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開業医必見!クリニックの内装工事費用を1円でも安くする業者選びの秘訣

  • 執筆者の写真: seira murata
    seira murata
  • 8月31日
  • 読了時間: 20分
クリニック 内装 工事 費用

クリニック開業で最も大きな費用となる内装工事。本記事では、診療科目別の費用相場や坪単価の注意点、コストを抑える具体的な方法、信頼できる業者の選び方まで網羅的に解説します。高額な投資で失敗しないための結論は、実績豊富な業者を見極め、適切な相見積もりを取ることです。この記事を読めば、適正価格で理想のクリニックを実現するための知識が全て手に入ります。


1. クリニック内装工事の費用相場と坪単価

クリニックの内装工事にかかる費用は、物件の状態や規模、診療科目によって大きく変動しますが、一般的に坪単価30万円~100万円程度が目安とされています。ただし、これはあくまで概算の数字です。例えば、コンクリート打ちっぱなしのスケルトン物件をゼロから工事する場合と、以前の設備が残っている居抜き物件を改装する場合とでは、初期費用に数百万単位の差が生まれることも少なくありません。まずは大まかな相場感を掴み、ご自身の計画と照らし合わせてみましょう。


1.1 診療科目別の費用相場一覧

クリニックの内装工事費用は、診療科目に特有の設備や動線設計によって大きく異なります。特に専門的な医療機器や特殊な内装(防音、放射線防護など)が必要な場合は、坪単価が高くなる傾向にあります。以下に、主な診療科目別の費用相場をまとめました。

診療科目

坪単価の目安

費用の特徴・ポイント

内科・一般内科

30万円~60万円

比較的シンプルなレイアウトが多く、費用は抑えやすい傾向にあります。ただし、レントゲン室や内視鏡室を設ける場合は、放射線防護工事や給排水設備などで追加費用が発生します。

小児科

40万円~70万円

キッズスペースの設置や、感染症対策のための隔離室(別動線)の確保、角を丸めた安全な建材の使用など、子供向けの配慮が必要となり、その分コストが上乗せされます。

皮膚科・美容クリニック

60万円~120万円

清潔感と高級感が求められるため、デザイン性の高い内装材や照明計画が重要になります。プライバシーに配慮した個室の施術室やパウダールームの設置で費用は高額になりがちです。

歯科クリニック

80万円~150万円

診療ユニットごとに複雑な給排水・電気・バキューム配管工事が必須となるため、設備工事費が非常に高額になります。レントゲン室の防護工事も加わり、坪単価は全診療科の中で最も高くなる傾向があります。

1.2 坪単価だけで判断するのは危険な理由

内装工事業者を探し始めると「坪単価〇〇万円~」といった広告を目にしますが、この数字だけで業者を比較・判断するのは非常に危険です。なぜなら、坪単価の算出基準が業者によってバラバラだからです。

例えば、ある業者の坪単価には設計デザイン費や空調設備費が含まれている一方、別の業者ではそれらが別途見積もりになっているケースがあります。一見安く見えても、最終的な総額では高くなってしまうことも珍しくありません。

また、坪単価には通常、CTやレントゲン、歯科ユニットといった高額な医療機器の費用は含まれていません。坪単価はあくまで概算を把握するための「入り口の指標」と捉え、必ず複数の業者から詳細な内訳が記載された見積もりを取得し、工事範囲と総額で比較検討することが失敗しないための鉄則です。


2. 【項目別】クリニック内装工事費用の詳しい内訳

クリニック 内装 工事 費用

クリニックの内装工事費用は、一見すると複雑に感じられるかもしれません。しかし、その内訳を項目別に理解することで、どこにどれくらいの費用がかかるのかが明確になり、予算計画や業者との交渉をスムーズに進めることができます。ここでは、内装工事費を構成する主要な項目を詳しく解説します。


2.1 設計デザイン費用

設計デザイン費用は、クリニックのコンセプトや患者様・スタッフの動線計画、内装デザインなどを具体的に図面化するための費用です。快適で機能的なクリニックを実現するための基盤となる重要なコストであり、一般的には総工事費の10%~15%程度が目安とされています。

