空き家の税金対策はこれだけ!相続・売却・活用まで網羅した完全ガイド
- seira murata
- 8月13日
- 読了時間: 20分

空き家を放置すると固定資産税が最大6倍になるリスクをご存知ですか?本記事では、空き家の税金対策を「売却」「活用」「解体」「相続」の4つの視点から網羅的に解説します。3,000万円特別控除などの節税術から、2023年法改正の重要ポイント、専門家の相談先まで、あなたの状況に合った最適な選択肢が必ず見つかります。税負担を軽くし、資産を有効活用するための第一歩をこの記事から始めましょう。
1. はじめに 空き家にかかる税金の種類と基本
誰も住んでいない空き家でも、所有しているだけで毎年税金がかかります。放置すればするほど経済的な負担は増え、さらに近隣トラブルの原因にもなりかねません。まずは、空き家にどのような税金がかかるのか、その基本を正しく理解することが、効果的な対策への第一歩です。
この章では、空き家所有者が必ず知っておくべき税金の基礎知識について、分かりやすく解説します。
1.1 固定資産税と都市計画税
空き家を所有している場合にかかる主な税金は、「固定資産税」と「都市計画税」の2種類です。これらは土地や建物といった固定資産に対して課される地方税で、空き家を所有している限り、毎年支払い義務が発生します。
それぞれの税金の概要は以下の通りです。
税金の種類 | 概要 | 課税対象者 | 標準税率 |
固定資産税 | 土地や家屋などの固定資産に対して、その資産価値に応じて課される市町村税(東京23区の場合は都税)。 | 毎年1月1日時点の固定資産の所有者 | 1.4% |
都市計画税 | 原則として市街化区域内に土地や家屋を所有している場合に、固定資産税とあわせて課される市町村税(東京23区の場合は都税)。 | 最高0.3% |
都市計画税は、道路の整備や公園、下水道の整備といった都市計画事業の費用に充てられる目的税です。そのため、すべての空き家に課されるわけではなく、所有する空き家が「市街化区域」に指定されている場合にのみ課税されます。
1.2 税額はいつ誰がどのように決めるのか
固定資産税と都市計画税の税額は、市町村(東京23区は東京都)が決定し、納税者に通知されます。税額が決定される流れと納税の仕組みを理解しておくことが重要です。
税額決定のポイントは次の通りです。
項目 | 内容 |
納税義務者 | 毎年1月1日(賦課期日)時点で、土地や家屋の登記簿に所有者として登録されている人。 |
税額の計算基準 | 市町村が3年に1度評価を見直す「固定資産税評価額」を基に「課税標準額」が算出され、その額に税率を掛けて税額が決定されます。 ・固定資産税額 = 課税標準額 × 1.4% ・都市計画税額 = 課税標準額 × 最高0.3% |
納税通知 | 毎年4月~6月頃に、市町村から「納税通知書」が送付されます。この通知書に、税額や納付期限が記載されています。 |
納付方法 | 納税通知書に同封されている納付書を使い、年4回に分けて支払うか、一括で支払うのが一般的です。 |
年の途中で空き家を売却した場合でも、その年の納税義務者は1月1日時点の所有者となります。そのため、売買契約の際には、当事者間で税額を日割り計算して精算するのが通例です。
2. 【重要】空き家を放置すると税金が6倍に?特定空き家等とは

管理されていない空き家を放置し続けると、ある日突然、固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。これは「空家等対策の推進に関する特別措置法(通称:空き家対策特別措置法)」に基づく措置です。この法律は、周辺環境に悪影響を及ぼす危険な空き家を減らすことを目的としており、所有者には適切な管理が義務付けられています。この章では、税金が急増する原因となる「特定空き家」と、2023年の法改正で新設された「管理不全空き家」について、その基準と税金への影響を詳しく解説します。
2.1 税金が上がる「特定空き家」「管理不全空き家」の指定基準
空き家が「特定空き家」または「管理不全空き家」に指定されると、固定資産税の優遇措置が受けられなくなります。それぞれの指定基準と、指定された場合に起こることを理解しておくことが、最初の重要な税金対策となります。
区分 | 指定基準の概要 | 指定後の措置と税金への影響 |
管理不全空き家 | このまま放置すれば「特定空き家」になるおそれがある状態。例えば、窓ガラスが割れていたり、雑草が繁茂し始めていたりする段階。 | 自治体から管理に関する「指導」や「勧告」を受けます。 「勧告」を受けると、固定資産税の「住宅用地の特例」が解除され、税額が大幅に上がります。 |
特定空き家 | 以下のいずれかの状態にあり、周辺の生活環境に著しい悪影響を及ぼしている状態。
