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木造家屋の内装解体は自分でできる?解体工事の流れと期間を徹底解説

  • 執筆者の写真: seira murata
    seira murata
  • 10月28日
  • 読了時間: 17分
木造 内装解体

木造家屋のリフォームやリノベーションを計画する際、「内装解体は自分でできるのだろうか?」「業者に頼むと費用や期間はどれくらいかかる?」といった疑問を持つ方は多いでしょう。費用を抑えるためにDIYを検討する一方で、安全性や法的な手続きに不安を感じるかもしれません。この記事では、木造家屋の内装解体について、自分で解体を行う場合の全手順から、プロの業者に依頼する際の流れ、費用、期間までを網羅的に解説します。結論として、壁紙の撤去など小規模な作業はDIYも可能ですが、建物の構造に関わる部分やアスベスト含有の可能性がある場合は、安全と法律の観点から専門業者への依頼が必須です。この記事を最後まで読めば、ご自身の状況に合わせた最適な判断ができ、トラブルなく内装解体を進めるための知識がすべて身につきます。


1. 木造家屋の内装解体とはどんな工事か

木造家屋の内装解体とは、建物の基礎や柱、梁といった骨組みとなる構造体はそのまま残し、室内の壁、床、天井、設備などを解体・撤去する工事のことです。リフォームやリノベーションの前段階として行われることが多く、間取りの変更や内装デザインを一新する目的で実施されます。建物をすべて壊す「建て替え」とは異なり、既存の構造を活かしながら住空間を再生させるための第一歩と言えるでしょう。


1.1 内装解体の目的と種類

内装解体は、その目的や解体する範囲によって大きく2つの種類に分けられます。それぞれの特徴を理解し、ご自身の計画に合った工事を選択することが重要です。

  • 表層解体(部分解体)


    壁紙(クロス)の張り替えや床材の交換など、表面的なリフォームに伴って行われる部分的な解体です。既存の内装を活かしつつ、劣化した部分やデザインを変更したい箇所のみを解体・撤去します。

  • スケルトン解体(全面解体)


    間仕切り壁や天井、床材、住宅設備(キッチン、浴室、トイレなど)をすべて撤去し、建物の構造体(柱・梁・床の構造部など)をむき出しの状態にする解体です。大規模なリノベーションや、中古物件を購入して間取りを根本から変更したい場合などに行われます。


1.2 どこまで解体する?工事範囲の具体例

「表層解体」と「スケルトン解体」では、具体的に解体する範囲が異なります。一般的な工事範囲を以下の表にまとめました。

種類

主な目的

主な解体範囲

表層解体

内装の原状回復、部分的なリフォーム

  • 壁紙、天井クロス

  • 床材(フローリング、カーペット、クッションフロアなど)

  • 塗装の剥離

  • 古くなった造作家具の一部

スケルトン解体

大規模リノベーション、間取りの全面変更、店舗から住居への用途変更(コンバージョン)

  • 間仕切り壁(構造に関わらない壁)

  • 天井、床

  • 建具(ドア、窓サッシなど)

  • 住宅設備(キッチン、浴室、トイレ、洗面台)

  • 電気配線、給排水管など

1.3 木造家屋ならではの特徴と注意点

木造家屋、特に日本の戸建てに多い「木造軸組工法(在来工法)」は、柱と梁を組み合わせて建物を支える構造です。そのため、内装解体においては、どの壁が間仕切りのためだけに存在する壁で、どの壁が建物の耐震性に関わる「耐力壁」なのかを正確に見極める必要があります。

見た目が同じような壁でも、内部に筋交い(すじかい)が入っているなど、構造上重要な役割を担っているケースは少なくありません。専門的な知識なしに解体を進めてしまうと、建物の強度を著しく低下させ、大きな事故につながる危険性があります。木造家屋の内装解体は、建物の構造を熟知した上で行うことが絶対条件となります。


2. 木造の内装解体は自分でできる?プロに依頼するかの判断基準

木造 内装解体

木造家屋の内装解体は、壁紙を剥がしたり、床材を撤去したりといった小規模なものであれば、DIYで行うことも不可能ではありません。しかし、解体範囲や建物の構造によっては、専門的な知識と技術が不可欠です。安易な自己判断は、思わぬ事故や建物の損傷に繋がる危険性もはらんでいます。ここでは、DIYで行う場合とプロの解体業者に依頼する場合、それぞれのメリット・デメリットを比較し、どちらを選択すべきかの判断基準を詳しく解説します。