  • 基本設計費用:院長の理念や診療方針をヒアリングし、コンセプトやレイアウト、動線計画などを決定します。

  • 実施設計費用:基本設計を基に、工事に必要な詳細な図面(仕上表、電気設備図、給排水設備図など)を作成します。

  • 設計監理費用:工事が設計図通りに品質を保ちながら進んでいるか、専門家の視点で確認・監督します。

デザイン会社や設計事務所に依頼する場合と、施工会社に設計施工を一括で依頼する場合で、費用の体系が異なることがあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、どちらが自身の計画に適しているか検討しましょう。


2.2 躯体工事と内装仕上げ工事の費用

躯体工事と内装仕上げ工事は、クリニックの空間そのものを形作るための工事です。一般的に「内装工事」と聞いてイメージされる部分であり、費用の大部分を占めます。


2.2.1 躯体工事

躯体工事は、クリニックの骨格を作る工事です。具体的には、間仕切り壁を設置するLGS(軽量鉄骨)工事や、壁や天井の下地となるプラスターボードを張る工事などが含まれます。テナントの状態によっては、既存の間仕切りを解体・撤去する費用も必要になります。


2.2.2 内装仕上げ工事

内装仕上げ工事は、壁紙、床材、天井材など、クリニックの印象を直接左右する部分の工事です。選ぶ素材のグレードによって費用が大きく変動するため、デザイン性、機能性(清掃のしやすさ、耐久性、抗菌性など)、そして予算のバランスを考えることが重要です。

工事箇所

主な仕上げ材

特徴と費用感

ビニールクロス、塗装、化粧パネル(ダイノックシートなど)

ビニールクロスは安価で種類も豊富。塗装は意匠性が高いがコストは上がります。診察室や処置室には抗菌・防汚機能のあるものが選ばれます。

長尺シート、タイルカーペット、フローリング

長尺シートは耐久性・清掃性に優れ、クリニックで最も一般的です。待合室などにはタイルカーペットやフローリングで温かみを出すこともあります。

天井

岩綿吸音板、ジプトーン、クロス仕上げ

機能性とコストを両立できる岩綿吸音板やジプトーンが主流です。デザイン性を重視する場合はクロス仕上げも選択肢になります。

2.3 電気水道ガス空調などの設備工事費用

クリニックの機能を支える上で不可欠なのが、電気、水道、ガス、空調などの設備工事です。特に医療機器の使用や衛生管理に関わる部分は専門的な知識が必要となり、一般的な店舗の内装工事よりも費用が高くなる傾向があります。

  • 電気設備工事:照明やコンセントの設置に加え、レントゲンやCTなどの大型医療機器には専用の電源回路と十分な電圧が必要です。将来的な機器の増設も見越した計画が求められます。

  • 給排水衛生工事:患者様用トイレやスタッフルームの洗面台はもちろん、診察室や処置室、消毒コーナーなど、診療内容に応じたシンクの設置が必要です。特に歯科では、診療ユニットごとに複雑な配管工事が発生します。

  • 空調換気工事:患者様とスタッフが快適に過ごすための空調設備は必須です。また、感染症対策として、建築基準法で定められた基準以上の換気能力を持つ設備の導入が重要視されています。

  • ガス設備工事:給湯器の設置や、歯科クリニックの技工室でガスバーナーを使用する場合などに必要となります。


2.4 医療機器や什器の費用

内装工事費とは別に、クリニック運営に必要な医療機器や什器(じゅうき)の費用も予算に組み込んでおく必要があります。これらは内装工事業者の見積もりに含まれる場合と、施主(開業医)が別途手配する「別途工事」となる場合がありますので、見積もりの範囲を事前にしっかり確認することが重要です


2.4.1 医療機器

レントゲンやCT、内視鏡、診察ユニットなど、診療の根幹をなす専門的な機器です。機器の価格そのものに加え、設置に伴う電気工事や床の補強工事など、内装工事側で対応が必要な費用も発生します。


2.4.2 什器・備品

什器には、受付カウンターやカルテ棚のように、内装に合わせてオーダーメイドで製作する「造作家具」と、待合室のソファやデスクのように既製品を購入する「置き家具」があります。造作家具は空間にぴったり収まり統一感が出せますが、既製品に比べて費用は高くなります。予算に応じて、どこに造作家具を採用するかを検討しましょう。