| 自治体から「勧告」や「命令」が出されます。命令に従わない場合、最大50万円以下の過料が科されるほか、行政代執行(強制的な解体など)が行われ、その費用が所有者に請求されます。 「勧告」の時点で、固定資産税の優遇措置は解除されます。 |
2.2 2023年空き家法改正のポイントと税金への影響
2023年12月13日に施行された改正空き家対策特別措置法は、空き家所有者にとって非常に重要な変更点を含んでいます。最大のポイントは、「特定空き家」の前段階である「管理不全空き家」が創設されたことです。
これまでの制度では、「特定空き家」に指定され、「勧告」を受けない限りは固定資産税の優遇措置が継続されていました。しかし、法改正後は、より早い段階である「管理不全空き家」として「勧告」を受けた時点で、優遇措置が解除されることになりました。
具体的には、土地にかかる固定資産税の課税標準を減額する「住宅用地の特例」が適用されなくなります。この特例がなくなると、土地の固定資産税は最大6倍、都市計画税は最大3倍にまで上昇する可能性があるのです。この改正により、空き家所有者はこれまで以上に早期の段階から適切な管理や対策を講じる必要に迫られています。
3. 【空き家の税金対策1】売却して税負担をゼロにする

空き家に関する税金の悩みを根本的に解決する最も確実な方法が「売却」です。売却してしまえば、翌年以降の固定資産税や都市計画税の支払い義務はなくなります。また、建物の維持管理にかかる手間やコスト、将来的な「特定空き家」に指定されるリスクからも完全に解放されます。思い出の詰まった家を手放す決断は簡単ではありませんが、経済的な負担をゼロにできる最も効果的な選択肢と言えるでしょう。
3.1 空き家売却のメリットとデメリット
空き家の売却は、税金対策として大きなメリットがありますが、デメリットも存在します。両方を正しく理解し、ご自身の状況に合った判断をすることが重要です。主なメリットとデメリットを以下の表にまとめました。
項目 | 内容 |
メリット |
|
デメリット |
|
売却によって利益が出た場合の税金は、次に紹介する特例を利用することで大幅に軽減できる可能性があります。
3.2 空き家の売却で使える税金の特例と控除
空き家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、所得税と住民税が課税されます。しかし、一定の要件を満たすことで利用できる特別控除があり、税負担を大きく減らすことが可能です。ここでは代表的な2つの特例をご紹介します。
3.2.1 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの3,000万円特別控除
親などから相続した空き家を売却する際に利用できる、非常に強力な制度です。一定の要件を満たせば、売却益から最大3,000万円まで控除できます。つまり、売却益が3,000万円以下であれば、譲渡所得税はかかりません。
主な適用要件は以下の通りです。
相続または遺贈により取得した家屋であること
昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
相続開始の直前まで被相続人(亡くなった方)が一人で居住していたこと
相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
売却代金が1億円以下であること
家屋を耐震リフォームして売るか、更地にして売却すること
この特例は適用要件が細かく定められているため、利用を検討する際は不動産会社や税理士に相談することをおすすめします。
3.2.2 マイホームを売ったときの3,000万円特別控除
この特例は、相続した空き家に一度ご自身が居住し、その後「マイホーム」として売却する場合に適用できる可能性があります。自分が住んでいる家を売却した際に、所有期間に関わらず、売却益から最大3,000万円を控除できる制度です。
相続した空き家に一度も住まずに売却する場合は前述の「空き家の3,000万円特別控除」を、一度居住してから売却する場合はこちらの「マイホームの3,000万円特別控除」を検討することになります。どちらの特例が利用できるか、またどちらが有利になるかは個別の状況によって異なるため、専門家への確認が不可欠です。
3.3 空き家売却の相談から完了までの流れ
空き家の売却を決断した場合、一般的には以下の流れで手続きが進みます。全体像を把握しておきましょう。
不動産会社への査定依頼
まずは複数の不動産会社に連絡し、空き家がいくらで売れそうか査定を依頼します。査定額や担当者の対応を比較し、信頼できる会社を選びましょう。
媒介契約の締結
