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知らないと危険!アスベスト解体・除去工事の注意点と全手順を専門家が徹底解説

  • 執筆者の写真: seira murata
    seira murata
  • 2025年10月29日
  • 読了時間: 18分
アスベスト 解体 除去

ご自宅や所有する建物の解体・リフォームを検討する際、最も気になるのが「アスベスト(石綿)」の存在ではないでしょうか。費用はいくらかかるのか、どんな手順で進めるのか、法律で決められた届出は必要なのか、そして何より健康への影響は大丈夫なのか、専門的な内容だけに不安や疑問は尽きないはずです。この記事では、そんなアスベスト解体・除去に関するあらゆる不安を解消するため、2022年4月から原則義務化された事前調査から、レベル別の具体的な除去作業、行政への届出、廃棄物の適正処理に至るまで、工事の全手順を専門家がステップごとに詳しく解説します。さらに、気になる費用相場や活用できる補助金制度、失敗しない専門業者の選び方のポイントまで網羅的にご紹介します。アスベスト解体・除去工事で最も重要な結論は、法律を遵守した適正な手順で、許可を持つ信頼できる専門業者に依頼することです。この記事を最後まで読めば、安全な工事計画を立てるために必要な知識がすべて身につき、安心して第一歩を踏み出せるようになります。


1. まず確認 アスベストとは何か その危険性と健康被害

アスベスト(石綿)は、かつてその優れた断熱性や耐久性から「奇跡の鉱物」と呼ばれ、多くの建材に使用されてきました。しかし現在では、人体に深刻な健康被害をもたらす危険な物質として知られています。解体・除去工事を行う前に、まずはアスベストの基本的な知識と危険性について正しく理解することが極めて重要です。この章では、アスベストの基礎から健康への影響、そして身近な建材の例までを詳しく解説します。


1.1 アスベスト(石綿)の基礎知識と種類

アスベストとは、天然に存在する鉱物繊維の総称で、日本語では「石綿(いしわた、せきめん)」と呼ばれます。その繊維は極めて細かく、直径は髪の毛の5,000分の1程度しかありません。この微細な繊維が、熱や摩擦、酸・アルカリに強く、安価であったため、1970年代から1990年代にかけて、ビルや住宅の断熱材、耐火被覆材、屋根材、内装材など、様々な用途で幅広く使用されていました。

アスベストは、主に以下の6種類に大別されます。

分類

種類名(通称)

特徴・主な用途

蛇紋石族

クリソタイル(白石綿)

最も多く使用されたアスベスト(国内使用量の9割以上)。柔軟で加工しやすく、石綿スレート、ブレーキパッドなどに使用。

角閃石族

クロシドライト(青石綿)

発がん性が非常に高いとされる。耐酸性に優れ、吹付け材や石綿セメント管などに使用。

アモサイト(茶石綿)

耐熱性、断熱性に優れる。吹付け材や断熱保温材などに使用。


アンソフィライト

耐薬品性、耐熱性に優れる。建材や化学プラントの断熱材などに使用。


トレモライト

クリソタイルの原料に不純物として含まれることがある。


アクチノライト

トレモライトと同様、不純物として含まれることが多い。


1.2 なぜ危険なのか アスベストが引き起こす病気

アスベストの最大の危険性は、その繊維が非常に細かく軽いため、解体工事などで飛散すると空気中を長時間浮遊し、呼吸によって容易に体内に吸い込まれてしまう点にあります。吸い込まれたアスベスト繊維は、体内で分解されることなく肺の組織に深く突き刺さり、長い年月をかけて細胞を傷つけ続けます。発症までの潜伏期間が15年~50年と非常に長いため、自覚症状がないまま病気が進行し、気づいた時には深刻な状態になっているケースが少なくありません。