分類

具体例

ポイント

造作家具

受付カウンター、バックヤード収納、カルテ棚

スペースを有効活用でき、デザインの統一感が出せます。費用は高めです。

置き家具

待合室の椅子・ソファ、診察室のデスク、スタッフルームのテーブル

コストを抑えやすく、レイアウト変更が容易です。

その他備品

カーテン・ブラインド、看板(サイン)、電話・LAN設備、パソコン

内装工事の見積もりに含まれるか、別途工事かを確認する必要があります。

3. 診療科目でこんなに違う クリニック内装工事費用のポイント

クリニック 内装 工事 費用

クリニックの内装工事費用は、診療科目によって必要な設備やレイアウトが大きく異なるため、一概に

は言えません。ここでは、代表的な診療科目を例に挙げ、内装工事における特有のポイントと、それが費用にどう影響するのかを具体的に解説します。


3.1 内科クリニックの内装工事

内科は患者層が幅広く、高齢者や車椅子の方の来院も多いため、誰にとっても利用しやすいユニバーサルデザインが基本となります。また、感染症対策も重要なポイントです。

内科で特に重要な工事ポイント

費用への影響

バリアフリー設計

エントランスのスロープ設置、手すりの取り付け、広い廊下や多目的トイレの確保など、通常の設計よりも費用が割高になる傾向があります。

X線(レントゲン)室の設置

放射線を遮蔽するための鉛ボードや鉛ガラスを用いた防護工事が必須です。専門的な工事であり、内装工事の中でも特に高額な費用がかかります。

感染症対策

発熱患者用の隔離待合室や診察室の設置、換気能力の高い空調設備の導入は、間仕切り工事や設備工事の費用を押し上げる要因となります。

3.2 歯科クリニックの内装工事

歯科クリニックは、ユニット(診療台)を中心に専門的な設備が多数必要となり、特に水回りや電気系統の設備工事が複雑化し、費用が高額になるのが特徴です。

歯科で特に重要な工事ポイント

費用への影響

ユニット周りの床下配管工事

給排水、バキューム、エアーなどの配管を各ユニットに接続するための床下工事が必要です。これは非常に専門性が高く、内装工事費用全体のかなりの割合を占めることがあります。

専門的な部屋の設置

技工室、消毒・滅菌室、レントゲン室(CT室)など、歯科特有の部屋が多く必要です。それぞれに専用の給排水設備や換気設備、X線防護工事が求められ、コスト増につながります。

プライバシーへの配慮

患者のプライバシーを守るため、ユニットごとにパーテーションを設置したり、半個室・個室設計にしたりすることが多く、間仕切り工事の費用が増加します。

3.3 美容クリニックの内装工事

美容クリニックは、医療機関であると同時に、患者の「美」への期待に応える空間づくりが求められます。そのため、機能性だけでなく、デザイン性や高級感の演出が費用を大きく左右します。

美容クリニックで特に重要な工事ポイント

費用への影響

高級感のある内装デザイン

非日常的な空間を演出するため、大理石調の床材やデザイン性の高い壁紙、間接照明などを多用します。使用する建材や照明器具のグレードが高くなるため、材料費・工事費ともに高額になります。

プライバシーを重視した個室設計

カウンセリングルームや施術室は完全個室が基本です。部屋数を多く確保する必要があるため、間仕切り壁の造作費用やドアの設置費用がかさみます。

パウダールームの充実

施術後に患者が利用するパウダールームは、クリニックの印象を決める重要な要素です。デザイン性の高い洗面台や鏡、照明などを設置するため、設備費用が高くなる傾向にあります。

3.4 小児科クリニックの内装工事

小児科では、子どもたちが恐怖心を感じずに安心して過ごせる空間づくりが最も重要です。安全性への配慮と、子どもが楽しめる工夫が内装工事のポイントとなります。

小児科で特に重要な工事ポイント

費用への影響

安全性への徹底した配慮

家具や壁の角を丸くする、指を挟みにくいドアを採用する、滑りにくい床材を選ぶといった安全対策が必要です。特殊な建材や追加の造作工事が必要となり、費用が上乗せされます。

