確認できるチェックポイントを4つの原因別にご紹介します。このステップを踏むことで、リフォームの目的が明確になり、無駄な費用をかけずに理想の空間を実現する近道となります。
1.1 物が多すぎて生活感が出ている
リビングが狭く感じる最も一般的な原因は、物の多さです。床に物が直置きされていたり、テーブルや棚の上が雑然としていたりすると、人の居場所が圧迫されるだけでなく、視覚的にもごちゃごちゃとした印象を与え、空間全体が狭く見えてしまいます。リフォームで収納を増やす前に、まずは持ち物の量を見直してみましょう。
【リフォーム前のチェックポイント】
床面積に対して、家具や物が占める割合が多すぎないか?
ソファやテーブルの上に、常に物が出しっぱなしになっていないか?
収納家具から物があふれ出し、生活感が出すぎていないか?
「とりあえず」で置いている不要な物はないか?
一時的にでも物を減らし、整理整頓するだけで空間の印象は大きく変わります。それでも物が収まらない場合は、リフォームによる収納計画の見直しが必要です。
1.2 家具のレイアウトが悪く動線が確保できていない
リビングの広さに対して家具が大きすぎたり、配置が悪かったりすると、生活動線が妨げられ、実際の面積以上に窮屈に感じてしまいます。特に、リビングへの出入り口、窓、ベランダへの通路などが塞がれていると、無意識のうちにストレスを感じる原因にもなります。快適な暮らしのためには、人がスムーズに移動できる「動線」の確保が不可欠です。
【リフォーム前のチェックポイント】
人が一人通るのに十分な通路幅(約60cm以上)が確保されているか?
ソファやテーブルがドアや収納扉の開閉を邪魔していないか?
リビングを横切る際に、家具を何度も避けなければならないか?
テレビとソファの距離が近すぎて圧迫感を感じないか?
家具の配置を変えるだけで、驚くほどリビングが広く感じられることもあります。リフォームを機に、お部屋のサイズに合った家具への買い替えを検討するのも良いでしょう。
1.3 壁や床の色が暗く圧迫感がある
内装の色は、空間の広さの印象を大きく左右します。黒やダークブラウン、濃いグレーといった「収縮色」は、重厚感や落ち着きを与える一方で、空間を狭く見せ、圧迫感を与えることがあります。特に壁や床、天井といった面積の広い部分に暗い色が使われていると、その影響は顕著になります。
【リフォーム前のチェックポイント】
壁紙やフローリングの色が濃い、または暗いトーンではないか?
カーテンやラグ、ソファなど、面積の大きなインテリアの色はどうか?
天井の色が壁よりも暗く、低く感じさせていないか?
色の持つ視覚効果を理解することで、リフォームの際に効果的な色選びができます。
色の視覚効果と空間に与える印象 | ||
色の種類 | 代表的な色 | 空間に与える印象 |
膨張色(明度が高い色) | 白、アイボリー、ベージュ、ペールトーン | 空間を広く、明るく、開放的に見せる |
収縮色(明度が低い色) | 黒、ダークブラウン、ネイビー、濃いグレー | 空間を引き締め、重厚感を与えるが、狭く見えやすい |
1.4 自然光が入りにくく部屋全体が暗い
太陽の光が差し込む明るい部屋は、それだけで開放的で広々とした印象を与えます。逆に、窓が小さい、窓の前に障害物があるなどの理由で自然光が入りにくいリビングは、日中でも薄暗く、閉鎖的な雰囲気になりがちです。自然光は、空間に奥行きと心地よさをもたらす最も効果的な要素の一つであり、採光計画はリフォームの重要なポイントです。
【リフォーム前のチェックポイント】
日中、照明をつけなくても快適に過ごせる明るさがあるか?
窓の前に、光を遮るような大きな家具を置いていないか?
カーテンが厚手すぎたり、色が濃すぎたりして光を遮断していないか?
隣の建物との距離が近く、日当たりが悪いのではないか?