売却を依頼する不動産会社を決め、販売活動を正式に依頼するための「媒介契約」を結びます。契約には「専属専任」「専任」「一般」の3種類があります。
販売活動の開始
不動産会社がインターネット広告やチラシなどで買主を探します。購入希望者から内覧の申し込みがあれば、立ち会いなどの対応をします。
売買契約の締結
買主が見つかり、価格や引き渡し条件がまとまったら「売買契約」を締結します。この際、買主から手付金を受け取ります。
決済・物件の引き渡し
売買代金の残金を受け取り、同時に物件の鍵や関連書類を買主に渡します。所有権移転登記の手続きもこの日に行われます。
確定申告
売却した年の翌年2月16日から3月15日までの間に、税務署で確定申告を行います。3,000万円特別控除などの特例を利用する場合は、この申告が必須です。
空き家の売却は、税金の知識だけでなく不動産取引の専門知識も必要となります。まずは無料査定を利用して、不動産会社に相談することから始めてみましょう。
4. 【空き家の税金対策2】活用して収益化し税金をまかなう

空き家を所有し続ける場合、ただ放置するのではなく「収益を生む資産」として活用することで、固定資産税や都市計画税といった維持費をまかない、さらには利益を得ることも可能です。ここでは、空き家を収益化するための具体的な方法と、それぞれに伴う税金対策について解説します。
4.1 賃貸物件として貸し出す場合の税金対策
空き家活用で最も一般的な方法が、賃貸物件として貸し出すことです。入居者が見つかれば安定した家賃収入が期待でき、固定資産税などの支払いに充当できます。賃貸経営で得た所得(不動産所得)は確定申告が必要ですが、様々な費用を経費として計上することで、課税対象となる所得を圧縮し、節税につなげることができます。
賃貸経営で経費として認められる主な費用は以下の通りです。
項目 | 内容 |
租税公課 | 固定資産税、都市計画税、不動産取得税など |
損害保険料 | 火災保険や地震保険の保険料 |
修繕費 | 壁紙の張り替え、設備の修理・交換など原状回復費用 |
減価償却費 | 建物の取得費用を、法定耐用年数に応じて分割して計上する費用 |
管理費 | 不動産管理会社に支払う管理委託手数料 |
借入金利子 | リフォームローンなど、不動産経営に関する借入金の利子部分 |
その他 | 税理士報酬、交通費、通信費、広告宣伝費など |
また、事業的規模(一般的に5棟10室以上)で賃貸経営を行い、正規の簿記の原則に従って帳簿を付け、電子申告(e-Tax)または電子帳簿保存を行えば、最大65万円の「青色申告特別控除」が適用され、大きな節税効果が期待できます。
4.2 リフォームして民泊やシェアハウスとして活用する
立地や物件の特性によっては、リフォームやリノベーションを施し、民泊やシェアハウスとして活用する方法も有効です。通常の賃貸よりも高い収益性を期待できる可能性がありますが、運営には専門的な知識や手間がかかります。
民泊を運営する場合は住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく届出が、シェアハウスは建築基準法上の「寄宿舎」に該当する場合があるなど、関連法規や自治体の条例を遵守する必要があります。運営にかかる清掃費、リネン交換費用、予約サイトへの手数料、光熱費なども経費として計上可能です。初期投資となるリフォーム費用については、自治体によっては補助金制度を設けている場合があるため、事前に確認してみましょう。
4.3 更地にして駐車場や資材置き場として貸す
建物の老朽化が激しく、リフォームや賃貸が難しい場合には、建物を解体して更地にし、駐車場や資材置き場として貸し出す選択肢もあります。この方法は、建物の管理や修繕の手間がかからず、比較的少ない初期投資で始められる点がメリットです。
ただし、建物を解体して更地にすると「住宅用地の特例」が適用されなくなり、土地の固定資産税が最大で6倍、都市計画税が最大で3倍に跳ね上がるという重大なデメリットがあります。駐車場経営などで得られる収益が、税金の増加分を上回るかどうかを慎重にシミュレーションすることが不可欠です。月極駐車場、コインパーキング、近隣の工事事業者への資材置き場など、周辺のニーズを調査した上で最適な活用法を検討しましょう。
5. 【空き家の税金対策3】解体する場合の費用と税金の注意点

管理が難しく、売却や活用も困難な空き家は、解体して更地にするという選択肢があります。しかし、解体には高額な費用がかかるだけでなく、税金面での大きな注意点も存在します。ここでは、空き家を解体する際のメリット・デメリットから、費用、税金の変動までを詳しく解説します。
5.1 空き家を解体するメリットとデメリット