キッズスペースの設置

子どもたちが待ち時間を楽しく過ごせるよう、キッズスペースを設けるのが一般的です。クッション性の高い床材の設置や、おもちゃを収納する造作棚など、追加の工事費用が発生します。

明るく楽しい内装デザイン

壁紙を動物柄にしたり、天井を空の模様にしたりと、内装に遊び心を取り入れることが多くあります。デザイン性の高い内装材は、一般的なものより費用が高くなる場合があります。

4. クリニックの内装工事費用を安く抑える5つの方法

クリニック 内装 工事 費用

クリニックの開業準備において、内装工事費用は初期投資の大部分を占める重要な項目です。しかし、工夫次第で品質を落とさずにコストを最適化することは十分に可能です。ここでは、クリニックの内装工事費用を1円でも安く抑えるための具体的な5つの方法を、それぞれのメリット・デメリットと合わせて詳しく解説します。


4.1 相見積もりを複数社から取る

内装工事業者を選ぶ際、最低でも3社以上の業者から相見積もりを取得することは、コスト削減の基本中の基本です。1社だけの見積もりでは、提示された金額が適正価格なのか判断できません。複数の見積もりを比較することで、工事内容ごとの費用相場を把握でき、価格交渉の有力な材料となります。

ただし、単に総額が最も安い業者を選ぶのは危険です。見積書の内訳が詳細か、提案内容がこちらの要望を汲み取っているか、担当者の対応は信頼できるかなど、価格以外の側面も総合的に評価しましょう。安さだけを追求した結果、工事の品質が低かったり、後から追加費用を請求されたりするケースもあるため、慎重な業者選定が求められます。


4.2 デザインや素材のグレードを見直す

内装のデザインや使用する建材は、工事費用に大きく影響します。理想をすべて詰め込むと予算はあっという間に膨れ上がってしまいます。費用を抑えるためには、こだわりたい部分と妥協できる部分を明確にする「選択と集中」が重要です。

例えば、患者さんの目に直接触れる待合室の壁紙や受付カウンターには質の良い素材を使い、スタッフルームや倉庫などのバックヤードは機能性重視の安価な素材を選ぶといったメリハリをつけることで、全体のコストを効果的に削減できます。見た目の印象を大きく変えずにコストダウンできる代替案がないか、設計担当者や工事業者に相談してみるのも良いでしょう。


4.3 居抜き物件を活用する

居抜き物件とは、前のテナントが使用していた内装や設備が残された状態で貸し出される物件のことです。特に、同じ診療科目のクリニック跡地であれば、診察室の間取りや電気・水道・換気設備などをそのまま流用できる可能性があり、ゼロから内装を作り上げるスケルトン物件に比べて工事費用と工期を大幅に削減できるのが最大のメリットです。

一方で注意点もあります。残された設備が老朽化していて修繕や交換に費用がかかったり、レイアウトが自院のコンセプトと合わずに大規模な改修が必要になったりすると、かえって割高になるケースも少なくありません。契約前には必ず専門家を交えて、設備の劣化状況や配管の位置などを詳細に確認することが失敗を防ぐ鍵となります。


4.4 使える補助金や助成金を探す

クリニックの開業や改修に際して、国や地方自治体が提供する補助金・助成金制度を活用できる場合があります。これらの制度をうまく利用すれば、自己負担額を大きく軽減することが可能です。

対象となる経費や申請要件は制度によって様々ですが、代表的なものには以下のようなものがあります。

制度の例

対象となる工事内容の例

ポイント

事業再構築補助金

新規事業分野への進出に伴う設備投資や店舗改修費用

大規模な投資が対象となりやすいが、要件が厳しい。

小規模事業者持続化補助金

販路開拓のための店舗改装費用(待合室の改修など)

比較的採択されやすいが、補助上限額は低め。

各自治体の創業者支援事業

バリアフリー化工事、省エネ設備導入、感染症対策設備設置など

自治体によって制度の有無や内容が大きく異なる。

補助金や助成金は、公募期間が限られており、申請手続きも複雑なことが多いため、開業計画の早い段階から情報収集を始め、税理士や中小企業診断士などの専門家に相談することをおすすめします。


