後悔しない屋根リフォーム!プロが解説する種類ごとの特徴と価格のすべて
- seira murata
- 11月3日
- 読了時間: 18分

「そろそろ自宅の屋根リフォームが必要かもしれないけれど、専門用語が多くて何から手をつければいいか分からない…」そんなお悩みはありませんか。屋根リフォームには「葺き替え」「カバー工法」「塗装」といった工法の違いがあり、さらに「スレート」や「ガルバリウム鋼板」など屋根材も多岐にわたるため、最適な選択をするのは簡単ではありません。この記事では、屋根リフォームで後悔しないために知っておくべき全ての情報を、プロの視点から網羅的に解説します。種類ごとの特徴やメリット・デメリット、正確な費用相場から、信頼できる業者の選び方まで、この記事を読めばすべてが分かります。
結論から言うと、屋根リフォームを成功させる最大の鍵は、単に人気の屋根材を選ぶのではなく、ご自宅の屋根の劣化状況やご予算、そして今後のライフプランに合った「工法」と「屋根材」の最適な組み合わせを見つけることです。この記事を最後までお読みいただければ、どのリフォーム方法がご自宅に最適なのかが明確になり、複数の業者から見積もりを取る際にも的確な判断ができるようになります。
1. 屋根リフォームの主な工法3種類と特徴
屋根リフォームと一言でいっても、その方法は一つではありません。現在の屋根の状態や予算、今後の住まいの計画によって最適な工法は異なります。主に「葺き替え」「カバー工法(重ね葺き)」「屋根塗装」の3種類があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。まずは、これらの基本的な工法の特徴を理解し、ご自宅に最適なリフォーム方法を見つけるための第一歩としましょう。
1.1 葺き替え工事 古い屋根を新しくする最も確実な方法
葺き替え工事は、既存の屋根材をすべて撤去し、その下にある防水シート(ルーフィング)や野地板(下地)から新しくする工事です。屋根を根本から刷新するため、最も確実で安心感の高いリフォーム方法と言えます。
項目 | 詳細 |
メリット |
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デメリット |
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こんな家におすすめ |
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1.2 カバー工法(重ね葺き) 既存の屋根に新しい屋根材を重ねる
カバー工法は、既存の屋根材の上から新しい防水シートと屋根材を被せて施工する方法です。「重ね葺き」とも呼ばれます。既存屋根の撤去作業が不要なため、コストと工期を抑えられるのが大きな魅力です。
項目 | 詳細 |
メリット |
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デメリット |
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こんな家におすすめ |
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1.3 屋根塗装 見た目をきれいにし防水性を回復させる
屋根塗装は、屋根材の表面に新しい塗料を塗ることで、美観と防水機能を回復させるメンテナンス方法です。屋根材自体に大きなダメージがない場合に有効な、最も手軽なリフォームと言えます。
項目 | 詳細 |
メリット |
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デメリット |
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こんな家におすすめ |
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2. 【屋根材別】リフォームの種類と特徴を徹底比較

屋根リフォームで使われる屋根材には様々な種類があり、それぞれにメリット・デメリット、そして価格が異なります。ご自宅の環境やデザインの好み、将来のメンテナンス計画まで考慮して、最適な屋根材を選ぶことが後悔しないリフォームの第一歩です。ここでは、現在主流となっている代表的な屋根材の特徴を詳しく比較解説します。
2.1 スレート(コロニアル・カラーベスト) 日本で最も普及している屋根材