空き家の解体を検討する際は、メリットとデメリットを正しく理解し、総合的に判断することが重要です。主なメリット・デメリットを以下の表にまとめました。
項目 | 具体的な内容 |
メリット |
|
デメリット |
|
解体は問題の根本解決につながる一方で、費用と税金の負担増という大きなデメリットを伴います。特に税金の変動については、次項で詳しく見ていきましょう。
5.2 解体して更地にすると固定資産税が上がる理由
「空き家を解体したら、土地の固定資産税が6倍になった」という話を聞いたことがあるかもしれません。これは「住宅用地の特例措置」が関係しています。
住宅が建っている土地(住宅用地)には、税負担を軽減するための特例が適用されています。具体的には、課税標準額が以下のように減額されます。
小規模住宅用地(200㎡以下の部分):固定資産税評価額が6分の1、都市計画税評価額が3分の1に減額
一般住宅用地(200㎡を超える部分):固定資産税評価額が3分の1、都市計画税評価額が3分の2に減額
しかし、建物を解体して更地にしてしまうと、この住宅用地の特例が適用されなくなります。その結果、土地の固定資産税は最大で6倍、都市計画税は最大で3倍に跳ね上がってしまうのです。解体を実行する前に、解体後の税額がいくらになるのかを必ずシミュレーションしておく必要があります。
5.3 解体費用の相場と利用できる補助金制度
解体を決断する上で、費用の把握は不可欠です。ここでは解体費用の相場と、負担を軽減できる可能性のある補助金制度について解説します。
5.3.1 解体費用の構造別相場
解体費用は、建物の構造や大きさ、立地条件、アスベストの有無などによって大きく変動します。以下はあくまで一般的な目安です。
建物の構造 | 坪単価の目安 | 備考 |
木造 | 3万円~5万円 | 最も一般的な戸建ての構造。 |
鉄骨造(S造) | 4万円~6万円 | 木造より頑丈なため、解体に手間がかかる。 |
鉄筋コンクリート造(RC造) | 6万円~8万円 | 最も解体が困難で、費用も高額になる傾向がある。 |
例えば、30坪の木造家屋であれば、90万円~150万円程度が費用の目安となります。正確な金額を知るためには、複数の解体業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
5.3.2 解体費用に使える補助金・助成金
倒壊の危険性がある老朽化した空き家など、一定の条件を満たす場合、自治体の補助金(助成金)制度を利用できることがあります。
制度の名称や条件、補助額は自治体によって様々ですが、一般的には「老朽危険家屋解体撤去補助金」などの名称で、解体費用の一部(例:費用の2分の1、上限50万円など)が補助されます。
補助金制度の利用を検討する場合は、必ず工事契約前に、空き家が所在する市区町村の担当窓口(建築指導課、都市計画課など)に問い合わせて、対象となるかを確認してください。申請期間が限られている場合も多いため、早めに相談することをおすすめします。
6. 【空き家の税金対策4】相続で損しないための選択肢

親などから空き家を相続したものの、利用する予定がなく、税金の負担だけに頭を悩ませている方も少なくありません。ここでは、空き家を相続した場合に考えられる税金対策の選択肢を3つご紹介します。ご自身の状況に合った最適な方法を見つけるための参考にしてください。
6.1 相続登記の義務化と税金対策への影響
これまで任意だった不動産の相続登記が、2024年4月1日から義務化されました。これは、所有者不明の土地や空き家が増加し、社会問題となっていることを背景にした法改正です。この義務化は、空き家の税金対策を考える上で非常に重要なポイントとなります。
相続登記をしないまま放置すると、10万円以下の過料が科される可能性があります。それだけでなく、登記上の所有者が確定していなければ、空き家の売却や賃貸といった活用ができず、税金対策の実行そのものが不可能になります。固定資産税の納税通知書は法定相続人に届きますが、登記を済ませて所有権を明確にしておかなければ、後々、他の相続人とのトラブルに発展するリスクもあります。まずは速やかに相続登記を済ませることが、あらゆる税金対策の第一歩となります。
6.2 相続放棄で空き家と税金の支払い義務を手放す
空き家以外にめぼしい財産がなく、管理の手間や税金の負担から完全に解放されたい場合に有効なのが「相続放棄」です。相続放棄とは、亡くなった方の預貯金や有価証券といったプラスの財産も、借金や不要な不動産といったマイナスの財産も、すべてを相続する権利を放棄する手続きです。