これらの原因を把握することで、窓の増設やサイズの変更、室内窓の設置といった、より具体的なリフォームのアイデアへと繋がっていきます。
2. 広々としたリビング空間を実現するリフォームのアイデア

現在のリビングに窮屈さを感じていても、リフォームによって理想の広々とした空間を手に入れることは可能です。ここでは、リビングを広く見せるための具体的なリフォームアイデアを「間取り変更」「内装の工夫」「収納計画」という3つのアプローチから詳しく解説します。
2.1 間取り変更で物理的にリビングを広くするリフォーム
最も効果的にリビングの面積を広げる方法が間取り変更です。ライフスタイルの変化に合わせて、壁を取り払うことで、開放感あふれる空間へと生まれ変わらせることができます。
2.1.1 隣接する和室や個室を取り込み一体化する
使われなくなった和室や子ども部屋など、リビングに隣接する部屋との間の壁を撤去し、一つの大きな空間として統合するリフォームです。段差をなくしてバリアフリー化すれば、よりシームレスで広大なリビングが実現します。ただし、建物の構造によっては撤去できない壁(耐力壁)も存在するため、必ずリフォーム会社などの専門家に現地調査を依頼しましょう。
2.1.2 壁付けキッチンをオープンにして広々LDK空間へ
独立していたり壁付けだったりするキッチンを、リビングダイニングと一体化したオープンキッチン(対面キッチン)に変更するリフォームも人気です。キッチンとリビングを遮る壁がなくなることで、視線が奥まで抜け、圧倒的な開放感が生まれます。料理をしながら家族とコミュニケーションが取りやすくなるというメリットもあります。
2.1.3 廊下の一部を取り込んでリビングを拡張する
意外なデッドスペースとなりがちなのが廊下です。リビングへ続く廊下の一部または全部を取り込むことで、その分の面積をリビングにプラスすることができます。生活動線を考慮した上で設計すれば、無駄なスペースをなくし、効率的で広々とした居住空間を作り出せます。
2.2 視覚効果で広々見せる内装リフォーム術
間取り変更が難しい場合でも、内装に工夫を凝らすことで、実際の面積以上にリビングを広く見せることが可能です。色や光、素材を巧みに利用するテクニックをご紹介します。
2.2.1 壁紙や床材を白やベージュなど明るい膨張色で統一する
空間を広く見せる最も基本的なテクニックは、色彩の活用です。壁や天井のクロス、フローリングなどの床材を、白やアイボリー、明るいベージュといった膨張色で統一しましょう。光を反射しやすい明るい色は、部屋全体を軽やかに見せ、圧迫感を軽減する効果があります。床から壁、天井へと徐々に明るい色にしていくと、天井が高く感じられ、より開放的な印象になります。
2.2.2 天井を高く見せる工夫(折り上げ天井や勾配天井)
縦方向への広がりを演出することも、広々とした空間作りには欠かせません。天井の中央部分を一段高くする「折り上げ天井」や、屋根の形状に合わせて天井を斜めにする「勾配天井」は、視線が上に誘導され、空間に立体感と開放感をもたらします。天井が高くなる部分に間接照明を仕込むと、さらに上質な雰囲気を演出できます。
2.2.3 大きな窓の設置や室内窓で抜け感を演出する
窓は、外からの光を取り込み、視線を外へとつなぐ重要な要素です。可能であれば、床まである大きな掃き出し窓や、壁の高い位置に設置するハイサイドライト(高窓)などを取り入れると、部屋が明るく開放的になります。また、リビングと隣の部屋との間に「室内窓」を設けるのも効果的です。壁で完全に仕切るよりも、視線が抜けて圧迫感が和らぎ、空間のつながりが生まれます。
2.2.4 間接照明やダウンライトで空間に奥行きを出す
部屋全体を一つのシーリングライトで照らすのではなく、複数の照明を組み合わせる「多灯分散」も有効な手法です。天井に埋め込むダウンライトや、壁や天井を照らす間接照明を効果的に配置することで、空間に光の陰影が生まれ、部屋に奥行きと立体感を与えてくれます。調光機能付きの照明を選べば、時間帯やシーンに合わせて雰囲気を変えることも可能です。
2.3 収納リフォームでスッキリした広々空間を維持する