4.5 分離発注を検討する

分離発注とは、通常は設計事務所や工務店が一括して手配する内装工事、電気工事、水道工事、空調設備工事などを、施主である院長先生が自ら各専門業者に直接発注する方法です。元請け業者が受け取る中間マージンや管理費をカットできるため、すべてがうまくいけば総工費を10%〜20%程度削減できる可能性があると言われています。

しかし、この方法には大きなデメリットも存在します。それは、各業者との交渉、スケジュール調整、現場での指示、品質管理など、本来であれば元請け業者が担うべきすべての業務を自分で行わなければならない点です。建築に関する専門知識と豊富な時間、そして多大な労力が必要となるため、開業準備で多忙な医師にとっては非常にハードルが高い選択肢と言えるでしょう。コスト削減効果と手間を天秤にかけ、慎重に検討する必要があります。


5. 失敗しない クリニック内装工事業者の選び方と秘訣

クリニック 内装 工事 費用

クリニックの内装工事は、単におしゃれな空間を作るだけではありません。医療法や保健所の基準、患者様とスタッフの動線、医療機器の設置など、専門的な知識と経験が不可欠です。業者選びの失敗は、費用の増大だけでなく、開業後の運営効率や集患にも悪影響を及ぼしかねません。ここでは、理想のクリニックを実現するためのパートナーとなる、信頼できる業者選びの秘訣を3つのポイントに絞って解説します。


5.1 クリニックの施工実績が豊富か確認する

業者選びで最も重要なのが、クリニックの施工実績です。一般的な店舗やオフィスとクリニックでは、求められる要件が全く異なります。実績を確認する際は、以下の点に注目しましょう。

  • 専門性の高い施工経験: 過去にどのような診療科目(内科、歯科、美容皮膚科など)のクリニックを手がけたかを確認します。特に、ご自身の診療科目に近い実績が豊富であれば、特有の設備(レントゲン室の放射線防護、歯科ユニットの給排水設備など)や動線設計に関する深い知見が期待できます。

  • ウェブサイトの施工事例: 業者の公式ウェブサイトで、施工事例(ポートフォリオ)を必ずチェックしましょう。写真だけでなく、設計のコンセプトや施主である医師のこだわりがどのように反映されたかといった情報が記載されていれば、より信頼性が高まります。

  • 法規制への準拠: クリニックの内装は、医療法、建築基準法、消防法など、様々な法規制をクリアする必要があります。実績豊富な業者はこれらの複雑な法規制を熟知しており、保健所の検査をスムーズに通過するためのノウハウを持っています。


5.2 担当者との相性や提案力を見極める

内装工事は、担当者と密にコミュニケーションを取りながら進める長期的なプロジェクトです。そのため、担当者との相性やスキルも業者選びの重要な判断基準となります。

打ち合わせの際には、以下の点を見極めましょう。

  • ヒアリング力: 医師が描くクリニックの理念やコンセプト、診療スタイルを丁寧にヒアリングし、深く理解しようとする姿勢があるか。

  • 専門的な提案力: こちらの要望をただ聞くだけでなく、プロの視点からより良い空間にするための提案があるか。例えば、患者様のプライバシーに配慮したレイアウト、スタッフの作業効率を上げるバックヤードの設計、将来的な拡張性を見据えた提案など、付加価値のある提案をしてくれる担当者は信頼できます

  • 迅速かつ誠実な対応: 質問や相談に対するレスポンスが早く、専門的な内容も分かりやすい言葉で説明してくれるか。誠実なコミュニケーションが取れる相手でなければ、工事中にトラブルが発生した際、不安を抱えることになります。

単なる「業者」としてではなく、開業を成功に導くための「パートナー」として信頼できる人物か、という視点で判断することが大切です。


5.3 アフターフォローや保証体制が充実しているか

内装工事は、引き渡しが完了すれば終わりではありません。開業後に万が一の不具合が発生した場合に、迅速に対応してくれる保証体制が整っているかを確認することは極めて重要です。