2.1 DIYで内装解体を行うメリットとデメリット

ご自身で内装解体を行う「DIY」には、魅力的なメリットがある一方で、見過ごせないデメリットも存在します。挑戦する前に、両方の側面をしっかりと理解しておきましょう。


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メリット

  • 費用の大幅な削減: 業者に支払う人件費や諸経費がかからないため、コストを最も安く抑えられます。

  • 自由なスケジュール: 自分の都合の良いタイミングで、自分のペースで作業を進めることができます。

  • 家への愛着: 自分の手でリフォームやリノベーションに関わることで、完成した空間への愛着が一層深まります。

デメリット

  • 時間と労力がかかる: 慣れない作業は想像以上に時間がかかり、体力的な負担も大きくなります。

  • 怪我のリスク: 釘の踏み抜き、工具の誤使用、粉塵の吸い込みなど、常に怪我の危険が伴います。

  • 専門知識が必要: 建物の構造を理解せず作業すると、重要な柱や壁を傷つけてしまう恐れがあります。

  • 廃材処分の手間: 解体で出た廃材は産業廃棄物扱いとなり、自治体のルールに従って適切に分別し、専門の処分場へ持ち込む必要があります。

  • 工具の準備費用: バールやハンマーのほか、作業内容によっては電動工具など、初期投資が必要になる場合があります。

2.2 プロの解体業者に依頼するメリットとデメリット

専門の解体業者に依頼すれば、費用はかかりますが、それに見合うだけの大きなメリットがあります。安全性や確実性を重視するなら、プロへの依頼が最善の選択です。


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メリット

  • 安全性と確実性: 経験豊富な作業員が、建物の構造を理解した上で安全かつ的確に解体作業を進めてくれます。

  • 工期の短縮: 専門の機材と効率的な人員配置により、DIYに比べて圧倒的に短い期間で工事が完了します。

  • ワンストップ対応: 面倒な廃材の分別から運搬、処分まで一括して任せられるため、手間がかかりません。

  • 近隣トラブルの回避: 騒音や粉塵対策の養生、工事前の近隣挨拶など、トラブル防止のノウハウを持っています。

  • 各種手続きの代行: 必要に応じて、建設リサイクル法などの各種届出を代行してくれる業者もいます。

デメリット

  • 費用がかかる: 人件費や重機使用料、廃材処分費、諸経費などが発生するため、DIYに比べて高額になります。

  • 業者選定の手間: 複数の業者から見積もりを取り、信頼できる一社を見つける手間と時間がかかります。

2.3 こんな場合はDIYは危険 業者への依頼を推奨するケース

費用を抑えたい気持ちはあっても、以下のようなケースではDIYでの解体は絶対に避けるべきです。安全を最優先し、必ずプロの解体業者に相談してください。

  • 構造に関わる壁や柱を撤去する場合


    間取りの変更などで、壁や柱、梁(はり)などを解体する場合は、建物の耐震性や強度に直接影響します。構造計算が必要になるため、専門知識のない人が手を出すのは極めて危険です。

  • アスベスト含有の可能性がある建物の場合


    2006年9月以前に建てられた木造家屋では、壁材や天井材、断熱材などにアスベスト(石綿)が使用されている可能性があります。アスベストの飛散は深刻な健康被害を引き起こすため、法律で定められた事前調査と専門業者による適切な除去作業が義務付けられています。

  • 電気・水道・ガス設備が絡む解体


    壁の内部には電気配線や水道管、ガス管が通っていることがあります。これらを誤って損傷させると、漏電による火災や漏水、ガス漏れといった重大な事故に繋がります。特に電気工事には資格が必要です。

  • 解体範囲が広い、または2階以上の作業


    一部屋全体や複数部屋など、解体範囲が広くなると廃材の量が膨大になり、個人での搬出・処分は非常に困難です。また、2階以上の高所作業は転落のリスクが格段に高まります。


3. 【DIY編】自分で木造家屋の内装解体を行う全手順

木造 内装解体

ご自身で木造家屋の内装解体に挑戦する場合、正しい手順と安全管理が不可欠です。ここでは、事前準備から廃材の処分まで、DIYで内装解体を行うための全ステップを具体的に解説します。