アスベストが原因で引き起こされる代表的な病気は以下の通りです。

病名

主な症状

潜伏期間の目安

石綿(アスベスト)肺

肺が線維化し硬くなる病気。初期は無症状だが、進行すると息切れ、咳、呼吸困難などを引き起こす。

15年~20年

肺がん

アスベストの吸引は肺がんの発生リスクを高める。喫煙と合わさるとリスクが相乗的に増大することが知られている。

15年~40年

悪性中皮腫

肺を覆う胸膜や腹部を覆う腹膜などにできる悪性度の高いがん。アスベスト曝露との関連が極めて強い。

20年~50年

びまん性胸膜肥厚

胸膜が厚く硬くなる病気。進行すると肺の膨らみが妨げられ、呼吸困難や胸の痛みを引き起こす。

30年~40年

1.3 あなたの家は大丈夫?アスベストが使用されている建材の例

アスベストの使用は段階的に規制され、2006年(平成18年)に原則全面禁止となりました。そのため、2006年以前に建てられた建築物には、アスベスト含有建材が使用されている可能性があります。特に、建材への使用が最も盛んだった1970年前後に建てられた建物は注意が必要です。アスベストは、目視だけで判断することが非常に困難なため、専門家による調査が不可欠です。

以下に、住宅やビルでアスベストが使用されている可能性のある主な箇所と建材の例を挙げます。

使用箇所

建材の例

屋根・軒天

住宅屋根用化粧スレート(コロニアル、カラーベスト)、波形スレート、軒天ケイ酸カルシウム板

外壁

窯業系サイディング、押出成形セメント板、石綿セメント板

内壁・天井

石膏ボード、ケイ酸カルシウム板、天井用吸音テックス、珪藻土やじゅらく壁などの仕上塗材

ビニル床タイル(Pタイル)、床材接着剤

耐火被覆・断熱

鉄骨の吹付けアスベスト、吹付けロックウール、配管の保温材、煙突の断熱材

その他

配管のパッキン、電気設備の絶縁板、換気扇のダクト

これらの建材は、通常の状態ではアスベストが飛散するリスクは低いとされています。しかし、リフォームや解体工事で建材を破壊・切断する際には、大量のアスベスト繊維が飛散する危険性があるため、法令で定められた厳格な手順に則って除去作業を行う必要があります。


2. 【全手順】アスベスト解体・除去工事の具体的な流れ

アスベスト 解体 除去

アスベストの解体・除去工事は、法律で定められた厳格な手順に沿って進められます。調査から工事完了まで、安全を最優先にしたプロセスを6つのステップに分けて具体的に解説します。


2.1 ステップ1 事前調査の義務化と調査方法

2022年4月1日から、建物の解体・改修工事を行う際には、規模の大小にかかわらずアスベストの有無を事前に調査することが法律で義務付けられました。この調査は、専門の資格を持つ「建築物石綿含有建材調査者」が行う必要があります。


2.1.1 図面調査と目視調査

まず、設計図書や仕様書などの書類を確認し、アスベストが使用されている可能性のある建材をリストアップします(図面調査)。その後、実際に現地へ赴き、図面と照らし合わせながら建材の種類や状態を目で見て確認します(目視調査)。この段階でアスベスト含有の有無が明らかになる場合もあります。


2.1.2 分析調査の方法と期間

図面や目視だけではアスベストの含有が判断できない場合、建材の一部を採取して専門の分析機関に送ります。JIS A 1481規格群などの公定法に基づき、顕微鏡を用いてアスベスト繊維の有無や種類を特定します。分析には通常、検体の受領後、数日から1週間程度の期間を要します。


2.2 ステップ2 工事計画の策定と行政への届出

事前調査の結果、アスベスト含有建材の除去が必要と判断された場合、安全な作業手順を定めた工事計画を作成し、工事開始前に行政への届出を行います。


2.2.1 作業計画の作成と労働基準監督署への届出

労働者の安全を確保するため、アスベストの飛散防止対策、使用する保護具、作業員の配置、緊急時の対応などを盛り込んだ「作業計画」を策定します。そして、工事開始の14日前までに、所轄の労働基準監督署へ「工事計画届」または「建設工事計画届」を提出します。