スレートは、セメントを主成分として薄い板状に加工した屋根材です。「コロニアル」や「カラーベスト」はケイミュー株式会社の商品名ですが、スレート屋根の代名詞として広く知られています。新築の戸建て住宅で最も多く採用されており、豊富なカラーバリエーションと比較的安価な価格が魅力です。どのようなデザインの住宅にも合わせやすい万能な屋根材と言えるでしょう。
スレート屋根の基本情報 | |
メリット | ・価格が比較的安い ・軽量で耐震性に優れる ・カラーやデザインが豊富 ・対応できる業者が多い |
デメリット | ・衝撃でひび割れしやすい ・経年で色あせが起こる ・コケやカビが発生しやすい |
耐用年数 | 20年~30年(10年ごとの塗装メンテナンスが推奨されます) |
推奨される工法 | 屋根塗装、カバー工法、葺き替え |
2.2 ガルバリウム鋼板 耐久性とデザイン性に優れた金属屋根
ガルバリウム鋼板は、アルミニウム・亜鉛合金めっきを施した鋼板で、錆びにくさと耐久性の高さが特徴です。非常に軽量なため、既存の屋根に重ねるカバー工法に最適で、建物の耐震性を向上させる効果も期待できます。シンプルでモダンな外観から、近年非常に人気が高まっています。表面の加工によって、断熱性や遮音性を高めた製品も登場しています。
ガルバリウム鋼板の基本情報 | |
メリット | ・錆びにくく耐久性が高い ・非常に軽量で耐震性に優れる ・スタイリッシュなデザイン ・カバー工法に適している |
デメリット | ・傷が付くとそこから錆びる可能性がある ・製品によっては雨音が響きやすい ・スレートに比べて初期費用が高い |
耐用年数 | 25年~40年 |
推奨される工法 | カバー工法、葺き替え |
2.3 瓦(和瓦・洋瓦) 非常に高い耐久性を誇る伝統的な屋根材
粘土を焼き固めて作られる瓦は、日本の気候風土に適した伝統的な屋根材です。形状によって和瓦や洋瓦、素材によって陶器瓦やセメント瓦などに分類されます。特に陶器瓦は、素材自体が劣化しないため塗装メンテナンスが不要で、50年以上の非常に長い耐用年数を誇ります。重厚感と高級感のある外観は、瓦屋根ならではの魅力です。
瓦屋根の基本情報 | |
メリット | ・耐久性、耐火性が非常に高い ・塗装メンテナンスが不要(陶器瓦の場合) ・断熱性、遮音性に優れる ・重厚感のある美しい外観 |
デメリット | ・重量があるため耐震補強が必要な場合がある ・初期費用が高い ・台風などの強い衝撃で割れたりズレたりすることがある |
耐用年数 | 50年以上(陶器瓦) |
推奨される工法 | 葺き替え、漆喰補修、部分的な瓦の差し替え |
2.4 アスファルトシングル デザイン性が高くアメリカで主流の屋根材
アスファルトシングルは、ガラス繊維の基材にアスファルトを浸透させ、表面に石粒をコーティングしたシート状の屋根材です。柔らかく加工がしやすいため、複雑な形状の屋根にもフィットさせることができます。防水性が高く、石粒による独特の風合いと立体感のあるデザインが特徴で、洋風の住宅によく似合います。アメリカでは最も普及している屋根材です。
アスファルトシングルの基本情報 | |
メリット | ・防水性が高い ・ひび割れしにくい柔軟性 ・デザイン性が高く、カラーも豊富 ・施工が比較的容易 |
デメリット | ・強風で剥がれやすいことがある ・経年で表面の石粒が剥がれ落ちる ・一度施工すると剥がしにくい |
耐用年数 | 20年~30年 |
推奨される工法 | カバー工法、葺き替え |
2.5 トタン屋根(亜鉛めっき鋼板) 現在はあまり使われない金属屋根
トタンは亜鉛をめっきした鋼板で、かつては多くの住宅や小屋、倉庫などで使用されていました。非常に安価で軽量なのがメリットですが、傷が付くとすぐに錆びてしまい、耐久性や断熱性も低いため、現在の住宅リフォームで新たに採用されることはほとんどありません。もしご自宅がトタン屋根の場合は、より耐久性の高いガルバリウム鋼板への葺き替えリフォームを検討するのが一般的です。
トタン屋根の基本情報 | |
メリット | ・材料費が非常に安い ・軽量 |
デメリット | ・錆びやすく、穴が開きやすい ・耐用年数が短い ・断熱性、遮音性が低い |
耐用年数 | 10年~20年(5~10年ごとの塗装が推奨されます) |
推奨される工法 | 屋根塗装、葺き替え(ガルバリウム鋼板への変更が推奨) |
3. 屋根リフォームの種類ごとの費用相場と価格の内訳