3.1 STEP1 事前準備と必要な道具を揃える

DIYでの解体工事は、何よりもまず安全が第一です。作業を始める前に、ご自身の身を守るための装備と、作業を効率的に進めるための道具を万全に整えましょう。特に、粉塵や落下物から身体を守る保護具の着用は絶対に怠らないでください。必要な道具はホームセンターや工具レンタルサービスで揃えることができます。



DIY内装解体に必要な道具リスト

分類

道具名

主な用途

安全装備

ヘルメット、安全靴、防じんマスク、保護ゴーグル、厚手の作業用手袋(グローブ)

頭部・足元の保護、粉塵の吸い込み防止、目の保護、手の怪我防止

解体用具

バール、ハンマー(石頭ハンマー)、解体用ハンマー(セパレーター)、内装剥がし、のこぎり(手引き・電動丸ノコ)

壁・床・天井の石膏ボードや木材の剥がし、釘抜き、木材の切断

養生・清掃用具

養生シート(ブルーシート)、プラベニ、マスカーテープ、養生テープ、ほうき、ちりとり、土のう袋

解体しない場所の保護、粉塵の飛散防止、廃材の収集・運搬

その他

脚立、懐中電灯、ドライバーセット、カッターナイフ

高所の作業、暗所の確認、ビスやネジの取り外し、壁紙の切断

3.2 STEP2 近隣への挨拶と養生

解体工事は、大きな音やホコリが発生するため、近隣住民への配慮が不可欠です。工事開始の1週間前までには、両隣と向かい、裏のお宅へ挨拶に伺いましょう。工事の期間や作業時間帯を伝え、ご迷惑をおかけする可能性があることを真摯に説明することが、後のトラブルを未然に防ぎます。

また、家の中の養生も重要な工程です。解体しない壁や床、窓ガラス、柱などを傷や汚れから守るために、養生シートやプラベニ(プラスチック段ボール)でしっかりと覆います。特にマンションなどの集合住宅では、玄関から作業場所までの共用廊下やエレベーター内の養生も管理組合の規約に従って必ず行いましょう。


3.3 STEP3 内装材の解体と撤去作業

準備が整ったら、いよいよ解体作業に入ります。作業効率と安全性を考慮し、基本的な解体は「上から下へ」進めるのが鉄則です。

  1. 天井の解体


    まず脚立を使い、天井のクロスを剥がし、石膏ボードをバールなどで取り外していきます。天井裏の断熱材や電気配線に注意しながら、下地の木材(野縁)を露わにします。

  2. 壁の解体


    次に壁の解体です。天井と同様に壁紙(クロス)を剥がしてから、石膏ボードをハンマーやバールを使って壊し、撤去します。壁の中には電気の配線やコンセントボックス、水道管が通っている場合があるため、絶対に力任せに破壊せず、慎重に作業を進めてください。

  3. 床の解体


    最後に床材を解体します。フローリングやクッションフロアは、バールを使って端から剥がしていきます。畳の場合は、そのまま運び出して撤去します。床下地(根太)の状態を確認し、必要であれば補修の計画を立てます。


3.4 STEP4 廃材の分別と適切な処分

DIYにおける内装解体で最も重要かつ困難なのが、発生した廃材の処分です。解体で出た木くずや石膏ボード、壁紙などは、家庭ごみとして出すことはできません。

これらの廃材は、原則として「一般廃棄物」に分類されますが、自治体によっては受け入れ量に制限があったり、そもそも受け入れていなかったりする場合があります。特に石膏ボードは専門の処理が必要なため、多くの自治体で受け入れが困難です。

処分方法としては、以下の選択肢が考えられます。

  • 自治体の処理施設への自己搬入: 事前にお住まいの自治体のルールを確認し、受け入れ可能な品目や量、料金を必ず問い合わせてください。

  • 一般廃棄物収集運搬許可業者への依頼: 自分で運搬・処分が難しい場合は、自治体から許可を得ている専門業者に収集を依頼します。

廃材の分別を解体作業と並行して行い、種類ごとに土のう袋などにまとめておくと、後の処分がスムーズに進みます。廃材の不法投棄は法律で厳しく罰せられます。必ずルールに従って適正に処分してください。