2.2.2 大気汚染防止法に基づく特定粉じん排出等作業実施届出書

周辺環境へのアスベスト飛散を防ぐため、特に飛散性の高いレベル1、レベル2建材の除去作業を行う場合は、作業開始の14日前までに、都道府県や市の担当部署へ「特定粉じん排出等作業実施届出書」を提出する義務があります。




主な行政への届出

届出先

届出書類

根拠法

提出期限

労働基準監督署

工事計画届 など

労働安全衛生法・石綿障害予防規則

作業開始の14日前まで

都道府県・市など

特定粉じん排出等作業実施届出書

大気汚染防止法

作業開始の14日前まで

2.3 ステップ3 近隣住民への説明と配慮

工事への理解と協力を得るため、近隣住民への事前説明は不可欠です。工事の概要、期間、作業時間、そしてアスベスト飛散防止のためにどのような安全対策を講じるのかを丁寧に説明し、不安を解消します。また、工事現場の見やすい場所には、作業内容や届出事項を記載した掲示板を設置することが法律で義務付けられています。


2.4 ステップ4 レベル別のアスベスト除去作業

いよいよ実際の除去作業に入ります。作業は、アスベストの飛散性レベルに応じて厳重な管理下で行われます。


2.4.1 飛散防止対策(養生・湿潤化・負圧集じん機)

作業区域をプラスチックシートなどで完全に隔離(養生)し、外部と遮断します。作業中は、専用の薬剤を散布してアスベスト建材を常に湿った状態に保ち(湿潤化)、粉じんの飛散を抑制します。さらに、高性能なHEPAフィルターを備えた「負圧除じん機」を稼働させ、作業区域内の気圧を外部より低く保つことで、アスベスト繊維が外部へ漏れ出すのを防ぎます。


2.4.2 除去作業の手順と監視

作業員は、防じんマスクや保護衣といった専用の保護具を正しく着用します。除去作業は、建材を破砕しないよう、手作業で丁寧に行うのが基本です。作業中も区域内のアスベスト濃度を測定するなど、安全が確保されているかを常に監視します。


2.5 ステップ5 アスベスト廃棄物の適正な梱包と処理

除去したアスベスト含有建材は「特別管理産業廃棄物」として、法律に基づき適正に処理しなければなりません。飛散しないように湿潤化させた上で、頑丈なプラスチック袋で二重に梱包し、「石綿含有産業廃棄物」であることを明確に表示します。これらの廃棄物は、許可を得た専門の収集運搬業者によって、中間処理施設や最終処分場まで安全に運搬されます。


2.6 ステップ6 工事完了の確認と報告

すべての除去作業が完了した後も、安全確認のプロセスが続きます。作業区域内の清掃を徹底し、アスベスト繊維が残存していないことを確認します。養生シートを撤去する前には、空気中のアスベスト濃度を測定し、安全基準値以下であることを証明します。最終的に、作業工程の写真や濃度測定結果などをまとめた完了報告書を作成し、発注者に提出して全工程が終了となります。


3. アスベストレベル別 解体・除去工事の内容と注意点

アスベスト 解体 除去

アスベスト解体・除去工事は、建材に含まれるアスベストの飛散のしやすさ(発じん性)に応じて「レベル1」から「レベル3」までの3段階に分類されています。レベルごとに作業方法や法的な規制、必要な対策が大きく異なるため、それぞれの違いを正確に理解しておくことが極めて重要です。ここでは、各レベルの工事内容と特に注意すべき点を詳しく解説します。


3.1 レベル1 発じん性が著しく高い建材の除去

レベル1は、最も危険性が高く、最も厳重な管理体制が求められる作業です。主に、綿状のアスベストが吹き付けられている建材が対象となり、わずかな刺激でも大量のアスベスト繊維が飛散するリスクがあります。