契約前に、必ず以下の項目を書面で確認しましょう。


アフターフォロー・保証体制のチェックリスト

チェック項目

確認すべき内容

保証期間

工事内容に対する保証期間が何年か(例:1年、2年など)。

保証の対象範囲

壁紙の剥がれや建具の不具合といった内装仕上げから、電気・空調・給排水などの設備まで、どこまでが保証の対象に含まれるか。

緊急時の対応

水漏れや漏電など、緊急時の連絡先や対応フローが明確になっているか。24時間対応の窓口があるとさらに安心です。

定期メンテナンス

引き渡し後の定期点検など、保守メンテナンスのサービスがあるか。

工事完了後も長期的に付き合える、安心のサポート体制を持つ業者を選ぶことで、日々の診療に集中できる環境を維持することができます。


6. 見積もり取得時に注意すべきチェックポイント

クリニック 内装 工事 費用

複数の業者から見積もりを取得しても、その内容を正しく比較・検討できなければ意味がありません。後々のトラブルを避け、納得のいく契約を結ぶために、見積書を受け取った際に必ず確認すべき重要なチェックポイントを解説します。


6.1 見積書の内訳が詳細か

最も重要なのが、見積書の内訳の具体性です。「〇〇工事一式」といった大雑把な記載が多い見積書は注意が必要です。どの工事にどれくらいの費用がかかっているのかが不透明なため、コストが適正かどうかを判断できません。また、将来的に仕様変更や追加工事が発生した際の金額交渉の根拠もなくなってしまいます。

良い見積書は、工事項目ごとに「数量」「単価」「金額」が明確に記載されています。以下の表を参考に、ご自身の見積書が詳細な内訳になっているかを確認しましょう。

チェック項目

良い見積書の例

注意が必要な見積書の例

内装仕上げ工事

壁:抗菌ビニルクロス(メーカー・品番記載) 50㎡ 単価〇〇円

内装工事 一式

建具工事

木製建具(受付カウンター) W1800×D600 1台 金額〇〇円

造作家具工事 一式

設備工事

業務用エアコン(ダイキン製・型番記載)設置 1台 金額〇〇円

空調設備工事 一式

諸経費

現場管理費、運搬費、廃材処分費など項目別に記載

諸経費 一式

特に、使用される建材や設備のメーカー名・型番まで記載されているかを確認してください。グレードの低い安価な材料にすり替えられるといったトラブルを防ぐためにも、詳細な仕様の明記は不可欠です。


6.2 追加費用の発生条件が明記されているか

当初の見積金額が安くても、最終的に追加費用が重なり、総額が大幅に膨れ上がるケースは少なくありません。こうした事態を避けるため、どのような場合に追加費用が発生するのか、その条件が契約前に明記されているかを必ず確認しましょう。

特に以下の点については、業者に直接質問し、書面で回答をもらうことをお勧めします。

  • 見積もりに含まれる工事範囲と「別途工事」の範囲は明確か


    (例:看板工事、電話・インターネット回線工事、医療機器の設置工事などは別途工事扱いになることが多いです)

  • 設計変更や仕様のグレードアップを依頼した場合の料金算出基準は何か

  • 解体工事後、予期せぬ問題(構造体の腐食など)が発覚した場合の対応と費用負担はどうなるか

  • 残材処分費や工事後のクリーニング費用は見積もりに含まれているか

「言った」「言わない」のトラブルを防ぐためにも、追加費用の発生条件や工事範囲については、必ず契約書や議事録などの文書で明確にしておくことが、クリニックの内装工事を成功させるための鍵となります。


7. まとめ

クリニックの内装工事費用は、診療科目や設計、設備のグレードによって大きく変動します。坪単価だけで判断せず、複数の業者から詳細な見積もりを取り、比較検討することが重要です。費用を抑える方法は様々ですが、安さだけを追求すると、機能性やデザイン性が損なわれ、将来的な追加費用につながる恐れもあります。成功の鍵は、クリニックの施工実績が豊富で、信頼できるパートナー業者を見つけることです。本記事で紹介したポイントを参考に、理想のクリニック開業を実現してください。

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