4. 【業者依頼編】プロによる木造内装解体の流れと期間

木造 内装解体

DIYでの解体が難しい場合や、安全・確実性を重視する場合は、専門の解体業者に依頼するのが最善の選択です。ここでは、プロの業者に依頼した場合の一般的な工事の流れと、完了までにかかる期間の目安を詳しく解説します。


4.1 STEP1 解体業者探しと現地調査・見積もり

内装解体工事の第一歩は、信頼できる業者を見つけることです。まずはインターネット検索や一括見積もりサイトなどを活用し、複数の業者をリストアップしましょう。気になる業者が見つかったら、現地調査と見積もりを依頼します。

現地調査では、業者が実際に現場を訪れ、解体範囲、建物の構造、搬出経路、アスベスト含有建材の有無などを詳細に確認します。この調査結果をもとに、正確な見積書が作成されます。複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」を行うことで、費用の相場を把握し、不当に高額な請求を避けることができます。見積書を受け取ったら、金額だけでなく、工事内容の内訳(解体工事費、廃材処分費、養生費など)が明確に記載されているかを確認することが重要です。


4.2 STEP2 契約と各種届出

見積もり内容や業者の対応に納得できたら、正式に工事契約を結びます。契約書には、工事内容、金額、工期、支払い条件、万が一の事故に備えた損害賠償保険の加入状況などが明記されているか、隅々まで確認しましょう。少しでも疑問点があれば、契約前に必ず質問して解消しておくことが大切です。

また、床面積が80㎡を超える建物の解体工事では「建設リサイクル法」に基づく届出が必要になるなど、工事内容によっては行政への各種届出が義務付けられています。これらの複雑な届出書類の作成や提出は、基本的に解体業者が代行してくれますので、安心してお任せください。


4.3 STEP3 解体工事の開始から完了まで

契約と届出が完了すると、いよいよ解体工事が始まります。工事は主に以下の手順で進められます。

  1. 近隣への挨拶: 工事開始前に、業者が近隣住民へ工事内容や期間を説明し、挨拶回りを行います。騒音や振動への理解を得るための重要な工程です。

  2. 養生: 解体しない部分や共有部分(マンションの廊下など)を、粉塵や傷から守るためにシートやパネルで保護(養生)します。

  3. 内装材の解体・撤去: 天井、壁、床の順に、内装材を手作業や工具を使って丁寧に解体・撤去していきます。

  4. 廃材の搬出・処分: 解体で発生した木材、石膏ボード、断熱材などの廃材を、法律に従って正しく分別しながらトラックで搬出し、処分場へ運搬します。

  5. 清掃・引き渡し: 解体工事で発生した粉塵などを清掃し、依頼主が現場を確認して問題がなければ、工事完了・引き渡しとなります。


4.4 木造家屋の内装解体にかかる期間の目安

内装解体にかかる期間は、解体する範囲や建物の広さ、構造、アスベストの有無などによって大きく変動します。あくまで一般的な目安として、以下の表を参考にしてください。

解体範囲・広さ

工事期間の目安

備考

ワンルーム・一部屋(~20㎡)

2日~4日

水回り(キッチン、浴室など)を含まない場合。

1LDK~2LDK(~50㎡)

4日~1週間程度

間取りや設備の解体範囲によって変動します。

一戸建て全体(スケルトン解体)

1週間~2週間程度

建物を構造躯体(柱・梁・床など)だけの状態にする大規模な工事です。

上記の期間は、事前準備や業者選定、契約にかかる時間は含んでいません。また、アスベストの除去作業が必要な場合は、さらに数日から1週間程度の期間が追加で必要になることがあります。正確な工期については、必ず見積もりの段階で業者に確認しましょう。


5. 木造の内装解体で絶対に知っておくべき注意点

木造 内装解体

木造家屋の内装解体は、一見すると簡単な作業に見えるかもしれませんが、多くの危険が潜んでいます。DIYで行う場合も、業者に依頼する場合でも、これから解説する注意点を必ず理解しておきましょう。知識不足のまま作業を進めると、取り返しのつかない事故や建物の損傷につながる可能性があります。


5.1 構造上重要な柱や壁は解体しない

木造家屋は、柱、梁(はり)、筋交い(すじかい)といった部材が組み合わさって構造的な強度を保っています。特に日本の住宅で多い木造軸組工法(在来工法)では、これらの部材が地震や台風などの外力から建物を守る重要な役割を担っています。