項目

内容・注意点

主な対象建材

吹き付けアスベスト、アスベスト含有ロックウール、アスベスト含有ひる石(バーミキュライト)吹付けなど

作業のポイント

  • 隔離養生:作業場所をプラスチックシートなどで完全に密閉し、外部と隔離します。

  • 負圧管理:高性能真空掃除機に接続された集じん・排気装置(負圧除じん機)を使用し、隔離空間内の気圧を外部より低く保ち、アスベスト繊維の漏洩を徹底的に防ぎます。

  • セキュリティゾーンの設置:作業員が汚染された保護衣を脱ぎ、身体を清浄にするための前室(更衣室、シャワー室)を設置します。

  • 湿潤化:除去作業前に、専用の薬剤でアスベスト層を十分に湿らせ、粉じんの飛散を抑制します。

  • 手作業による除去:専用の工具(ケレン棒など)を使い、慎重に手作業で掻き落とします。

主な注意点

工事計画届を労働基準監督署へ、特定粉じん排出等作業実施届出書を都道府県等へ提出する義務があります。また、作業員は最高レベルの防じんマスクや化学防護服の着用が必須となり、専門的な知識と高度な技術を持つ業者でなければ施工できません。

3.2 レベル2 発じん性が高い建材の除去

レベル2は、レベル1ほどではないものの、依然として発じん性が高く危険な建材が対象です。主に、保温材や断熱材として板状や筒状に加工されたアスベスト含有建材が該当します。

項目

内容・注意点

主な対象建材

アスベスト含有保温材、耐火被覆材、断熱材(ボイラー本体や配管の保温材、煙突用断熱材など)

作業のポイント

  • 隔離養生:レベル1と同様に、作業場所の隔離養生が必要です。ただし、負圧管理は原則として義務付けられていません(作業内容によっては実施)。

  • 湿潤化:除去対象の建材を十分に湿らせ、粉じんの飛散を防止します。

  • 原形での除去:建材を可能な限り破断・切断せず、原形のまま丁寧に取り外すことが原則です。

主な注意点

レベル1と同様に、労働基準監督署への工事計画届や都道府県等への特定粉じん排出等作業実施届出書の提出が義務付けられています。レベル1に準じた厳重な飛散防止対策と、適切な保護具の着用が求められます。

3.3 レベル3 その他アスベスト含有建材の解体・除去

レベル3は、アスベストがセメントなどの固い材料で固められており、比較的飛散しにくい「非飛散性アスベスト」含有建材が対象です。しかし、不適切な作業を行えばアスベストが飛散するリスクがあるため、油断は禁物です。

項目

内容・注意点

主な対象建材

  • 屋根・外壁材:スレート屋根材、窯業系サイディング

  • 内装材:ビニル床タイル、Pタイル

  • その他:石綿セメント管、押出成形セメント板など

作業のポイント

  • 湿潤化:切断や破砕が必要な場合は、十分に湿らせて作業します。

  • 手作業による除去:電動工具の使用は極力避け、手工具(バールなど)を用いて、建材を割ったり砕いたりしないよう、一枚一枚丁寧に取り外すことが大原則です。

  • 作業区域の表示:隔離養生は原則不要ですが、関係者以外の立ち入りを禁止するための表示を行います。

主な注意点

レベル1、2のような届出は不要ですが、2022年4月の法改正により、一定規模以上の解体・改修工事では、アスベストの有無に関わらず事前調査結果を電子システムで報告することが義務化されました。作業時には、適切な防じんマスクや作業着の着用が推奨されます。

4. アスベスト解体・除去工事の費用相場と内訳

アスベスト 解体 除去

アスベストの解体・除去工事にかかる費用は、建物の規模や構造、アスベスト含有建材の種類や量、作業場所の状況など、多くの要因によって大きく変動します。ここでは、費用の内訳を「調査費用」「除去費用」「補助金」の3つの観点から解説します。正確な金額を知るためには、必ず専門業者からの見積もりを取得してください。