どれだけ広いリビングでも、物が散らかっていては台無しです。リフォームを機に収納計画を見直し、生活感のないスッキリとした空間を維持する仕組みを作りましょう。
2.3.1 壁面収納を造作して収納力を大幅アップ
リビングの壁一面に、床から天井までの壁面収納を造作する方法です。テレビボードや飾り棚、本棚などを一体化させることで、収納家具をいくつも置く必要がなくなり、床面積を有効に使えるため空間がスッキリします。扉を付けて中身を隠せば、生活感を完全にシャットアウトすることも可能です。
2.3.2 デッドスペースを活用したニッチや床下収納
壁の厚みを利用した「ニッチ」と呼ばれる飾り棚や、床下のスペースを活用した「床下収納」など、デッドスペースを有効活用するアイデアもおすすめです。空間を圧迫することなく収納スペースを確保できるため、限られた面積のリビングに最適です。ニッチは、ディスプレイスペースとして活用すれば、インテリアのアクセントにもなります。
3. リビングリフォームの費用相場と価格を抑えるコツ

理想の広々としたリビングを実現するためには、リフォーム費用の相場を把握し、賢くコストを管理することが不可欠です。工事内容によって費用は大きく変動しますが、あらかじめ目安を知っておくことで、予算計画が立てやすくなります。ここでは、リフォーム内容別の費用相場と、価格を抑えるための具体的なコツを詳しく解説します。
3.1 リフォーム内容別の費用目安
リビングを広くするためのリフォームは、内装の変更から間取りの変更まで多岐にわたります。以下に、代表的なリフォーム内容ごとの費用相場と工事期間の目安をまとめました。ご自身の計画に近いものを参考に、概算費用をイメージしてみてください。
リビングリフォームの費用相場(12畳〜20畳程度を想定) | ||
リフォーム内容 | 費用相場 | 工事期間の目安 |
壁紙(クロス)・床材の張り替え | 20万円~80万円 | 2日~5日 |
隣接する和室をリビングと一体化 | 50万円~150万円 | 1週間~3週間 |
壁付けキッチンをオープンキッチンに変更 | 100万円~250万円 | 2週間~4週間 |
窓の交換・増設(1箇所あたり) | 20万円~60万円 | 1日~3日 |
壁面収納の造作 | 30万円~100万円 | 3日~1週間 |
間接照明やダウンライトの設置 | 15万円~50万円 | 2日~4日 |
※上記の費用はあくまで目安です。住宅の構造(戸建て・マンション)、使用する建材や設備のグレード、解体・撤去費用の有無などによって金額は変動します。正確な費用は必ずリフォーム会社からの見積もりで確認しましょう。
3.2 リフォーム費用を賢く抑えるためのポイント
リフォーム費用は、少しの工夫で大きく変わることがあります。理想の空間を諦めることなく、予算内で満足度の高いリフォームを実現するために、以下のポイントをぜひ押さえておきましょう。
3.2.1 複数のリフォーム会社から相見積もりを取る
リフォーム会社を1社に絞って話を進めるのは避けましょう。適正な価格とサービス内容を見極めるために、最低でも3社以上から相見積もりを取ることを強く推奨します。見積書を比較する際は、総額だけでなく、工事内容や使用する建材、諸経費などの内訳を細かくチェックすることが重要です。単に価格が安いという理由だけで選ばず、担当者の提案力や対応の丁寧さ、過去の実績なども含めて総合的に判断することで、信頼できるパートナーを見つけることができます。
3.2.2 使える補助金や減税制度をリサーチする
リフォーム内容によっては、国や地方自治体が実施する補助金・助成金制度や、税金が優遇される減税制度を利用できる場合があります。例えば、断熱性能を高めるための窓の交換(省エネリフォーム)や、耐震補強工事などが対象となるケースが多いです。これらの制度は申請期間や条件が定められているため、リフォーム計画の初期段階でリサーチし、利用可能か確認しておくことが不可欠です。利用できる制度についてリフォーム会社に相談してみるのも良いでしょう。
3.2.3 内装材や住宅設備のグレードを吟味する