内装解体において、壁や柱を撤去する際には細心の注意が必要です。見た目ではただの間仕切り壁に見えても、内部に筋交いが入っていたり、壁自体が建物を支える「耐力壁」であったりするケースは少なくありません。これらの構造上重要な柱や壁を誤って解体・撤去してしまうと、建物の耐震性が著しく低下し、最悪の場合、家が倒壊する危険性があります。

どの柱や壁が構造上重要なのかを素人が判断するのは極めて困難です。必ず設計図面を確認したり、建築士や専門の解体業者に相談したりして、安全を確保した上で作業を進めてください。


5.2 アスベスト含有建材の事前調査義務

アスベスト(石綿)は、かつて多くの建材に使用されていた天然の鉱物繊維です。しかし、飛散したアスベストを吸い込むと、肺がんや中皮腫といった深刻な健康被害を引き起こすことが判明しています。

このため、現在では法律(大気汚染防止法)により、解体・改修工事を行う際には、工事の規模に関わらずアスベスト含有建材の有無を事前に調査することが義務付けられています。この義務は、プロの業者だけでなく、DIYで解体を行う場合も対象となる可能性があります。

特に2006年(平成18年)以前に建てられた木造家屋では、以下のような建材にアスベストが含まれている可能性があり、注意が必要です。


アスベスト含有の可能性がある主な建材

場所

建材の例

屋根・外壁

スレート屋根材、サイディング材

天井・壁

石膏ボード、珪藻土壁、じゅらく壁、ビニール壁紙

クッションフロア、Pタイル(プラスチック系床材)

その他

配管の保温材、断熱材、接着剤

事前調査は「建築物石綿含有建材調査者」という有資格者が行う必要があります。アスベスト含有の可能性がある場合は、適切な飛散防止対策と専門業者による除去作業、そして法律に則った廃棄物処理が求められます。自己判断で解体を進めるのは絶対にやめてください。


5.3 電気の配線や水道管の損傷リスク

壁や天井、床の内部には、電気の配線や水道管、ガス管といったライフラインが複雑に通っています。これらの位置を正確に把握せずに解体作業を行うと、重大な事故につながる恐れがあります。


5.3.1 電気配線の損傷

作業前には必ず分電盤のブレーカーを落とすことが基本ですが、配線を誤って切断・損傷させてしまうと、感電や漏電、火災を引き起こす危険性が非常に高いです。配線の撤去や移設には「電気工事士」の資格が必要であり、無資格での作業は法律で禁止されています。


5.3.2 水道管・ガス管の損傷

水道管を損傷させると水漏れが発生し、床下や階下へ甚大な被害を及ぼす可能性があります。さらに危険なのがガス管の損傷です。ガス漏れは火災や爆発、一酸化炭素中毒といった命に関わる事故に直結します。水道やガスの元栓を閉めてから作業を行うことはもちろん、配管の撤去や移設は必ず指定の専門業者に依頼してください。

解体を始める前には、建物の図面で配管や配線のルートを確認することが重要です。しかし、図面通りに施工されていないケースも多いため、壁や床を剥がす際は、内部に何が隠れているかを確認しながら慎重に進める必要があります。


6. まとめ

本記事では、木造家屋の内装解体について、ご自身で行う場合とプロの業者に依頼する場合の双方の視点から、手順や注意点を詳しく解説しました。木造家屋の内装解体は、適切な知識と準備があればDIYも不可能ではありませんが、構造上の安全性やアスベスト調査義務、電気・水道設備への配慮など、専門的な判断が求められる場面が数多く存在します。

結論として、構造上重要な柱や壁を誤って解体してしまうリスクや、アスベスト飛散による健康被害、法規制への抵触といった重大な問題を避けるためにも、少しでも不安がある場合はプロの解体業者へ依頼することを強く推奨します。業者に依頼することで、安全かつ法を遵守した工事が保証され、廃材の適切な処理まで一貫して任せられるため、結果的に最も確実で安心な選択肢と言えるでしょう。

DIYを検討する場合も、業者に依頼する場合も、本記事で紹介した流れや注意点をしっかりと理解し、安全を第一に計画を進めることが、理想の住まいづくりへの成功の鍵となります。

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