4.1 アスベスト調査にかかる費用

2022年4月から、建物の解体・改修工事を行う際には、アスベストの有無を事前に調査することが法律で義務付けられました。この事前調査には費用が発生します。

調査は大きく分けて「図面調査・目視調査」と「分析調査」の2段階で行われます。それぞれの費用相場は以下の通りです。

調査の種類

費用相場

備考

図面調査・目視調査(一次調査)

30,000円~100,000円程度

建物の設計図書等の確認と、現地での目視による調査です。建物の規模により費用は変動します。

分析調査(二次調査)

1検体あたり 30,000円~50,000円

目視で判断できない建材を採取し、専門機関で分析します。検体数に応じて費用が加算されます。

アスベスト含有が明らかで除去工事が確定している場合でも、この事前調査と報告書の作成は必須となりますのでご注意ください。


4.2 レベル別の除去費用目安

アスベスト除去工事の費用は、アスベストの飛散性の高さを示す「レベル」によって大きく異なります。レベル1が最も危険性が高く、厳重な管理下での作業が求められるため、費用も高額になります。

以下は、除去面積1㎡あたりの費用目安です。

アスベストレベル

除去費用相場(/㎡あたり)

主な建材例

レベル1(発じん性が著しく高い)

20,000円~85,000円

吹付けアスベスト、アスベスト含有ロックウール

レベル2(発じん性が高い)

10,000円~60,000円

保温材、耐火被覆材、断熱材

レベル3(その他)

3,000円~20,000円

スレート屋根、ビニル床タイル(Pタイル)、サイディング

上記の単価はあくまで除去作業そのものに対する目安です。実際の工事では、この他に作業計画作成費、各種届出費用、仮設足場設置費、隔離養生費、負圧集じん・排気装置の使用料、アスベスト廃棄物の運搬・処分費、作業員の保護具費用などが別途必要になります。特にレベル1やレベル2の工事では、これらの付帯費用が全体の費用を大きく左右します。


4.3 費用を抑えるための補助金・助成金制度

アスベストの除去を促進するため、国や地方自治体(都道府県・市区町村)が補助金や助成金制度を設けている場合があります。これらの制度をうまく活用することで、費用負担を軽減できる可能性があります。

補助金の対象となるのは、主に以下の費用です。

  • アスベスト含有調査にかかる費用

  • アスベスト除去・封じ込め・囲い込み工事にかかる費用

ただし、補助金制度の有無、対象となる建物の条件、補助率や上限額は、各自治体によって大きく異なります。また、年度ごとに予算が定められており、申請期間が限られている場合がほとんどです。

制度を利用するためには、必ず工事契約前・着工前に申請手続きを完了させる必要があります。解体・除去を検討し始めたら、まずは建物の所在地を管轄する市区町村の役場(建築指導課や環境保全課など)に問い合わせ、利用できる制度がないか確認することをおすすめします。


5. 失敗しないアスベスト解体・除去業者の選び方

アスベスト 解体 除去

アスベストの解体・除去工事は、専門的な知識と技術を要する非常に危険な作業です。万が一、不適切な工事が行われれば、作業員だけでなく近隣住民にも深刻な健康被害を及ぼす可能性があります。ここでは、信頼できる専門業者を見極めるための3つの重要なポイントを解説します。


5.1 必要な許可や資格を持っているか確認する

アスベスト除去工事を行うためには、国や都道府県が定める許可や登録、そして現場には有資格者の配置が法律で義務付けられています。無許可・無資格の業者による工事は違法であり、絶対に関わってはいけません。必ず以下の点を確認しましょう。

業者選びの際に最低限確認すべき許可・登録と、現場に必要な有資格者は以下の通りです。

種類

名称

概要

業者が保有すべき許可・登録

建設業許可(解体工事業)