屋根リフォームを検討する上で最も気になるのが費用ではないでしょうか。リフォーム費用は「工法」「屋根材」「住宅の規模や形状」など、様々な要因で変動します。ここでは、工事の種類ごとの費用相場と、見積書に記載される価格の内訳について詳しく解説します。
3.1 工法別のリフォーム費用相場
屋根リフォームの費用は、どの工法を選ぶかによって大きく変わります。まずは主要な3つの工法、「葺き替え」「カバー工法」「屋根塗装」それぞれの費用相場を、一般的な30坪(屋根面積 約60㎡)の住宅を例に見ていきましょう。
工法 | 費用相場(30坪の住宅) | 工事内容と特徴 |
葺き替え工事 | 120万円~250万円 | 既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に交換する工法。下地のメンテナンスも可能なため、屋根の寿命を根本から改善できます。費用は最も高額になります。 |
カバー工法(重ね葺き) | 90万円~180万円 | 既存の屋根材の上に、新しい軽量な屋根材を重ねて葺く工法。廃材が少ないため、葺き替えよりも費用を抑えられ、工期も短縮できます。 |
屋根塗装 | 40万円~80万円 | 屋根材の表面に塗料を塗り直し、防水性や美観を回復させる工法。最も安価ですが、屋根材自体の劣化が激しい場合は適用できません。 |
これらの費用はあくまで目安であり、使用する屋根材の種類や下地の状態、建物の立地条件によって変動します。正確な金額を知るためには、専門業者による現地調査と見積もりが不可欠です。
3.2 屋根材別のリフォーム費用相場
リフォーム費用は、選ぶ屋根材の種類によっても大きく変わります。ここでは、葺き替えやカバー工法で使われる代表的な屋根材について、1平方メートル(㎡)あたりの単価相場をご紹介します。この単価には、材料費と基本的な工事費が含まれています。
屋根材の種類 | ㎡単価(材料費+工事費) | 特徴 |
スレート(コロニアル) | 5,000円~8,500円/㎡ | 価格が安く、多くの住宅で使用されています。軽量で耐震性に優れますが、定期的な塗装メンテナンスが必要です。 |
ガルバリウム鋼板 | 6,500円~12,000円/㎡ | 錆びにくく耐久性が高い金属屋根材。非常に軽量なため、カバー工法に最適です。デザインも豊富です。 |
瓦(和瓦・洋瓦) | 7,000円~15,000円/㎡ | 耐久性が非常に高く、特に陶器瓦は塗装メンテナンスが不要です。重量があるため、耐震性を考慮する必要があります。 |
アスファルトシングル | 6,000円~10,000円/㎡ | 柔軟性があり、複雑な形状の屋根にも施工しやすいのが特徴。防水性が高く、アメリカでは主流の屋根材です。 |
トタン(亜鉛めっき鋼板) | 4,500円~7,000円/㎡ | 安価ですが、現在はより耐久性の高いガルバリウム鋼板が主流となっており、新規で採用されることは稀です。 |
上記の単価には、足場代や既存屋根の撤去・処分費用などの付帯工事費は含まれていません。総額については、必ず業者から提出される見積書の内訳をしっかりと確認しましょう。
3.3 足場代など付帯工事の費用
屋根リフォームの見積もりには、屋根材や工事費の他に「付帯工事」の費用が含まれます。これらは安全で確実な工事を行うために欠かせない費用です。これらの項目を見落とすと、総額が想定より高くなる可能性があるため、内訳をしっかり理解しておくことが重要です。
3.3.1 足場設置費用
屋根の上での作業員の安全確保と、作業品質の向上のために足場の設置は法律で義務付けられています。一般的な2階建て住宅の場合、15万円~25万円程度が相場です。費用は足場を組む面積(外壁面積)で算出され、㎡単価は飛散防止ネットの設置費用を含めて700円~1,200円程度が目安です。
3.3.2 既存屋根材の撤去・処分費用
葺き替え工事を行う場合に発生する費用です。撤去する屋根材の種類や量によって変動し、2,000円~5,000円/㎡程度が目安となります。特に、古いスレート屋根材にはアスベスト(石綿)が含まれている可能性があり、その場合は特別な撤去・処分費用が追加で発生するため、注意が必要です。
3.3.3 下地(野地板・防水シート)の補修・交換費用
既存の屋根材を剥がした際に、下地である野地板の腐食や防水シート(ルーフィング)の破れなど、劣化が見つかった場合に必要な工事です。劣化の範囲や程度によって費用は大きく変わりますが、野地板の増し張りで1,500円~4,000円/㎡、防水シートの張り替えで500円~1,000円/㎡程度が相場です。