この手続きを家庭裁判所で行い、受理されれば、初めから相続人ではなかったことになります。これにより、空き家の管理責任や固定資産税の支払い義務も一切なくなります。ただし、相続放棄には「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」という期限があり、一度手続きをすると撤回はできません。他の価値ある財産も手放すことになるため、慎重な判断が必要です。
6.3 相続土地国庫帰属制度の利用を検討する
「空き家は不要だが、他の財産は相続したい」という場合に検討したいのが、2023年4月27日から始まった「相続土地国庫帰属制度」です。これは、相続した不要な土地を国に引き取ってもらう制度で、相続放棄と違い、特定の土地だけを手放せるのが大きなメリットです。
ただし、この制度を利用するには、土地が一定の要件を満たしている必要があります。最も重要なのは、建物が建っている土地は対象外であるという点です。制度を利用するには、自費で空き家を解体し、更地にする必要があります。その他にも、国が承認しない土地の条件が細かく定められています。また、審査手数料に加え、承認された際には10年分の土地管理費相当額として定められた負担金(原則20万円〜)を納付する必要があります。
相続土地国庫帰属制度で承認されない土地の主な例 | |
分類 | 具体的な内容 |
建物・工作物 | 空き家などの建物、その他工作物が存在する土地 |
権利関係 | 担保権や使用収益権が設定されている土地 |
物理的な問題 | 土壌汚染や埋設物が存在する土地 |
管理・処分上の問題 | 境界が明らかでない土地、崖地など管理に過大な費用・労力がかかる土地 |
この制度は法務局が窓口となります。利用を検討する際は、まずご自身の空き家が建つ土地が要件を満たせるか、解体費用や負担金を支払ってでも手放すメリットがあるかを総合的に判断することが重要です。
7. 空き家の税金対策に困ったときの相談先一覧

空き家の税金対策は、売却、活用、相続など多岐にわたるため、所有者一人で悩みを抱え込まず専門家へ相談することが解決への近道です。相談先によって得意分野が異なるため、ご自身の状況や目的に合わせて最適な専門家を選びましょう。ここでは、主な相談先とその役割を解説します。
7.1 不動産会社(売却・活用の相談)
空き家を「売却したい」「貸したい」など、具体的な活用を検討している場合の最初の相談先です。地域の不動産市場に精通しており、現実的な価格査定や最適な活用方法の提案が期待できます。
複数の不動産会社に査定を依頼し、担当者の対応や提案内容を比較検討することが成功の鍵となります。査定は無料で依頼できる場合がほとんどです。
主な相談内容 | 相談するメリット |
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7.2 税理士(税金計算・申告の相談)
空き家に関わる税金の計算や申告手続きなど、税務全般の専門家です。特に、空き家を売却して利益が出た場合の確定申告や、税金の特例を利用したい場合には必須の相談先と言えるでしょう。
税金の特例は適用要件が複雑です。自己判断で進めてしまうと、受けられるはずの控除を逃したり、申告漏れを指摘されたりするリスクがあります。初回相談を無料で行っている税理士事務所もあるため、気軽に問い合わせてみましょう。
主な相談内容 | 相談するメリット |
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7.3 自治体の担当窓口(補助金・制度の相談)
空き家の解体やリフォームを検討している場合、国や自治体が設けている補助金・助成金制度を利用できる可能性があります。これらの公的支援に関する情報は、お住まいの市区町村の担当窓口で得ることができます。
また、自治体が運営する「空き家バンク」への登録や、特定空き家に指定されそうな場合の相談も可能です。まずは所有する空き家がある市区町村のウェブサイトを確認するか、建築指導課や都市計画課といった担当窓口に問い合わせてみましょう。
主な相談内容 | 相談するメリット |
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8. まとめ
空き家を放置すると「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定され、固定資産税が最大6倍になる可能性があります。対策には、税負担をなくす「売却」、収益を得る「活用」、リスクを整理する「解体」、権利を手放す「相続放棄」など多様な選択肢があります。どの方法が最適かは個々の状況で異なるため、後悔しないためには不動産会社や税理士、自治体といった専門家へ早期に相談し、計画的に進めることが重要です。
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