または


解体工事業登録

建物の解体工事を行うために必須の許可・登録です。工事請負金額によって必要な種類が異なります。

現場に配置すべき有資格者

石綿作業主任者

アスベスト除去作業を行う現場に必ず配置しなければならない国家資格者。作業員の安全確保や作業方法の指揮監督を行います。

現場に配置すべき有資格者

特別管理産業廃棄物管理責任者

除去したアスベストは「特別管理産業廃棄物」に該当します。この廃棄物を適正に管理するために必要な資格者です。

これらの許可証や資格者証のコピーの提示を求め、しっかりと確認することが重要です。優良な業者であれば、快く応じてくれるはずです。


5.2 実績が豊富で評判が良いかチェックする

アスベスト除去は、建物の構造や使用されている建材によって最適な工法が異なります。そのため、業者の経験と実績が工事の質を大きく左右します。

業者のウェブサイトで公開されている施工事例を確認し、自宅や所有物件と類似した条件での施工実績があるかを確認することが重要です。特に、除去を検討しているアスベストレベル(レベル1〜3)の工事経験が豊富かどうかは重要な判断基準となります。

また、過去の顧客からの評判や口コミも参考にしましょう。ただし、インターネット上の情報だけでなく、可能であれば地域の工務店や不動産会社などに評判を聞いてみるのも有効です。さらに、万が一の事故に備え、賠償責任保険に加入しているかどうかも必ず確認しておきましょう。


5.3 複数社から相見積もりを取り内容を比較検討する

アスベスト除去工事の費用は、業者によって大きく異なる場合があります。適正な価格で質の高い工事を依頼するためにも、必ず複数の業者(できれば3社以上)から見積もりを取りましょう。

見積もりを比較する際は、総額の安さだけで判断してはいけません。安すぎる見積もりは、必要な安全対策を怠ったり、後から高額な追加費用を請求されたり、アスベスト廃棄物を不法投棄したりする悪質業者の可能性があり、非常に危険です。

以下のポイントに注意して、見積書の内容を詳細に比較検討してください。

  • 作業内容の内訳が詳細か: 「工事一式」といった曖昧な記載ではなく、「事前調査費用」「養生費用」「除去作業費用」「廃棄物処理費用」など、項目ごとに費用が明記されているか確認します。

  • 安全対策は万全か: 養生の方法、負圧集じん機の使用、作業員の保護具など、どのような飛散防止対策が計画されているか具体的に記載されているかを確認します。

  • 追加料金の有無: 想定外の事態が発生した場合に、追加料金がかかる可能性があるか、その条件や金額が明記されているかを確認します。

  • 担当者の対応: 見積もりの内容について質問した際に、専門用語を避け、分かりやすく丁寧に説明してくれるかどうかも、信頼できる業者を見極めるための大切な要素です。

これらのポイントを総合的に判断し、最も信頼できると感じた業者に依頼することが、アスベスト除去工事を成功させる鍵となります。


6. まとめ

本記事では、アスベストの解体・除去工事について、その危険性から具体的な手順、費用相場、そして信頼できる業者の選び方までを網羅的に解説しました。アスベストは、吸い込むと肺がんや中皮腫といった深刻な健康被害を引き起こす極めて危険な物質です。そのため、その解体・除去作業は「大気汚染防止法」や「石綿障害予防規則」などの法律によって厳しく規制されています。

アスベスト解体・除去工事を安全かつ適正に進めるためには、次の点が結論として重要になります。

第一に、2022年4月から義務化された「事前調査」がすべての基本です。専門家による正確な調査なしに、適切な工事計画は立てられません。第二に、アスベストには飛散性のリスクに応じた3つのレベルがあり、レベルごとに除去方法や必要な対策が大きく異なります。そして最後に、最も重要なことは、必要な許可や資格を持ち、豊富な実績のある信頼できる専門業者に依頼することです。

安易な業者選びは、アスベストの飛散による健康被害や近隣トラブル、不適切な廃棄物処理による罰則など、取り返しのつかない事態を招く可能性があります。必ず複数社から相見積もりを取り、工事内容や費用を十分に比較検討してください。この記事で解説した知識をもとに、安全で確実なアスベスト解体・除去工事を実現させましょう。

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