リフォーム費用の中で大きな割合を占めるのが、壁紙や床材といった内装材と、キッチンや照明などの住宅設備です。これらはグレードによって価格が大きく異なります。コストを抑えるためには、すべてのグレードを最高級にするのではなく、こだわりたい部分とコストを抑える部分にメリハリをつける「選択と集中」が効果的です。例えば、「家族が長く過ごす床材は質の良い無垢材にするが、壁紙はシンプルな量産品を選ぶ」「照明はデザイン性の高いものを選ぶが、ドアは既存のものを活用する」など、優先順位をつけて予算を配分しましょう。ショールームで実物を確認しながら、理想と予算のバランスが取れる最適な選択をすることが後悔しないための鍵となります。
4. 広々空間が実現したリビングリフォームの成功事例紹介

ここでは、実際にリビングリフォームで理想の広々空間を手に入れたご家庭の成功事例を2つご紹介します。ご自身のリフォーム計画のヒントとして、ぜひ参考にしてください。
4.1 築30年の戸建てが開放感あふれるLDKに大変身
細かく仕切られた間取りで、昼間でも照明が必要なほど暗かったリビング。隣接する和室とキッチンとの壁を取り払い、家族が自然と集まる明るく開放的なLDKへと生まれ変わりました。
リフォーム概要(戸建て) | |
項目 | 内容 |
築年数 | 約30年 |
家族構成 | 夫婦+子供2人 |
リフォーム前の悩み | ・リビングが狭く、ダイニングと分断されている ・隣の和室が物置状態になっている ・キッチンが壁付けで孤立感がある |
リフォーム内容 | ・リビングと和室の間仕切り壁を撤去 ・壁付けキッチンを対面式のオープンキッチンに変更 ・床材と壁紙を明るいベージュ系に統一 ・南側の窓を掃き出し窓に変更 |
費用目安 | 約450万円 |
工期 | 約1.5ヶ月 |
このリフォームの最大のポイントは、使われていなかった和室のスペースをリビングに取り込んだことです。これにより、物理的な広さが格段にアップ。さらに、キッチンをオープンにしたことで、料理をしながらでも家族の様子が見渡せるようになり、コミュニケーションが活発になりました。床や壁の色を膨張色で統一し、大きな窓からたっぷりと自然光が入るようになったことで、実際の面積以上に広がりを感じられる空間が実現しました。
4.2 マンションの壁を取り払いホテルのような広々リビング空間へ
リビング横の洋室が使いづらく、全体的に収納が不足していたマンションの一室。構造上撤去可能な間仕切り壁を取り払うことで、一体感のあるラグジュアリーな空間へとリフォームしました。
リフォーム概要(マンション) | |
項目 | 内容 |
築年数 | 約15年 |
家族構成 | 夫婦のみ |
リフォーム前の悩み | ・リビングが手狭でくつろげない ・リビング横の洋室の使い道がない ・収納が少なく、物があふれている |
リフォーム内容 | ・リビングと隣接する洋室の間仕切り壁を撤去 ・天井に折り上げ天井と間接照明を設置 ・壁一面にデザイン性の高い壁面収納を造作 ・床材を高級感のあるタイル調に変更 |
費用目安 | 約380万円 |
工期 | 約1ヶ月 |
マンションリフォームでは、撤去できない構造壁があるため事前の確認が不可欠です。この事例では、間仕切り壁を撤去して広さを確保。さらに、天井に折り上げ天井と間接照明を組み合わせることで、視覚的な高さと奥行きを演出しました。壁一面に大容量の壁面収納を設けたことで、散らかりがちな小物や書類をすべて隠して収納でき、生活感のないスッキリとしたホテルのような空間を維持できるようになりました。
5. まとめ
理想の広々としたリビング空間を実現するには、まず現状の課題を正しく把握することが後悔しないための第一歩です。物理的に空間を広げる間取り変更はもちろん、壁紙や照明で視覚的に広く見せる工夫、生活感を隠す収納計画など、多角的なアプローチを組み合わせることが成功の鍵となります。費用を抑えるポイントも活用し、専門家と相談しながら、あなただけの理想のリビングリフォームを実現させましょう。
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