3.3.4 その他(諸経費など)
見積書には、上記以外に「諸経費」という項目があります。これには現場管理費、廃材の運搬費、交通費、各種保険料などが含まれます。業者によって内容は異なりますが、一般的には工事費全体の5%~10%程度が計上されます。
4. これは屋根リフォームのサイン?放置してはいけない劣化症状

屋根は紫外線や雨風から私たちの住まいを常に守ってくれていますが、その分劣化も進みやすい場所です。しかし、普段なかなか目の届かないため、劣化のサインを見逃してしまうことも少なくありません。放置すると雨漏りや建物の構造へのダメージにつながり、結果的に高額な修理費用がかかる可能性があります。手遅れになる前に、ご自宅の屋根の状態をセルフチェックしてみましょう。ここでは、屋根リフォームを検討すべき代表的な劣化症状について解説します。
4.1 色あせやコケの発生
屋根の表面が新築時と比べて白っぽく見えたり、色が変わって見えたりするのは「色あせ」のサインです。これは、屋根材の表面を保護している塗膜が、紫外線や雨風によって劣化したことで起こります。また、屋根の表面にコケや藻、カビが発生している場合も同様に、塗膜の防水性が低下している証拠です。これらは劣化の初期症状ですが、屋根材自体が水分を吸収しやすくなり、もろくなる原因となります。美観を損なうだけでなく、より深刻な劣化につながる前に、屋根塗装によるメンテナンスを検討すべき時期と言えます。
4.2 ひび割れやズレ
スレート屋根に見られる髪の毛のような細い線の「ひび割れ(クラック)」や、瓦の「割れ・ズレ」、金属屋根の「サビや変形」は、より注意が必要な劣化症状です。経年劣化のほか、台風による飛来物の衝突や地震の揺れなどが原因で発生します。わずかな隙間であっても、そこから雨水が浸入し、屋根材の下にある防水シート(ルーフィング)や野地板を傷める可能性があります。放置すれば雨漏りに直結するため、発見した場合は早急に専門業者による点検が必要です。被害が小さければ部分的な補修で対応できることもありますが、広範囲にわたる場合はカバー工法や葺き替え工事が必要になります。
4.3 雨漏り
天井や壁にシミができている、あるいは室内へ水が滴り落ちてくる「雨漏り」は、最も緊急性の高い劣化症状です。この状態は、屋根材だけでなく、その下の防水シートも破れるなど、屋根の防水機能が完全に失われていることを意味します。雨漏りを放置すると、建物の柱や梁といった構造躯体を腐食させ、シロアリ発生の原因にもなり、住まいの寿命を大きく縮める深刻な事態につながります。雨漏りを確認した場合は、被害の拡大を防ぐためにも、迷わず専門の屋根リフォーム業者に調査と修理を依頼してください。原因の特定と根本的な解決のために、葺き替え工事などの大規模なリフォームが必要となるケースがほとんどです。
劣化症状別の緊急度と推奨されるリフォーム | |||
劣化症状 | 緊急度 | 主な原因 | 推奨されるリフォーム工法 |
色あせ・コケの発生 | 低 | 紫外線や雨風による塗膜の劣化 | 屋根塗装 |
ひび割れ・ズレ・サビ | 中〜高 | 経年劣化、飛来物、地震 | 部分補修、カバー工法、葺き替え |
雨漏り | 高(緊急) | 屋根材や防水シートの破損・劣化 | カバー工法、葺き替え |
5. 後悔しない屋根リフォーム業者の選び方

屋根リフォームの成否は、業者選びで決まると言っても過言ではありません。大切な住まいを守るための重要な工事だからこそ、信頼できるパートナーを見つけることが不可欠です。ここでは、悪徳業者を避け、安心して任せられる優良業者を見極めるための3つのポイントを解説します。
5.1 相見積もりで複数の業者を比較する
屋根リフォームを検討する際は、必ず複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」を行いましょう。最低でも3社程度から見積もりを取得し、内容を比較検討することが、適正価格を把握し、信頼できる業者を選ぶための第一歩です。
単に総額だけで判断してはいけません。安すぎる見積もりは、必要な工程を省いていたり、質の低い材料を使っていたりする可能性があるため注意が必要です。以下の比較ポイントを参考に、見積書を詳細にチェックしましょう。
比較項目 | チェックすべきポイント |
工事内容・工程 | 「屋根工事一式」のような曖昧な表記ではなく、下地補修や防水シート(ルーフィング)の設置など、具体的な作業内容が明記されているか。 |
使用する屋根材 | メーカー名や商品名、数量(面積)が正確に記載されているか。 |
単価と数量 | 各項目(屋根材、足場、人件費など)の単価と数量が明確に分かれているか。いわゆる「一式」表記が多くないか。 |
諸経費 | 足場代、廃材処分費、現場管理費などの内訳がきちんと示されているか。 |
保証内容 | 工事保証や製品保証について、期間や内容が明記されているか。 |
見積もりの内容に不明な点があれば、遠慮なく質問しましょう。その際の対応の丁寧さや説明の分かりやすさも、業者を見極める重要な判断材料となります。
5.2 実績や口コミを確認する
業者の技術力や信頼性を客観的に判断するために、過去の実績や第三者からの評判を確認することは非常に重要です。
5.2.1 施工実績の確認
多くの業者は自社のウェブサイトに施工事例を掲載しています。自宅と同じような屋根の種類や劣化状況の工事実績が豊富にあるかを確認しましょう。特に、ビフォーアフターの写真だけでなく、どのような課題に対してどのような工事を行ったのか、具体的な説明が記載されている事例は信頼性が高いと言えます。
5.2.2 第三者からの口コミや評判
Googleマップのレビューやリフォーム専門の口コミサイトなど、実際にその業者を利用した人の声も参考にしましょう。良い評価だけでなく、万が一悪い評価があった場合に、業者がどのような対応をしているかもチェックポイントです。誠実な業者は、ネガティブな意見にも真摯に向き合い、改善に努める姿勢が見られます。
5.3 保証内容やアフターフォローが充実しているか
屋根リフォームは工事が終われば完了ではありません。万が一の不具合に備えた保証や、工事後のメンテナンス体制が整っているかどうかも、優良業者を選ぶ上で欠かせない要素です。
5.3.1 工事保証と製品保証(メーカー保証)の違い
保証には、施工業者が提供する「工事保証」と、屋根材メーカーが提供する「製品保証」の2種類があります。この違いを正しく理解しておくことが大切です。
保証の種類 | 保証対象 | 保証者 | 主な内容 |
工事保証(自社保証) | 施工の不備・欠陥(雨漏りなど) | 施工業者 | 業者が定めた期間内(例:5年、10年)に施工が原因で発生した不具合を無償で修理する。 |
製品保証(メーカー保証) | 屋根材自体の不具合(塗膜の剥がれ、ひび割れなど) | 屋根材メーカー | メーカーが定めた基準に基づき、製品の品質を保証するもの。施工不良が原因の場合は対象外となることが多い。 |
特に重要なのが、施工業者独自の「工事保証」です。保証期間や保証の対象範囲を書面で明確に提示してくれる業者を選びましょう。
5.3.2 定期点検の有無
工事完了後、1年後、5年後といったタイミングで無料の定期点検を実施してくれるかどうかも確認しましょう。専門家の目で定期的に状態をチェックしてもらうことで、問題の早期発見につながり、屋根を長持ちさせることができます。アフターフォローの手厚さは、「工事をして終わり」ではなく、長期的な視点で住まいの安全を守ってくれるパートナーである証です。
6. まとめ
本記事では、後悔しない屋根リフォームを実現するために知っておくべき、屋根リフォームの工法の種類、屋根材ごとの特徴、費用相場、そして優良な業者の選び方までを網羅的に解説しました。
屋根リフォームには、主に「葺き替え」「カバー工法」「屋根塗装」の3つの工法があります。屋根の下地まで傷んでいる場合は最も確実な「葺き替え」、コストと工期を抑えたい場合は「カバー工法」、軽微な劣化で美観を回復させたい場合は「屋根塗装」と、ご自宅の屋根の劣化状況や予算に応じて最適な工法を選ぶことが重要です。また、使用する屋根材もスレートやガルバリウム鋼板、瓦など様々で、それぞれ耐久性や価格、デザイン性が異なります。
色あせやひび割れ、雨漏りといった劣化のサインを見つけたら、建物の寿命を縮めないためにも、決して放置せず早めに専門家へ相談することが賢明です。その際、1社だけでなく複数の業者から相見積もりを取り、実績や保証内容をしっかりと比較検討することが、適正価格で質の高い工事を行うための結論となります。
この記事で得た知識をもとに、ご自宅にとって最適なリフォーム計画を立て、大切なお住まいを長く守るための一歩を踏み出してください。

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